http://www.sanspo.com/sokuho/1110sokuho081.html 【プロ野球】孫社長、周到な根回し−渡辺氏に後見役頼む
ソフトバンクの孫正義社長はプロ野球球団・福岡ダイエーホークスの買収実現に向け、
球界や球団の地元・福岡の関係者へのあいさつなど、早い段階から
周到に根回ししていた。
人気商売の一方で保守的な体質が色濃く残るプロ野球界だけに、
いつもは強気一辺倒の孫氏も「今回ばかりは気配りの人」(関係者)
を演じたようだ。
孫氏がダイエー球団の買収準備を本格化させるに当たって頼ったの
は前読売巨人軍オーナーの渡辺恒雄氏。渡辺氏はオーナー辞任後もプロ野球界に強い影響力を持つといわれる。
関係者によると、孫氏は10月、都内の料理店で渡辺氏と約4時間
にわたって会談。自らの球団経営にかける思いや独自の経営方針を
説明し、指南を仰いだ。渡辺氏も孫社長の熱意を評価し、助言や球
界への働き掛けなど側面支援を買って出たという。実力者の渡辺氏
の後見役は孫氏の計算通り威力を発揮し、日本プロ野球組織(NP
B)はすでにソフトバンク参入を受け入れる方向で固まりつつある。
一方、福岡対策では10月の球団買収宣言の際、真っ先に同県の
麻生渡知事を訪問してあいさつ。その足で九州・山口経済連合会の
鎌田迪貞会長(九州電力会長)を訪ね、地元経済界の支援を要請し
た。孫氏にとって福岡は小中学校時代を過ごした故郷。「九州男児
」ぶりをアピールし、情報技術(IT)企業のクールなやり手社長
という印象を和らげるのに躍起だった。