プロ野球の視聴率を語る2013

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5無礼なことを言うな。たかが名無しが
443 名前:無礼なことを言うな。たかが名無しが 投稿日:2007/11/16(金) 17:43:29 ID:J9VdRFjy

◆2007 11/16 毎日新聞 7面 「プロ野球・巨人を診断する」◆
玉木 正之=スポーツライター <時代錯誤の盟主意識> 1/3

プロ野球ファンの7割以上が巨人ファン。TV視聴率は常に20%前後。
かつて、そんな時代があった。
理由は明らかで、巨人の親会社が巨大メディアであったこと。
その親会社が優秀な選手の獲得に莫大な資金を投じたこと。この2点である。
全国ネットのテレビ中継が他球団の試合を無視して巨人戦ばかりを放送し、日本一の
発行部数を誇る全国紙が「巨人が勝たなければプロ野球はつまらない」という意見を
流し続けた結果、巨人ファンは全国に増え、それに反発した野球ファンも、「アンチ巨人も
巨人ファン」というレトリックの中に取り込まれた。
親会社の巨大メディアがそれほど必死に巨人のPRに努めたのは、野球を利用した販売
戦略に出遅れたからである。
朝日の高校野球、毎日の都市対抗野球とセンバツ。
その後塵を拝した読売グループは、職業野球の宣伝とりわけ巨人人気の獲得に力を注いだ。
そして他球団が親会社の税金対策として存在した時代、読売の戦略は功を奏した。
6無礼なことを言うな。たかが名無しが:2007/11/16(金) 20:03:16 ID:Ti4mv4Bt
450 名前:無礼なことを言うな。たかが名無しが 投稿日:2007/11/16(金) 17:45:10 ID:J9VdRFjy

◆2007 11/16 毎日新聞 7面 「プロ野球・巨人を診断する」◆
玉木 正之=スポーツライター <時代錯誤の盟主意識> 2/3

が、時代は変化した。
他球団の優秀な選手を次々と引き抜き、ドラフト制度の欠陥をついて有力新人選手を獲得し、
フリーエージェント(FA)制度を導入し、ドラフト制度を改悪し・・・。
なんとか「常勝巨人」を維持しようとしたが、そのあまりにも恣意的な企みを見透かしたファンは
「NO!」の声をあげた。その頂点が3年前のストライキだった。
そして時代は地域社会の支持を得る球団運営が主流となり、メディアによる「全国制覇」に興じる
ファンは激減した。
にもかかわらず、なおも他球団の有力選手をFAで獲得し、何が何でも勝利を目指すというやり方は、
時代錯誤のあがきでしかない。
時代を担う素晴らしいチームとして巨人を再興させるのは簡単なことである。
フランチャイズを地方へ移し、地域社会との地道な交流を展開すればいい(それは都心では無理だろう)。
が、あくまでも親会社の戦略に従い「東京発の全国制覇」を求めるなら、現在の地滑りを止めるのは
不可能だろう。
7無礼なことを言うな。たかが名無しが:2007/11/16(金) 20:04:18 ID:Ti4mv4Bt
455 名前:無礼なことを言うな。たかが名無しが 投稿日:2007/11/16(金) 17:46:39 ID:J9VdRFjy

◆2007 11/16 毎日新聞 7面 「プロ野球・巨人を診断する」◆
玉木 正之=スポーツライター <時代錯誤の盟主意識> 3/3

ということは、これは巨人やプロ野球に限った問題ではなく、あらゆるマスメディアとスポーツの
関係に及ぶ問題といえる。
亀田問題、高校野球の裏金、大相撲、マラソン、駅伝・・・。
マスメディアがイベントを主催したりチームを所有したり選手を支配することが、はたして真に
健全な日本のスポーツ文化の育成と発展につながるのかどうか。そこが最重要課題のはずだ。
スポーツとはメディアの戦略とは無縁に、多くの人々の支持と支援によって創り出されるべき文化
であり、そのような組織や制度が構築され、豊かな社会が築かれるよう、メディアはジャーナリズム
としての機能を言論で果たすのが本義である。
巨人(スポーツ)はメディアにとって必要な存在かもしれないが、メディアの支配する巨人(スポーツ)は
不要である。
野球ファンは、そういう結論に達した。それが、巨人人気凋落の主因に違いない。

<了>