640 :
のら猫:03/02/22 16:20 ID:???
∧ ∧ そりゃねぇだろー、なぁ しぃ? ∧ ∧
(゚Д゚ ,,) (* ゚∀゚)
( つ旦) 「 あら? アタシも そう思ってたわ。」 ⊂ |)
『 あははは、ギコは本当に良く頑張ったよ。そうクサる事は ないモナ。』
「 ねぇ モナーさん。アタシたち、これからどうやって マサオくん達を応援して行けばいいのかしら?」
『 まずは、お姉さんと逢って よくこれまでの事を説明してあげるモナ。
∧_∧ お姉さんだって、必ず何か心の問題を抱えているハズだよ。
(´∀` .) マサオ君と同じ、お父さん お母さんの下で 大きくなったんだからね。
⊂旦と ) だから、お姉さんと一緒に もう一度よく勉強する方がいい。
(__(__ ̄) 今まで ギコも しぃちゃんも、心理学の本を読んできたんでしょ?』
「 えぇ、そうよ。全部で7冊も 本を買ったのよ。どれも為になったと思うけど…?」
『 じゃあ、もう その本は捨てるモナ。』
ス、ステル?! ∧_∧
∧∧ ∧ ∧ (´∀` .)
(* ゚ o) (; ゚Д゚) (旦と )
/ つ || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|( つ旦) (__(__ ̄)
. 〜(, |\|| VAIO |と___)__)
. 旦 '\,,|==========|
…モナーは こう言った。 “本当に大変なのは、むしろこれからだモナ。”
あの2人が これから知るべき事は、自分たちが どうやって育てられて来たかだと。
そして、これから立ち向かうのは 自分たちの過去と 自分たちの親になるだろうと。
モナーは そう言って、珍しくため息を一つ ついた…。
それから3週間後
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
あれから3回、俺としぃ は、マサオのお姉さんに逢った。2回目にはもう、
お姉さんは マサオを一緒に連れて来て、いつものこの公園で 俺たちに紹介してくれた。
初めて逢った時のマサオは やや血色の悪そうな顔色だったが、
お姉さんが帰って来た事で、幾分かは 精神的にも力付けられたのだろう。
笑顔こそ俺たちに見せなかったが、想像していた程の 対人恐怖は見せなかった。
今日で お姉さんに逢うのは4回、マサオに逢うのも 3回目になる…。
. | |
. オネエサ〜ン |緒 | ̄ ̄ ̄ ̄
ヨゥ、マサオ |煮 |
∧∧ ∧∧ |切 |
(,, ゚Д゚).*゚ー゚/). |公 |
(| つ ノ .|園 |
〜 | | |〜 .| |
∪∪.U U.  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄⌒⌒ ̄⌒
643 :
のら猫:03/02/22 21:10 ID:???
初めは 俺たちも、お姉さんが マサオのヒッキー脱出作戦に加わる事で、
事態は すんなりと好転するような、甘い願望を抱いていた。
お姉さんは、あの手紙の文面からは ちょっと意外な感じがするほど
物静かで、口数も そう多くない人だった。
. 残念ながらというか、当然というか、
〃ノ^ヾ モナーの不吉な予言は 的中する。
((( ))) ノ´−`ル お姉さんの意気込みとは 裏腹に、
(-_-) .(l┴┴lつ . マサオの家庭は、マサオ一人の孤立から、
と ) .) ゚ .゚( 今度は両親 対 子供たち という、
| | | /___| . 深刻な対立へと
(_._)__) し´J 変わってゆく事になるんだ…。
644 :
のら猫:03/02/22 21:13 ID:???
「 …どう? あれから何か進展はあった?」
ううん、何も。焦っちゃいけないと 自分でも言い聞かせてるんだけどね。
何だかこっちに帰って来る時に、意気込み過ぎたのかしら?
父や母に マサオや私たちの気持ちや 苦しさを 分かってもらおうと、
色々と説明するんだけどね、一向に反応なしなのよ。
…ソウナノ
___〃ノ^ヾ ∧ ∧ _
ソ´−`ル (゚ー゚*) . | クルカナ? クルサ、カヨウビ ダモン
――.( つ O) (⊃ O ―┘、 ∧∧
‐――┐ ) )―ヽ ) )――┐ " ((( ( )) (゚Д゚ ,,)
|| (__ノ_ノ `JJ . || (.-_-) と |)
( つと) 〜| |
"~" | | | .:""(ノ`J ::: "~""~"
""" . ::: (_._)__) ""
645 :
のら猫:03/02/22 21:19 ID:???
とにかく、私がマサオや自分の話を始めようとすると、父も母も逃げ腰になって
すぐに話をはぐらかすのよ。何を言っても うんうん、あぁあぁで…。
そのくせ、ちょっとでも昔の事で 責めたりしたら、
今度は必死になって あの時はあぁだったからとか 言い訳ばかり。
結局最後には、私が勝手に 学校を辞めて帰って来た事を 責め始めるのよね。
「 …そう。大変ねぇ。気を落とさないで、少しずつ進もうね。アタシもギコくんも、
ずっと あなた達の味方よ。」
___〃ノ^ヾ ∧ ∧ _ …ありがとう。あなたって友達に逢えて、
ソ´−`ル (゚ー゚*) . | 私 本当に良かったって、神様に感謝してるわ。
――.( つ O) (⊃ O ―┘、 マサオ程ではなくても、私もやっぱり 自分から
‐――┐ ) )―ヽ ) )――┐ 友達を作るのは苦手な方だから。
|| (__ノ_ノ `JJ . ||
「 あなたも、大人しい性格だったものねぇ。」
"~"
646 :
のら猫:03/02/22 21:30 ID:???
