最新リポート 中国
プロ化が成功している中国の2大スポーツといえば、サッカーとバスケットボール。
しかし、その高い注目度にもかかわらず、卓球やバドミントン、飛込み、体操といったお家芸のように、
国際大会で好成績を挙げているわけではありません。特にサッカーは、イメージの浮沈が激しく、
クラブ運営の収支バランスも不安定な状況が続いています。サッカー界に何が起こっているのか。3 回に分けて紹介します。
プロ化が生んだ究極のマネーゲーム
中国のプロサッカーリーグ(※)は、日本のJリーグに遅れること1年、1994年に誕生しました。中国における初のプロスポーツリーグです。
外国のマーケティング会社がノウハウを持ち込んだこと、従来からの人気スポーツであり、欧州プロサッカーの全国放映が数年前からスタートしていたことなど、
様々な要因が絡み合い、短期間のうちに中国人の心をつかむリーグに成長しました。
2003年当時のテレビ放映時間のある統計を見ると、スポーツ番組のうち、サッカー番組の占有率は40%を超えています。サッカーの影響力の大きさを物語る数字です。
しかし、突然の成功には、必ず落とし穴があります。サッカー先進国のイングランドでは、プロサッカー選手の平均年収は、国民の平均年収の28倍といわれています。
そんな中、実力では遠く及ばない中国人選手も、サラリーキャップ制が導入される前には、中国のプロリーグで、国民の平均年収の130倍といわれる報酬を得てい