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昨日付けの日刊スポーツ:
上司や先輩に歯向かったことはありますか。
新年早々、何を言い出すのか。そう思うかもしれません。目上の人に異議を唱えることは、エネルギーのいることでしょう。
反論すれば、それ以上の結果を出さなければ認めてもらえない。歯向かいたくてもグッと我慢してしまう。
そんな経験は誰にもあるのではないでしょうか。
2010年6月24日。日本がW杯決勝トーナメント進出を決めた1次リーグ・デンマーク戦で、FW本田圭佑(24=CSKAモスクワ)は世界を驚かせるPK弾を決めた。
日本中が熱狂の渦に包まれたあの瞬間、草原に囲まれたルステンブルグの記者席で、私はふと「これで本田も重圧から解放された」と思った。
前年の09年の9月25日。まだ代表に定着していなかった本田が、オランダ戦(アウェー)で不動の存在だったMF中村俊輔にかみついた。
後半18分のFK。本来なら左足なら中村、右なら遠藤が蹴るはずだった。
だが、そこは当時は新戦力だった本田が割って入った。その場面は「対立」「口論」として報じたが、詳細は明かされていない。
当事者の中村は「墓場まで持って行く」と言い、そばにいた遠藤も口をつぐんだ。
闇に包まれた30数秒、2人のやりとりはこういう具合だった。
・本田「オレが蹴ります」
・中村「・・・・・・・」
・本田「俊輔さん最近、FK決めてないでしょ。結果が出ていないんやから(蹴るのは)オレでしょ」
最終的に結論は出ないまま、中村がいつものようにFKを蹴った。温厚な人柄で知られる中村だが後日、知人にこう漏らした。
「アイツを、本田をぶん殴ってやりたい!」