プロ野球のゴタゴタを嘲笑い、その終焉を語るスレ

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63無礼なことを言うな。たかが名無しが
2015年某日。
今日のプロ野球・巨人阪神戦は相模原球場で行われる。
JR横浜線の淵野辺駅南口駅前広場には
オレンジや白地に縦じまのユニフォームや法被を羽織った
プロ野球観戦者と思しき集団がたむろしていた。
それぞれ応援する球団ごとに固まった観戦者たちは
相手球団を罵倒しながら、メガホンを叩きトランペットを鳴らして騒いでいた。
それを奇異の目で遠くから見つめる通行人たち。
やがて、「相模原球場直行無料バス」とLED行き先表示された
オンボロの神奈川中央交通のバスが数台到着すると
観戦者たちは、そのバスに乗り込んで去っていった。

野球場の周辺の住宅街には、「相模原球場プロ野球開催反対!」
「静寂な住環境を返せ!」「球場周辺の治安悪化対策を徹底せよ!」
といった幟や垂れ幕、横断幕がところ狭しに並んでいる。
そんな殺伐とした雰囲気の中を無料バスは相模原球場へ向かう。
やがて、野球場に到着すると観戦者たちは
バスを飛び降り一目散にスタンドへ。
それらに声掛けをする、怪しい男たち。
隠語でやり合っているのか、言葉が理解できないが
どうやら今日の勝敗の賭けをしているようだ。

試合が始まる。目立つ空席。ただ、応援風景は昔と全く変わらないようだ。
メガホンを打ち鳴らし、トランペットが応援歌のメロディを奏でる。7回表にはジェット風船が空を舞う。
(巨人主催ゲームでも、阪神のジェット風船応援が行われるようになって久しい。)
ただその迫力はかつての東京ドームや甲子園と段違いに侘しい。
そして異様に目立つ警察官。何かアクシデントが発生すると
グラウンドに乱入者があとが立たないので警備が強化されているようだ。

やがてゲーム終了。家路を急ぐ観戦者達。
相模大野、淵野辺、橋本、原当麻の各駅へ向かう無料バスに乗り込んで去ってゆく。
一同皆、抜け殻のような表情をしている。
思い通りの展開で進行しなかったからなのだろうか。
彼らの去ったあとの球場には、大量のごみが残されていただけだった。
それを黙々と片付けているのは、さっきプレイしていた選手たち。
どうやら、人件費が相当切り詰められているようだ。

再び淵野辺駅南口。
無料バスから吐き出された観戦者達がトボトボと駅へ向かう。
一方、かなり陽気な一団が北口の居酒屋へ向かって行った。
彼らは、例の賭けに勝った人たちなんだろう。
どうやら明日の朝まで酒盛りするようだ。
そして、それを奇異の目で見る通行人たち。

かつての栄光は地に落ちた。