真っ青な顔をしたTがビデオを持って訪ねてきました。
「このビデオ見てもらえませんか?
撮られた覚えがないんですけど
宅配で届いたんで見たら
僕がカメラ目線で口をパクパクしてるんです」
と言ってビデオを置いて帰ってしまいました。
俺はとりあえずビデオを見ることにしました。
すると画面には俺がカメラ目線で口をパクパクしてるじゃないですか。
ダマされたっと思った俺は、すぐにTの携帯にTELを入れ
もう一度、俺の家に来るように言いました。
Tが戻って来、思いつく限りの文句を言うと
「ウソや...絶対ウソや...僕でしたよ...」
と言います。
(またや...まずいもん見てもうた...)
と思いましたが、もう一度見る勇気もなく
長い間沈黙が続きました。
俺はとりあえずこの場をなんとかしなくてはという思いと
このビデオを家に置いて置くのが嫌だったんで
友人Kがやっている居酒屋に行くことにしました。