Panasonic Let'snote Part78
ギュルッ!! ゴロロロロロッ!!
グギュルルルルルルグルルッ!! ギュルルルルルーーーッ!!
(おトイレ……うんちしたい……でちゃう…………でちゃうっ…………)
思考のすべての部分が便意に飲み込まれていく。
トイレに駆け込んだ時点で限界だった百合の我慢がここまでもったこと自体、奇跡と言っていい。
合宿所から出れば、たとえおもらしをしてもその瞬間を隆に見られずに済む。それだけが百合にとっての救いだった。
だからだろうか……合宿所から出た瞬間、百合の目の前が真っ白になった。
ミュルッ…………。
「あ………………あっ…………!?」
決して大きい音ではなかった。
だが、自分にははっきりとわかる。
おしりに降りかかる圧力が消えたのである。
もちろん、便意が消えたわけではない。
圧力の元凶が外――ブルマの中へとへ吐き出されたからであった……。
(おもらし……しちゃった…………)
隆の言葉に従い、我慢だけに集中してトイレで待っていれば、下着を汚さずに済んだのかもしれない。
だが百合はおもらしの危険を冒し……いや、確実にもらすとわかっていても、隆の元から離れる道を選んだ。
おもらしをすることになっても、好きな人の前で恥ずかしい姿は見せたくない――。
百合の決断は、人間としての尊厳よりも恋する乙女としてのプライドを守ろうとしたがゆえのものだったのかもしれない。
「うく……っ……」
ミチミチミチニュルッ!!
軟便がさらにあふれ出る。もともと直腸内にあった便で、食中りの影響は受けていないはずだが、百合の便は常時水気が多いため、
この軟らかさなのである。この便をあふれさせずに我慢していた彼女の努力も、並大抵のものではなかったことが知れる。
ミチミュルルルムニュルッ!!
「うぁ…………んぅ…………」
指先、ブルマの生地越しに生暖かいやわらかい感触。それはもちろん、ブルマの中に溢れ出した軟便の感触だった。
……それでも、百合は押さえる指を離さない。痙攣する肛門が締め付ける力を失った今、
指先の圧力が消えれば腹圧そのままの勢いで軟便がブルマの中に炸裂するに違いない。
その量たるや百合自身にも想像がつかないほどだ。だから、百合はおもらしした軟便をブルマとおしりの周りに塗りたくる結果になっても、
指先を離すことはできないのだった。
ミチュルルルル!! ブニュルッ!!
「はぁっ…………あぁ………」
(は、早くどこかで…………!!)
ぼやけた視界であたりを見回した百合。
その視界の中に、無機質なコンクリートが目に入った。
合宿所の裏手から出ている側溝。その幅は肩幅ほどで、両足でまたぐにはちょうどいい。
その反対側は塀になっているから、意図して覗き込まれない限り見られることはない。
だが……。
(そ、そんな…………)
思い当たったことに、まだためらいを見せる百合。
しかし、事態は一秒の躊躇をも許さぬほどに切迫していた。今この瞬間もなお、押さえつけた肛門の中から、
新たな軟便がブルマの中へと溢れ出しているのである。
ミュル……グジュゴボッ!!
「ひっ…………!?」
ブルマの中から響いた異音。
一瞬ブルマが広がって、わずかに戻ったのがわかる。
ガスが出た衝撃か、それともショーツをはみ出して、直にブルマの生地に軟便がはみ出したのか……。
とにかく、百合には選択の余地も時間の猶予もなかった。
ムニュルッ!! グチュッ!! ブポッ!!
「ん………………」
朝のさわやかな空気の中に怪音と異臭をまき散らしながら、百合は側溝にたどり着くべく駆けていった。