えぇ。でも 心理学を勉強するうちに、この内向的な 私の性格さえも、
〃ノ^ヾ もしかしたら 両親の影響かも知れないって、そう思うようになって来たわ。
ノ´−` ル
/`'-'´/) . 世の中には、もちろん本当に “大人しい性格” の人も居るわ。
私も、今までは自分の事 そういう性格に生まれたんだって 思ってた。
でもね、しぃちゃん。本当は違うの。私は自分のどんなものにも 自信が持てないのよ。
容姿にも、才能にも、性格にも、…何もかもに しっかりした自信を持てない人間なのよ。
だから どんな事にも、自分から進んで 何かをやる気が起きないのね。
誰かが自分に 優しい声を掛けてくれるのを待ってるしかない。恋愛だってそう。自分から
誰かの胸に飛び込んで行く勇気が持てないから、ただじっと 王子様を待ってるしかない。
それは 全部、自分に対する自信のなさから起こる事よ。
ただ それが、外から見ている人間には、それが大人しい人間に見えるだけなのよ。
647 :
のら猫:03/02/22 21:36 ID:???
「 …でも、それなら アタシだってそうかも知れない。アタシも自分には自信なんて
∧ ∧ 持てないもの。今はギコくんが そばに居てくれるから、少しはましよ。
(*.゚ 。゚) . でも、それでも ふとした瞬間に、どうしようもないくらい 不安になるわ。
ノ つO 何がどう 不安なのかも分からないのよ。ただ 無性に心細くなってしまうの。」
子供の頃に、親からの愛情を 充分に感じられなかった子供は、
みんな 大なり小なり、そんな不安を抱えるものらしいのよ…。
例えば 両親が共働きとか、生別・死別とかでね、そばに居て欲しいと 〃ノ^ヾ
子供が願う時に 親が居ないって状態が長く続いた子供たちや、 ソ.´−`ル
反対に 両親の干渉過多によって、自分で自分の不安を解決する事を と /`'-'´/)
全部 親が代行してしまったりする時に、その子供は 自分の心を
成長させる機会を 失ってしまうのね…。
648 :
のら猫:03/02/22 21:43 ID:???
私なんかが、その良い例よ。母はとにかく 干渉過多だったわ。マサオとも この間話したんだけれど、
母はいつでも 私たちの監視役だったのよね。何かへまをやると、かならず母は
私たちに 口やかましく説教したわ。とにかく、自分の思うように私たちが動かないと ダメなのよ、あの人。
テストが終わる度に 母は私の答案を見て、ここがダメ、ここもダメって…。マサオが昨日言っていたわ。
母さんは 僕らの欠点を見つけ出して、それを叱り付けるのを生き甲斐にしてるって。
ホント、その通りだと思ったわ。学生の頃の私は、そういう母に反感も抱いたけれど、
といって 特別反抗する事もしなかった。母親っていうのは、どこの家でも そういうもんだって思ってた。
今にして思えば、私なんかより マサオの方が よっぽど正しかったのよ。
まだ子供だから、両親の 何がどう間違っているかは 理解出来ないし 説明も出来ない。
だけど、心では 父さん 母さん、それは違うよって、マサオは それをずっと感じ続けていたんだと思うの。
649 :
のら猫:03/02/22 21:46 ID:???
…マサオはどうも 私だけは まともに成長したって、そう信じ込んでいたようなのね。
この前、マサオの部屋で 初めて私の悩みや苦しみを、あの子に話したのよ。
あの子、私なんかより ずっとショックを受けてた。姉ちゃんも そうだったんだって、
涙ぐんでくれた。姉弟二人して 肩を抱き合って、
頑張ろうね、頑張って生きて行こうねって すすり泣きしたわ。
…でも、その部屋の下でビールを飲んで、自分たちは何も悪くない、間違ってないって、
そう信じて 自分たちの過ちを 認める事さえしない両親が 一緒に住んでいるのよ。
これって、やっぱり異常だと思うわ。
…ホント ソウカモネ
___〃ノ^ヾ ∧ ∧ _
.ソ´−`ル. (*.。 。). | オッ、キタンジャネェカ?
――.( つ O) (⊃ O ―┘、 ∧∧
‐――┐ ) )―ヽ ) )――┐ " ((( ( )) (,, ゚Д゚)
|| (__ノ_ノ `JJ . || (( ( -_) (| つ
( つと) 〜| |
"~" | | | .:""(ノ`J ::: "~""~"
""" . ::: (_._)__) ""
650 :
のら猫:03/02/22 21:49 ID:???
マサオが自殺したい程 苦しんでいた事も、この前マサオが居ない所で話したわ。
そしたら、そんな簡単に人間は死にはしない、だって!
