霞ヶ浦コイ養殖、5年ぶり再開へ…研究進み自粛要請解除
3月3日2時5分配信 読売新聞
コイヘルペスウイルス(KHV)感染で養殖コイが大量死した茨城県の霞ヶ浦と北浦で4月にも、5年余り
中断していた養殖が再開される見通しとなった。
KHVに強い耐性を持つコイの研究が進んだためで、県は養殖自粛要請を解除する。
県内水面水産試験場は、「昇温処理」と呼ばれる方法に着目。KHVの活動が鈍る32度の水と、活性化
する23度の水に交互に放すと強い抗体を持つというコイの特性を利用し、開発を進めてきた。
さらに、コイ養殖は、餌やフンなどの汚れで霞ヶ浦の水質に影響を与えるとの指摘もあったが、養殖業者
が養殖場の網いけすの数を、感染が起きる前の約4000から半分ほどに減らす計画を県に示し、県も
要請解除を決めた。
霞ヶ浦と北浦は、食用コイ国内出荷量の半分を占めていたが、2003年10月に大量死が発生。県は
業者にすべてのコイの処分を命じ、04年3月には養殖自粛を求め、今も続いている。
養殖業者はナマズなどに切り替えて生き残りを図っているが、業者数は半減している。かすみがうら市
の養殖業男性は「20年も続けていたので、コイ養殖は人生そのもの。再開を待ち望んできたが、
(養殖自粛が)こんなに長くなるとは思わなかった」と話している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090302-00000753-yom-sci