【KHP/HP2/LS/MRS】京都ホットポイントグループ57
パチンコ屋の前で俺は足を止めた・・・
従業員募集中の張り紙を見つけたからだ・・・
ちょっと声を掛けてみよう・・・
すいません、こちらで働きたいのですが・・・
身分証などは持ってるの?
持っていないんですが、なんとか働かせていただきたいのです・・・
ちょっと担当者を呼んできますね・・・
・・・・
お待たせいたしました・・・このお仕事の経験はございますか?
この業界で働いていたことがありますので、自信があります。
じゃ、こちらの誓約書にサインしてくれる?
はい・・・
で、君は住むところはあるの?
いえ、ありません・・・
じゃ、待遇面や寮費はこの書類に書いてあるから、目を通しておいてね。
はい。
じゃ、今から働ける?
はい。
俺はなんとか仕事にありつけた・・・
38才、独身貴族の逃避行・・・
俺は順調に仕事をこなしていた・・・
真面目に勤めていたら、身元がばれないだろう・・・
俺はそう考えていた・・・
だが、それも長くは続かなかった・・・
風俗嬢殺人事件に関する聞き込みで警察がパチンコ屋にやってきたのだった・・・
俺は店長に呼ばれた・・・
お前は風俗嬢を殺してしまったのか・・・
ついにこの日が・・・
どうなんだ? 事実なのか? 警察にお前の写真を見せられたのだが・・・
・・・・はい。俺がやりました。
一緒に警察に自首しに行こう・・・
・・・・
これ以上は逃げられないのか・・・
38歳、遂にこの日がやってきた独身貴族の嘆き・・・
俺は店長に連れられて警察に自首した・・・
マスコミが殺到する中、裁判が行われた・・・
弁護士の先生の精神鑑定のやり直しの申請もむなしく、死刑の判決を受けた・・・
上告はしないつもりだ・・・
俺が全てを償わなくていけない・・・
そして・・・俺は最後に一言、立会人に残した・・・
今度生まれ変わった時は、海の底で静かに生きる貝になりたい・・・
俺の人生は終わりを遂げた・・・
38歳、人生の終焉を迎えた独身貴族の結末・・・