もう 私、頭に来ちゃって。そりゃあ確かにそうよね。死ぬ勇気があれば 何でも出来るって、
よくそんな言葉も耳にするわ。それも きっと真実なんだと思う。
だけどね、しぃちゃん。それほどまでの勇気を出して 自分の子供が死のうと考える原因が何かを、
うちの両親は 考えようともしないのよ。
心理学の本に書いてあったわ。心因性の病で 死を選ぶ人たちが自殺する原因は、
社会不適応な 自分の生きづらさを、その将来を悲観しての事よ。でも原因だけじゃない。
目的だってあるのよ。そういう人たちはね、せめて惨めな死を選ぶ事によって、
自分を苦しめた人間たちへ 復讐したいっていう 目的もあるからだって…。
私だって、あの両親と話していると もう腹が立って 腹が立って、私たち姉弟が
2人して自殺でもしない限り、この人たちは 決して現実を見ようとしないんじゃないかって思うくらいよ。
「 お願い、そんな死ぬなんて 悲しい事言わないで…。」
…ごめんなさい。
大丈夫よ、死んだら あのバカ両親たちの一人勝ちだもん。
マサオの為にも、自分の為にも、死んだりしない。
ほらっ、あぁやって また新しい友達も出来た事だしね…。
___〃ノ^ヾ ∧ ∧ _
ソ ´−ル (iーi.*) . | アァ、ハシルナ! マサオニイチャン、
―― ( つ O) (⊃ O ―┘、 . アッ ∧∧ ギコニイチャン!
‐――┐ ) )―ヽ ) )――┐ " ((( ( )) (; ゚Д゚) ∩_∩
|| (__ノ_ノ `JJ . || ( -_) / つつ (´∀` )
( つ つ 〜 ,,つ ⊂ ∪) ))
"~" | | | .:""" (/ ::: "~""~" し(_)
""" . ::: (_._)__) ""
あの坊や、とっても エキセントリックね。うふふ。
「 う〜ん、たぶん週2回 お昼に あの子のお世話をしてる、
モナーさんの影響だと思うけど…。何か 問題あるのかしら?」
ううん、全然! あっ ほらっ、見ててご覧なさいよ。
シマッタ! ∧ /(ヽ
(.゚д゚ ;) )
. ダイジョブ? スッテン! ( つ. ノ
" ((( ))) . _ __ .〜( _つ
( -_) ∩_(∩ ) ) (/
( つ つ ⊂(´Д`⊂ ノ 彡
"~". ) ) ) .:""" "" " " ::: "~""~"
""" . ::: (_._)_) ""
653 :
のら猫:03/02/23 18:25 ID:???
うぅぅ…、痛い。涙が出て来たから、
泣いていい? ∧∧
. ∩_∩ (゚Д゚ ;)
" ((( ))) . (´д` ;) ⊂ Uヽ
( -_) O つ と −O〜
( つつ (⌒)(⌒)
"~". と_)_) .:""" "" " " ::: "~""~"
"" . ::: ""
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
((( ))) マサオ、いいか? > ∧ ∧
( -_) (゚ー ゚ ,,)
( つ O < うん、いいよ。 O ⊂|
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
よぉ〜し! 泣いていいぞぉ〜っ!!
ウェェ〜ェン ∧∧
. ∩_∩ (ー゚ ,,)
" ((( ))) 。゜(つД` )゚゜。⊂ Uヽ
( ´_) . ヽ 、ヽ, と −O〜
( つつ (⌒)(⌒)"
"~". と_)_) .:""" "" " " ::: "~""~"
654 :
のら猫:03/02/23 18:27 ID:???
___〃ノ^ヾ ∧ ∧ _ 「 …何、あれ?」
ソ´ー`ル (*.゚ o゚) . |
――.( つ O) (⊃ O ―┘、 うふふ、面白いでしょう? ギコさんが命名した、
‐――┐ ) )―ヽ ) )――┐ その名も “モナー式 子育て法” だって。
|| (__ノ_ノ `JJ . || もう 私、あの坊やの話を聞くのが
. 楽しみで 仕方がなくなって来てるのよ。
「 アタシ、てっきり 3人でいつも、サッカーの真似事ばかりしてると 思ってたわ。」
しぃちゃんは この前、ここに来られなかったから、知らないのも無理はないわ。
私たち3人も、この前来た時、初めて あの坊やとじっくりお話したのよ。
「 へぇ〜、そうなのぉ?」
あの坊や、足が片方 不自由なのに、サッカーばかり やりたがるでしょう? 普通なら 足の悪い子は
運動が嫌いになると思う。もし 嫌いにならなかったとしても、たぶん 足を使わない運動を
選ぶと思うのね。…で、私たちも 不思議に思って、あの坊やに それを聞いて見たの。
655 :
のら猫:03/02/23 18:30 ID:???
そしたら あの坊や、すぐにモナーさんの話を始めてね。それが楽しいのよ!
「 確かに あの坊やは、モナーさんが 是非マサオ君に紹介してやってって 言った子供だから…。
そうか、きっとモナーさんにも 何か考えがあったのね。」
モナーさんにも 私、是非逢って見たいわ。…お忙しい方なのかしら? モナーさんって。
「 それがねぇ…。いつもは自分に新しい友達が出来たら、必ず真っ先に
モナーさんにも紹介するギコくんが、今回に限っては 何故か、あなたやマサオくんには
逢わせようとしないのよ。不思議ねぇ。」
…そう。でも、きっと ギコさんやモナーさんにも 事情があるんだわ。それに、今は あの坊やと
お話できるだけで、充分楽しいから。…あっ、ほら見て! 泣き止んだわ。
656 :
のら猫:03/02/23 18:35 ID:???
