2010年7月10日 朝刊
インターネットの閲覧と電子メールの送受信に特化した小型のノートパソコン「ネットブック」の販売が、米アップルの新型マルチメディア端末「iPad(アイパッド)」の登場に押されて急速に落ち込んでいる。
市場調査会社のBCN(東京)によるとネットブックの六月の販売台数は、iPadを中心としたタブレット型端末を初めて下回った。
機能を絞り込んだネットブックは、五万円を切る低価格が受けて二〇〇八年夏ごろから人気に。〇九年六月にはノートパソコン販売の三台に一台は、ネットブックが占めた。
しかし、需要が一巡したこともあって、その後は一般的なノートパソコンの“巻き返し”を受ける形になった。今年五月下旬にiPadが発売されると、人気の低下傾向に拍車がかかった。
BCNは携帯電話とノートパソコンの中間に位置するタブレット型端末も「ノートパソコン」に分類。販売台数を集計している。
現在、タブレット型端末は数機種しか販売されておらず、販売量の大半はiPadだが、五月のノートパソコンの販売構成比の8・2%を占め、六月は12・8%に上昇。初めてネットブック(11・8%)を上回った。
iPadの人気について、BCNの道越一郎シニアアナリストは「これまでパソコンを使っていなかった人も利用できる情報端末で、利用者のすそ野が爆発的に広がる可能性がある」と解説。
一方、ネットブックに関しては「価格の安いパソコンのニーズは今後もあるが、販売の縮小傾向は続くだろう」と予想している。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2010071002000054.html