82のかさぶたです。82さま、ご無沙汰して居ります。
あれは確か、Jリイグの設立元年で御座ゐましたね。
日本代表を氣取つた貴方の無謀なスライデヰングにより
私はこの世に生を受けました。幸か不幸か、未だ結論が出せずに居ります。
國勢おろか、首都所在地すらご存じないでせうカメルウン國の
小粹なプロミスリングはお捨てになりましたか。
私が硬化し、三途の川を目の當たりにするたび貴方は
爪を立て、引き剥がし、懸命に看病して下さいましたね。
そぞろ降るアカチンの雨、キズドライの暴風が今では良い思ひ出です。
そんな貴方が毎晩スレツドを立てては、卑しい世間樣に彈かれ
その纖細な心を傷つけてゐる。かさぶたにはもう耐へられません。
横竝び、事なかれの社會は世知辛く、貴方獨特の虚榮は通じないのです。
無表情な電腦の世界が、強い個性を受け容れるとは思へません。
わかつて下さい。夜は元來、優しいもの。それを切に教へてあげたい。
毎晩、叶はぬ妄想を棒状に託すのは結構なことでございますが、
ほんの少しだけ視綫を落とし、膝小僧を見つめていただきたいのです。
かさぶたは褐色の染みとなつて、いつも貴方を見守つて居りますから。
82さま、もう一度、西陽を追ひかけてみませんか。
赤土にまみれ、 汗を流した末に負ふ傷ならば、輝いて見えることでせう。
最後になりました。すぐに、ご自分を取り戻されることと信じてをります。
自慰も程々に、ご自愛下さいましね。