日本政府が中学校教科書の新しい学習指導要領解説書に独島(竹島)を自国領土と明記すると中国政
府が「快哉」を叫んでいる。中国と日本が領有権をめぐって鋭く対立している釣魚島(日本名・尖角列
島)問題と係わって中国が攻撃材料に使える論理を日本が自ら提供してくれるからだ。
釣魚島は台湾から東北方へ120km、日本の沖繩から西南方へ200kmほど離れた島嶼群だ。釣魚島を含め
て大きな島5つと障害物3つなどから構成されたこの群島は、0.186平方キロに過ぎない独島と異なり、
面積も6.3平方キロと結構大きい。周辺海域には石油と天然ガスが豊かに埋蔵されている。
ここは最初、清の土地だったが1895年、日清戦争で中国が敗れて日本に渡した。アメリカは1951年9月
日米講和条約を締結して沖繩とともにこの島を渡されて管轄するが、1972年5月の沖繩返還で、この島
まで一緒に返還した。以後、日本は釣魚島を30年以上実質的に支配している。島周辺はいつも日本の
巡視船が見張っている。
しかし、日本は歴史的に韓国の領土と同時に韓国が実効的に占有している独島に対する領有権主張を
学習指導要領解説書に明記することで、中国政府が釣魚島を中国の領土と表記しても何も言えなくな
った。中国政府はこれまで日本との領土問題が起きる度にこの島が中国領土であることを主張したが、
実際に地図では明らかに表示していなかった。
中国はひいては日本が実効的に占有している釣魚島に設置した施設物の撤去と近海域の巡視中断を強
力に要求することができるようになった。領土紛争で相手を圧迫するカードを一枚加えて持つように
なったわけだ。
中国は日本の文部科学省の教科書担当官吏が15日「日本が教科書に釣魚島領有権を明記した」と言う
内容の日本メディア報道を「誤報」と否認した事実も「好材料」と見ている。逆に釣魚島を日本領土
ではない、という意味に解釈される余地を作ったからだ。
領土はどの国でも決して容易に譲歩できない懸案だ。だからもっと原則が要求される。日本は自家撞
着的な「二重基準」で領土問題に接近するようなら、実質的利得を得ることができないのみならず、
世界の舞台でさらに孤立を自ら招く、という平凡な真理を悟らなければならない。
日本政府が中学校学習指導要領の解説書に「独島(日本名竹島)領有権」を
明記したことに対する抗議のため、今月15日に一時帰国した権哲賢
(クォン・チョルヒョン)駐日大使が17日、大統領、国務総理、大統領府
外交安保首席らに相次いで会い、独島問題についての対策について
話し合った。権大使はまた外交通商部担当の記者、韓国に駐在する
日本人特派員らとも会見を行い、日本に対する韓国政府の強硬方針を
重ねて表明した。
権大使は日本に戻る時期について、当初の予定よりもかなり遅くなる
可能性もあることを示唆した。過去に駐日大使が一時帰国した際、
わずか1週間で日本に戻った前例について、
「当時は政府がどのように対処していたのか調べる必要がある。
そのような対応では無視されて笑いものになるだけだ。
今度も日本はそうなるだろうと考えているようだが、
今回はそのような愚かなことをしてはならない」と述べた。
権大使は「日本は9月中旬に予定されている韓中日首脳会談の
準備に追われているが、今回の問題が影響を及ぼすのではないかと
心配している。また10月初めに予定されていた福田首相の国賓としての
韓国訪問も、実現できなくなるのではないかと日本は恐れを抱き始めているようだ」
「とりわけ外交政策の失敗で福田首相の支持率挽回(ばんかい)の努力が挫折し、
政権の維持に問題が生じるのではないかと心配しているようだ」とも語った。
権大使はさらに「日本への信頼が今回のように崩れ去るのを目の当たりにし、
(韓日関係が)以前の状態に戻るのかあるいは後退するのか、本当に残念でならない。
両国の外交関係が正常な状態に戻るよう、日本側がより誠意をもって真摯(しんし)な
対応を行うことを心から願っている」とも述べた。日本による対応としては
「“こうすればよい”というものはないが、最も正確なことは解説書に明記された
独島関連の記載を削除することであり、それ以外にも外務省ホームページの
独島関連の内容の削除などもあるだろう」と説明した。