ヨシヨシ… アリガト ヨシヨシ
((( ))) . ∧∧
. ( ´_) .∩ (( ⊂(ー^ ;) ← 慣れない笑顔で、
" (∪ つ( ´д` ) ヾ .∪ やや引きつっている
) ) ) O 、ヽ, i .〜
(_._)_) (⌒)(⌒)". し`J
"~". .:""" "" " " ::: "~""~"
"" . ::: ""
「 げぇ〜、ギコがあんな顔して ヨシヨシしてるぅ。やろうと思えば あんな顔も出来るのね、あの人。」
それより 見て、ほらっ! マサオが笑ってるでしょう? 今のところ、マサオがあれほど
はっきり笑顔になるのは、あの坊やの前にいる時だけなの。
「 ほんとだ。しかもギコの笑顔より 自然だわ…。( 何か複雑な心境ダワ )」
657 :
のら猫:03/02/23 18:39 ID:???
あぁ それでね、あの坊やの話に戻るんだけど、
まず最初に、どうして足が悪いのにサッカーなの? 誰かに勧められてるの? って聞いたの。
そしたら、好きだから! それだけぇ、って。人間は 好きな事をやっている時が、
一番幸せだからぁって。それって あの坊やの歳からすると、ちょっと大人びた答えだったから、
私 それ誰かが言ったの? って聞いたの。そしたら モナーさんだって。
「 ふ〜ん。」
___〃ノ^ヾ ∧ ∧ _ さっきのあの “泣いていい?” っていうのも、そうなのよ。
ソ´−`ル (゚ー゚*) . | . 涙が自然に出てくる時は、泣いてもいいんだって言うの。
――.( つ O) (⊃ O ―┘、 普通なら “泣くんじゃない!” って、叱られる所なのにね。
‐――┐ ) )―ヽ ) )――┐ 子供は泣かないと強くなれないんだって、あの坊や そう言うの。
|| (__ノ_ノ `JJ . || そうしないと、大人になったら 泣く時に泣けない人間になるって。
「 …う〜ん。正しいような、間違ってるような。」
そんな事は たぶん大きな問題じゃないと思うわ。子供に 自然なあるがままの自分で居させる事、
そして 保護者も、その子供の あるがままを受け入れて行くって事なんだと思うの。
658 :
のら猫:03/02/23 18:44 ID:???
「 そうなのかしら? 何だか 却って甘やかしてしまってる気も するんだけど…?」
うん、でもね。あの坊やは、本当に嬉しそうな顔で 私たちにこう言ったわ。
“モナーはね、絶対に怒っちゃダメとか、泣いちゃダメとか、僕に言わないんだ。だから大好きなんだ!”
何だか、胸にズキンと来たわ。どうしてなのかと 家に帰って考えたら、それが私たちの親には
無いものだったからって分かった。
私たち姉弟には、自分の意志ってものが ほとんど許されてなかったから。怒る事も、泣く事も、
父や母の前では 満足にさせてもらえなかった…。
「 …なるほどねぇ。」 よーし、チビスケも 泣き止んだ事だし、
そろそろ サッカー練習するぞ、ゴルァ!
___〃ノ^ヾ ∧ ∧ _ ハ、ハイ ワーイ ∧∧
ソ´−`ル (゚ー゚*) . | . (((. ))) ∩_∩ (゚Д゚ .∩
――.( つ O) (⊃ O ―┘、 ( -_-) ( ´∀`) . (| ,ノ
‐――┐ ) )―ヽ ) )――┐ ( .つ つ (O つ | |〜
|| (__ノ_ノ `JJ . || . 人 ヽノ (_)_) し`J
. (_.(_)
659 :
のら猫:03/02/23 18:49 ID:???
マサオにとって何より良いのは、あの坊やが “楽しむ” 事を知っているからなのよ。
それにね、長いこと引き篭もっていた上に、運動神経が今ひとつのマサオには、
体が小さくて 足が少し不自由な あの坊やが、運動相手にはちょうどいい。
しかも 相手は自分より年下で 障害を持った子供だから、マサオも 必要以上に
ダメな自分と坊やを比べて ひねくれたり落ち込んだりする事もないしね。
今はね、自閉症の子供に イルカと泳がせて心を開かせる治療だってあるのよ。
モナーさん、イルカが無理だから あの坊やを紹介してくれたのかも…。
「 なるほどねぇ。モナーさんは、そこまで考えてたのかぁ…。」
ウォリャ〜ッ ヒイフウ…
(((. ))) キャハハ
∧∧ (-Д-;) ∩_∩
三 (,, ゚Д゚) . ⊂ ⊂ ) (´∀` ;)
三 / つ ○ 人 Y ⊂ . と ノ ミ
〜 ,ノつ し (___) ∴∴ (__) '(__)
(/
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
尚、後日モナーさん本人に、何故マサオ君に
あの坊やを紹介したのかと確認した所……
 ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(*゚ー゚) | いや、ただ単に モナーは運動が
(| つ | 苦手だったから、サッカーの相手を
. | マサオ君とギコに してもらおうと…。
\_____ _______
∨
ナンダ ナニモ ∧ ∧ . ∧_∧ スマソ…
ガンガエテ (; ゚Д゚) (´∀`*∩
ナカッタノカヨ |つ つ し ,ノ
…だ、そうでした。( チャンチャン )
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
それから さらに2週間後
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
今日 しぃ宛に、お姉さんの手紙が届いた。こっちに帰って来て初めての事だ。
長い長い手紙だった。そこには気丈に振舞いながらも、一家の悩みと苦しみを
一人で抱え込んでいる お姉さんの苦悩の様子が見て取れた。
いくら弟の為とはいえ、学校を辞めて帰って来たお姉さんは、ある一面では
弟想いの この上もなく優しい姉だが、一方 別の面から見れば
20歳を過ぎて中退・無職のパラサイトでもある訳だ。
俺たちに お姉さんという、心強い味方が出来たという その喜びもつかの間、
今度はお姉さんに 精神的なピンチが訪れてしまったようだった。
ドウシヨウ?
