遺伝子組み換え食品は危険である

このエントリーをはてなブックマークに追加
7524
ですから、A. Pusztai博士がテレビで組み換え操作自体が
問題であると発言したのを聞いたときには驚きましたが、
つまり、形質転換体自体が問題であると言うことになり、
組み換え食品自体が成立しなくなるからです。しかし、
The Lancet, vol. 354, 1353-1354, 1999を読んでよくこの
実験系で組み換え自体が問題であると発言できたなとあきれ
ました。
まず、コントロールが足りない。
1・組織培養が組み換え体の作出に必要であるから、野生型の
ジャガイモも組織培養をしたものである必要がある。(体細胞
変異の問題)
2・マツユキソウのレクチンは多重遺伝子に由来するものである
がジャガイモの形質転換体では単一の遺伝子由来である。ジャガ
イモ等の形質転換体で生産させたレクチンを添加する必要がある。
3・遺伝子導入が問題であるなら、レクチン生産カセットを導入し
ていないベクターだけを導入したコントロールが必要となる。
これらの、コントロールを一切とっていない実験であのような
結果はとてもではないが出せませんよね。The Lancet の少し後の
11月13日号の誌上討論会でこれらのことも含めてたたかれていて
あの論文の評価は、問題外と定まったと思っていましたが、まだ
あの論文を正しいかのように言う方もいらっしゃるようですね。
で、私としては個々の遺伝子組み換え食品が安全かどうかの議論
をすべきで遺伝子組み換え食品だから安全だ、危険だということ
は繰り返しになりますが、ナンセンスだと思います。