球界再編まとめスレ

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152無礼なことを言うな。たかが名無しが
第201回 巨人戦の視聴率が最低だった? だから?

 今年の巨人戦中継の平均視聴率が12・2%と過去最低だったことから、テレビ各局の幹部の中には、来年以降の放送態勢を見直すべきとの意見があるようだ。
ゴールデンタイムにひとケタしか取れないのだから当然かもしれない。だが、ちょっと待った。
 このコラムで触れた通り、今年の開幕前に開かれた日本テレビと巨人戦の中継スポンサーらとの集まりでは、神様(スポンサー)サイドから厳しい注文、意見が次々と出された。
視聴率の右肩下がりに歯止めが掛からないからであり、ゲストに招かれたプロ野球解説者でさえ居たたまれない雰囲気だったという。
局とスポンサー間であるから、料金などの契約面での議論が中心だったろうが、戦いぶりについても神様は言いたい放題だったのではと容易に想像される。
 日本テレビではこの数年、試合内容や記録にそったクイズなどを大展開して視聴者離れをくい止めようと努めてきた。
もっとも、試合そのものが面白くなければ、こうした企画はうるさいだけ。
効果のほどは知らないが、球界再編の流れの中で、1リーグ制や交流試合を支持する声が局内からも聞こえたのは、いよいよ「他力」頼みの現れだった。
 野球熱の高い札幌で今年6月、中日に3戦とも叩きのめされた姿を目の当たりにして、今年の巨人に優勝はないと確信した。
プロ野球評論家が球場外で居場所を失ってからわずか4か月後。ここ札幌ドームで、巨人ファンは怒りの矛先さえ見つけられなかった。
お茶の間にいたファンは、もっとあっさりチャンネルを切り替えていたろう。これでは視聴率が上がるはずがない。
 ただし、このコラムで何度も書いてきたように、視聴率とはいい加減なものだと思っている。
CM料金を定める唯一の基準として、局もスポンサーも頼っているだけの数字だ。
1台のテレビの前に一家が集まり、プロ野球やNHK紅白歌合戦を楽しみ、朝の連続テレビ小説を時計がわりにしていた時代なら40%、50%の視聴率を弾き出せたろう。
いまは一家に2台、3台と増え、番組を見るだけでなく、ビデオにゲームに受像器をそれぞれが勝手に使っている。紅白や巨人戦の数字が右肩下がりになるのも自然の成り行きだ。
時代を如実に反映しているという1点だけで、視聴率は正しいのである。
 そんな数字を金科玉条のように使って巨人人気を測って欲しくない。横浜の試合をTBSは盛り上げようとしたか。
フジは巨人相手以外にヤクルト戦を何試合放送した。テレビ局側から巨人戦を見たとき、プロ野球全体を活性化する努力を怠ったところに来季以降の中継をうんぬんする資格はない。
昨年のプロ野球開幕日、巨人・中日戦(日本テレビ系で中継)にサッカーの日本・ウルグアイ戦を敢えてぶつけたTBSを、決して忘れない。
プロ野球チームを持つ局として、これ以上の愚挙はないからだ。
 巨人戦の中継なら視聴率20%が当たり前という時代ではなくなった。ラグビーの早明戦チケットがどんなに入手困難の時代でも、視聴率はひとケタ台だった。
サッカーのJ1も、宮里藍によって息を吹き返した女子プロゴルフも、ふたケタに届けば御の字だ。
本当に怖い数字は視聴率ではなく、観客動員数であるのは自明のこと。
巨人戦を放棄するテレビ局が現れても構わないが、自局が関わるチームの育成にだけは責任を持って欲しい。

http://www.hochi.co.jp/html/column/geinou/2004/1007.htm