∧∧ ∧∧ コリャ、ソウトウ
(* ゚ д) (゚Д゚ ,,) _ マイッテルナ…
/ つ || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| つ//
. 〜(, |\|| VAIO |_(___つ
'\,,|==========|
662 :
のら猫:03/02/24 20:33 ID:???
立場が違えば、同じ1つのものでも 見え方が違う。俺たちやマサオにとっては、
まさに 救いの女神といえるお姉さんも、マサオの母親からすれば
とんだ親不孝者に見えるらしい。
∧∧ ∧∧ 「 考えてみれば 確かにそうよね。
(* ゚ д) (゚Д゚ ,,) . 親としては、今まで一人だった
/ つ || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| つ “穀潰し” が、今度は
. 〜(, |\|| VAIO |_(___つ_ 二人に増えたんだから。」
'\,,|==========| . \\
『 うん。それに、こう言っちゃあ何だが そのうちの一人は、もうずっと前に
半ば諦められていた存在だ。その分 母親としては、せめて姉の方だけは…って
気持ちにも なってたんだろうな。』
「 それが 自分の反対を押し切って行った学校を、いきなり 自分に無断で
辞めてしまって。さらに その上、今度は帰ってくるなり マサオ君の事で
色々と自分たちの事を責めるんだから…お母さんとしても ちょっとね。」
663 :
のら猫:03/02/24 20:39 ID:???
はぁ〜… 『 モナーの予言、またも的中かぁ。
∧∧ ∧∧ 経験者ってのは こういうもんか…。』
(* 。 。) =3 (,, 。 。) =3
/ つ || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| と )〜 「 ん、ほらっ でも、もしそうなら、
. 〜(, |\|| VAIO |_(___つ_ きっとモナーさんの予言通り
'\,,|==========| . \\ 最後には必ず 何とかなるわよ。」
『 …そうだといいんだがなぁ。』
「 まぁ 私たちまでもが 落ち込んでも仕方がないわ。自分たちに出来る事を
精一杯 やっていく他に、人間に出来る事なんてないわよね。」
『 そうだな。この前モナーが 言ってたように、俺たちは やたらとお姉さんを
励ます事を考えるより、お姉さんのガス抜きを してやる方法を考えようか?』
664 :
のら猫:03/02/24 20:49 ID:???
この時期、マサオは家庭の中に お姉さんという庇護者を得た事で、精神的には かなり
安定していた。
『 どうだ、マサオ。最近調子はどうだよ?』
∧∧ ((( )))
(,, ´Д)っ.-_- ) 「 うん。普通。」
|∪ ノ.(つ と )
〜| | ││.│ 『 そうか、普通か。たとえ 今がいい気分でなくても、
し^J (__(___) 普通ってのは 案外素晴らしい事だよなぁ?』
考えてみれば この時のお姉さんは、人生で最も 過酷な状況だったのかも知れない。
それまで 家族の冷たい視線や冷笑を、一身に浴びてきたマサオの代わりに、
今はそれを、お姉さんが 全て一人で引き受けている形なのだから。しかも この時、
お姉さんは 自分のこれからの身の振り方の事でも、母親から 毎日小言を聞かされていた。
母親のイライラをぶつける対象が、マサオからお姉さんに代わっただけ。
結局の所、問題の根本は 未だ何も解決してはいなかった。
665 :
のら猫:03/02/24 20:53 ID:???
モナーは この前、俺の家に来た時、去り際に 俺にこう言って帰って行った。
『 物事は、必ず別の方向からも見ないとダメモナ。 ∧_∧
そうしないと、必ず自分の意見の押し付けになるからね。 ( ´∀`)
これからきっとお姉さんは、両親とぶつかる事になると思う。 ( つ
でも、ケンカするのは、お互いを傷つけ合う為じゃないモナ。
お互いの本音をぶつけあって、それぞれの立場を知るためにするの。』
∧∧ . 「 むぅ…。なぁ、何とかお互いが あまり傷つかないで済むような、
(,, ゚Д゚) 良い方法は ないもんなのかなぁ? マサオの心はもう 傷つきすぎて
⊂ つ ボロボロだし、お姉さんだって そんなに強くは なれないかも知れない。」
『 ギコ、誰だってそう思う。モナーもそう思う。でも、お互いに未熟で 不完全な人間同士が
成長する為には、時には避けて通れない道だってあるモナ。そもそも 楽をしようとか、
手っ取り早く 問題を片付けようとする気持ちから、迷いやイライラが生まれるんだよ。
両親と戦うのは お姉さんとマサオに任せて、ギコたちは 2人のガス抜きをしてやってよ。』
666 :
のら猫:03/02/24 20:57 ID:???
