今宵の日刊ゲンダイ
「フジテレビ撤退でヤクルト身売り危機」
減り続ける観客動員、相次ぐスポンサーの契約解除で増える一方の経営赤字
選手内にも広がる不安と絶望
ゴールデンルーキー佐藤由規(仙台育英)の入寮に報道陣50人もこれが最初で最後の明るい話題か
本文
これが最後の賑わいになるかもしれない。ヤクルトの高校生ドラフト1巡目新人・佐藤由規(仙台育英)がこの日(8日)入寮。
「この場に来て改めて実感が湧いてきた。まずは1勝して、最終的に新人王を取りたい」と、決意を新たにした。
ゴールデンルーキーの入団に凡そ50人が集まるなど周囲は大騒ぎだった。
が、そのヤクルトの実態は、シッチャカメッチャカになっているのが実情だ。
昨年、古田選手兼任監督が退団し、古田前監督が結成したブレーン集団の「Fプロジェクト」も解散した。
これに伴い、スポンサー契約を結んでいた「ユニデン」「東京都民銀行」「レノボ」「インテル」の4社がヤクルトとの契約を解除。年間で凡そ3億円が目減りすることになった。
観客動員は1992年の247万人をピークに減り続け、昨年は133万人強。昨年度の経営赤字は20億円に登るとも言われている。
鈴木球団社長はこのオフ、高年俸のラミレス、石井一らを放出するなど大幅なコストカットを断行。球団職員の間からは、「歩くソロバン」と、鈴木社長を揶揄する声も聞かれる。
「昨年末には、シーズンシートを売る為の営業活動に、職員が駆り出されました。営業部員に止まらず、総務から現場のサポートをする運営部員までが、個人宅や企業を訪問。
一人当たり数十件のノルマを課されていたため、朝から晩まで外回りをしなければノルマを達成出来ない。本業どころじゃありませんでした」(球団関係者)
球団職員が、それこそ「ヤクルトおばさん」になって懸命にチケットを売り込むなど前代未聞。それだけでも球団の苦境が伝わって来る。
こんなヤクルトのボロボロ状態に追い討ちをかけそうなのが、球団の20%の株を所有するフジテレビの動向である。
フジテレビは昨年11月13日、平成20年3月期の中間決算で、営業利益が前期比で69%減になったと発表。
通期の連結営業利益は、前期比で40%目減りする見通しで、局内に衝撃が走った。
これに市場は敏感に反応し、昨年一時29万2000円の値をつけた株価は、8日現在で18万1000円にまで暴落。時価総額は3分の2以下にダウンした。
続く。