673 :
名無しさん:
協定を葬り去る最後の釘が原住部族評議会によって打ち込まれることになった。
というのも、
この評議会の集会のリーダーをもって協定を承認するという方法が拒否されたからである。
原住民に「固有の自治権」を認めるものであるという点で、
この協定には、従来のいかなる創案よりも大きな前進が認められる。
それでも、部族リーダー層は、
そのメンバーに反対投票を呼びかけたのである。
その理由は、原住民リーダー層が、先住民の権利という点で、
この協定の実質的内容に異議を唱えたことに求められるべきではなかろう。
彼らが嫌ったのは、その手続であって、この協定のみならず、
彼らの諸権利の範囲を具体化し検討するための諸規定が固定化されることにあった。
こうした歴史的問題を十分な公開の討論に付さないままに個人投票に委ねることは、
同意に至るまで議論をつみ重ねるという先住民の民主主義観とは相容れないものであった。
さらに、先住民の女性たちは、女性の諸権利が、
新しいとり決めにおいて確実に守られることを望んでいた。
ヨーロッパ系の人々が先住民に二者択一の提案を突き付けたのは、
これが最初のことではない。
投票によって協定を破棄するには、原住民だけでは足りなかったにせよ、
彼らが消極的態度をとったことで、
賛成票を投じ得る多くの人々が先住民の要求を支持する立場からはなれてしまったのである。