「 …きっとモナーさんが 本を捨てろって言っておきながら、それでも勉強しなさいって
言ったのは、そうやって 痛みを覚えながら “体験” する事で、大切な何かを アタシたちに
学びなさいって 意味なんでしょうね。」
∧∧ ∧∧ …そうなのか? よく分からんが、何せモナーを
(* ゚ д) (゚Д゚ ,,) . 頼ってばかりじゃイカンからな。とにかく
/ つ || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| と )〜 お姉さんの息抜きに、何をしてやれるかを
. 〜(, |\|| VAIO |_(___つ_ 二人で考えようぜ。
'\,,|==========| . \\ 旅行にでも行ければ 最高なんだけどなぁ。
「 もし 本当にお姉さんの息抜きを考えてあげるなら、マサオ君には悪いけど お姉さん一人
の方が良いわよね。きっと マサオ君には、自分がこんなにも苦しんでいるなんて事、
悟らせたくはないと 思うはずだからね…。」
…どうして世の中ってのは こうも、優しい人ばかりが 傷ついたり苦しんだりするんだろうな。
667 :
のら猫:03/02/24 21:00 ID:???
俺たちが無理に お姉さん一人を遠出の旅行に誘っても、お姉さんは きっと謝辞してくるだろう。
しぃは 何とか少しでも お姉さん一人の時間を作れないかと、彼女に電話をして 何気ない
世間話や マサオの話題を話しつつ、それとは悟られないように 気をつけながら様子を探ってみた。
お姉さんは、最近マサオの気持ちも 少し安定して来ているので、バイトを始めるつもりだと話した。
マサオの事も考えて、午後から夕方の時間だけの 本屋のレジのバイトにしようと決めたそうだ。
どこへ行くとも、何をして気晴らしするかも分からないまま、とりあえず俺たちは その2日後の、
お姉さんがバイトの面接に行った日の帰り道で、2人して お姉さんと会う約束を取り付けた。
668 :
のら猫:03/02/24 21:03 ID:???
__ . 『 ごめんなさぁ〜い。面接 予定より立て込んじゃって…。』
〃_@_li
||BUS| やぁ、どうも。すいませんね、お忙しいのに。
ヾ.二.フ
_ || ______ ∧∧ ∧∧ ゲンキダッタ? 〃ノ^ヾ
|| ̄ ̄| ||三三三三三三| (,, .゚Д).* ゚ー/) (ヽノ−`;ル
||≡≡| ||三三三三三三| (| つ ノ ヽlj _ソ jlつ
||__| |\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \ 〜 | | |〜 )-[[二]
|| \| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ∪∪.U U く__i〉
.((二二)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ し'ヽ) ))
2日後、俺たちは思案の末に、お姉さんを ある場所に連れ出す事にした。
旅行は、お姉さんの金銭的都合も考えて 諦めた。でも 近場でゆっくり出来る所なら、
こんな都会でも 電車とバスを1回ずつ乗り継げば 見つけられるんだ。
669 :
のら猫:03/02/24 21:09 ID:???
[|| ___|| [:]| | || || | ||._.||._.|| |||.| ̄|| | |_||. | 軟骨公園行き
|| _|二二|||. .: | | || || | || .|| |||.| || | | | ご乗車の方は
|| (`∀´.|||\. .: | | || || | || .|| |||.| || | | < お急ぎ下さい
|| ⊆⊇⊂|||| \. ; | | || || |__||_____ ||_|||.|_|| | |二二 \_______
|二二:二二二二:二二二ニニ| || ||  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | |  ̄ ̄ ̄ 〃ノ^ヾ. |
| | || || || /⌒. ∧∧ ノルゾ! ∧∧ .ノ´ー` ル |
|―――――――――‐.|― || || || || . (,, ゚Д゚)っ (*.゚ヮ゚) .(lj _ソ jlつ
[|口口 ┌―┐ 口口| [] || || || .||| 0 |っ ノ | | (| つ )-[[二] |〕
|二口二└―┘二二二口二ニ|| ||_||__||| 〜| | |_ | |〜| | く__i〉/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ゝ_ゝノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ゝ_ゝ . し^J ̄ ̄ ̄ U'ヽ) し'ヽ)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
軟骨公園のある街は、俺が今の街に流れてくる前に しばらく住み着いていた所だ。
公園には、俺のとっておきの場所が 2ヶ所ある。
公園でゆっくりする事が、今のお姉さんにとって どれほどの慰めになるかは分からない。
でも、この人の為に とにかく何かしてあげたい。
頑張っている人を つい何処までも応援したくなるのは、俺の性分だから。
670 :
のら猫:03/02/24 21:13 ID:???
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. .:. . .. : . : : :___,,ii i|iiiii=. i 「,ii//ii ;;| |||||.i//iiii;;;;;;;;;;.!i|:::::|:::....:::::...:::::
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||ii==「!!!!!!!!!!!!_ . :: i'Ii ii! |iiiiiii| || |; ii//ii ;;| |||||.|//iiii;;;;;;;;;;;!i|:::::|/ヽ__i-|; ; ;
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||||||||||||||||||||||||| TTT」iiiiiii |iiii|.[[[[[[[[[[[[[[ i;;;;;;;;;;;;;;;;;;| |iiii| |「「| ̄| ii三|.|; ; ;
ii|||||||||||||||||||||||| iiiiiii| iiiiii;;---;|.[[[[[[[[[[[[[[ i;;;;;;;;;;;;;;;;;;|__iiiiii| 「「=i i~i三 ,|; ; ;
iiiii--「ii!!!!!!!!!!____;;;=;; ;;;;;;;;;;;;|.[[[[[[[[[[[[[[ i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|三三三三三三三三
バスは 立ち並ぶビルを走り抜けて、海沿いの小高い丘にある公園を目指した。
走るバスに揺られながら、しぃは 隣に座ったお姉さんの心を労わるように、
彼女がポツリポツリと話す 最近の出来事に いちいち頷いては、“大変ね”
“偉いわね” “気の毒ね” “良かったわね” “きっと大丈夫よ” と答えていた。
ただ相手の話を聞くって事が どういう事を言うのか、少し分かった気がした。
671 :
のら猫:03/02/24 21:18 ID:???
;;:.:. ;;:.:)`).( ;;:. 「 素敵な公園ねぇ。ギコさん、前は こんな街に住んでたのね。」
;;:.:. ';;:.:;:.):. `;;:'.:. ;;:.:. ;;:.';:. ;;:.):. ,,,';;:.;ヽ:. ;;:`.:. ;;:.:.) . . . . .. . .. ... . . . . . . . . . . . . . ;:
':;;`;:;;;:;;:;;)';;:;;;. ;';:.):. 『 この先の階段を登れば、すぐに海が見えるよ。』
:;;;:;;:;`);ヽ';;;: .) '''|| ' ''' ''' , .,.., .,(;:.:. ;;:.';:. ;:)
;;:.:. ;;:.;;;;;;:. )゙,,, ,||. ,,., .,.., .,., .,., , .,.., ., (;:.:. ;;:.';:. ;:).:. ;;:.')
i! ii!! i!i,. ;i;';;. ,,.;||;.;i;';.,,;;`;;;;`;; ___ __ (;:.:. ;;:.'(;:. ;:.:. (;;:.';:;:.';(:. ;:
i!i!i! i!i,.;;.;i;' . :;,||.;;.;,.;;. i;'; ,;;`;;`;; |iiii| |!!!!!!!!|(;:,;:;;;:';;;:;:,;(:;;;:;; ;:;;;:';;;: ;.;;.:;;`;(
i!i!i!|/ ,.;;.;i;;.,; ;;;;||;;;,;;`;,.;;;;;;;i`.;;.;i;';.,,;;. .|!!!!!!!!|.;;.;,.;;.;.;;.;:;;`;,.;;.;.;;.;,.;;.;ii|;.:;;
`i!i!i ,.;;.;i;';. :;;`;||;,.;;.;|i |i;';.,,;;`;;,i;';., 〃ノ^ヾ .;;.;,.;;.;.;:;;`;;.;,i|.;;|ニニニ|i;.;;.;
|!i!i,.,;:;;`;`;;i`,||.,;:;;;|i;`;;|i`,.,;:;;|i`;;; ソ ´ー`ル ∧ ∧ ∧∧ ;||;:::`;.;||i|;,.;;:
|!i!i,.,;:;;`;`;;i`,||.,;:;;`|i;`;;|i`,.,;:;;|i,; とlj _ソ jlつ (゚ー゚*) (ヽД゚ ,,) ;:;;:;`;:;;;:;;:;`;:;;
__,,,,,,,,,,-----;;;;:::::::)''''''''''''''"""""~~ /.)--[[] (| |) ヽ |っ ""'''''''''---
::::::::::::::::::: ,, --''''''" / く__i〉 | |〜 〜| 0 ヽ
_, --'''""~ / U`J . (/`J し´ \
ここは、しぃ と初めてちゃんとしたデートをした場所だ。
この街に居た頃には、何もいい想い出なんて 残ってない程 嫌いな街だったのに。
久しぶりに来た この街、この公園は、何だかとても優しく 俺を迎えてくれていた。
672 :
のら猫:03/02/24 21:25 ID:???
⊂二⊃ ⊂二⊃
⊂二⊃
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: : : : : : : :: : : : : : :: : : : :: : : :: : : : : :: : : : :: : : : . :: .: : :.. :. :.: :. .. . .:. :.: :. .:.: :
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品ロ口//;;;品呂|區旧ロ目;;;;田;;;;;;;/ .............................. ;'''';,,;''''''';;,;''''';;;'''''';,,;'
====././=====.| |=======;;;;;;;;;;;/ .......,,,,,,,........,,,,,,,,,,,,,,,`ii"i;:,;:,;:,,:i;;;;;i;; :;:;;;i;;
∃//日Π 口|. |;;;;;;囗Π 日;;;./ ... , , , , , , , , , , , , , , , ,`,.li,", !!, ,`li,"`l
/ .‐‐───┘└ - / , .,'⌒⌒ヽ, , , , , , __,,,...-‐…・・・
/ __,,,..ソ ル・'''''' "~"''''"~ ∧∧
,,,...-‐…・・・''''"~"::;;, ;; とljノ从从つ ∧∧ . (゚,, ) ::;; ..,::
::; :::;; ..,:: []]-- ( (゚* ,) U |
〈___> . iヽ)(/ | `〜
.::;; ..,:: し'ヽ) . | `〜 U U
し'ヽ)
「 うわぁ〜ぁ! すてきぃ〜っ!!」
お姉さんは 暫く無言のまま、立春を過ぎた 穏やかな日の海を眺めていた。
ようやく口を開いて出た言葉は、マサオにも見せてやりたかった だった。
こんな時でさえ 弟を想うお姉さんの気持ちに、俺たちは ちょっとジーンとした。
それから俺たちは、公園の屋台で 焼きそばを頬張って 平日の静かな公園の
ベンチに座って、今までの事 これからの事、色んな話をした。
結局の所 お姉さんは、いつでもどこでもマサオの事が 頭から離れないようだった。
俺たちとしては、ほんの少しの間でも マサオの事・家庭の事なんかを忘れて、
ゆったりした気持ちになって欲しかったんだけど、それは無理みたいだった。
(、、 )) 「 …それでね、マサオが坊やに ボソッと
\_ヾ _ゞ ) 言ったの。俺は強くないから みんな
ゞ ,(、、ゝll ;l //ノ ノ . から いじめられたんだ、って。」
(、、 ,) ll ノ )).
ゞ ,r |ll lll ,,ノ~ 『 へぇー。マサオもだいぶ あの坊やに
〉 /ヾ l| 慣れて来たと思ったけど、そんな事
|l ゝノ/l | まで話すようになったのかぁ。』
|l ll 〉 |
||l i ∧∧ .〃ノ^ヾ ∧∧
. [: ̄ (*゚ー゚)ソ´ー`ル  ̄ ̄] (Д゚ ,,): ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:]
,_|:|| ̄O ⊂| ( つO)  ̄|:||_ と、Oヽ:|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .|:||_
/,,,,,,,,,,, ( ( ノ (⌒⌒) ,,,,,,,,,,,〈 ( ( ,ノ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,ヽ
 ̄| l| ̄. しし ̄ ノ./ ノ  ̄| l| ̄ し'ヽ)| l|'  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | l| ̄
^~' (/(/ ~^~ ^~ ^~
675 :
のら猫:03/02/25 19:43 ID:???
「 そしたら坊やがね、じゃあマサオ兄ちゃんも 僕と同じだね。僕と一緒に
柔らかくなる練習しようよ、って言ったの。」
『 柔らかくなる練習? もしかして それ、例のモナー式 何とかなのかしら?』
|l ll 〉 | 「 えぇ そうよ。モナーさんはね、坊やに
||l i ∧∧ .〃ノ^ヾ 石ころと 柳か何かの木の枝を見せて、
. [: ̄ (*゚ー゚)ソー` ル  ̄ ̄] . どっちが強いかって事を 坊やに
,_|:|| ̄O ⊂| ( つO)  ̄|:||_ 見せてあげたんだって。」
/,,,,,,,,,,, ( ( ノ (⌒⌒) ,,,,,,,,,,,〈
 ̄| l| ̄. しし ̄ ノ./ ノ  ̄| l| ̄ 『 石と木の枝と…? ねぇ、どうやって
^~' (/(/ ~^~ 坊やに 説明して見せたの?』
676 :
のら猫:03/02/25 19:46 ID:???
「 石と木の枝なら、石の方が硬いっていうのは 子供でも分かる事よね。でも、
モナーさんの言うには 強さには2つの種類があるんだって事ね。
ほら、私たちも 諺で聞いた事があるでしょう? “柳に雪折れなし” ってやつ。
あれを 本当にあの坊やの目の前で 見せてあげたみたいなの。」
『 なるほどねぇ。柔能く剛を制すってのと同じね。子供には そうやって
“体験” を通して教えてあげないと、難しい事は理解しにくいものねぇ。
モナーさんらしい 素敵な教え方ね。』
( …俺は子供並みだと あいつは思ってたのかな? ちょっとショックだぞ、ゴルァ。)
「 それをマサオに説明する時の 坊やの目が、もう キラキラと輝いてるのよ。
自分が知った素敵な事 楽しい事 不思議な事を、誰かに教えたくて、
聞いて欲しくて 仕方がないのね。」
|l ll 〉 | 「 見ていて 純粋に羨ましかったわ。
||l i ∧∧ .〃ノ^ヾ 家に帰ってから、マサオと話したの。
. [: ̄ (゚ー゚*)ソ´−`ル  ̄ ̄] . 私たちにも あんなキラキラした頃が
,_|:|| ̄O ⊂| ( つO)  ̄|:||_ あったのかしらって。
/,,,,,,,,,,, ( ( ノ (⌒⌒) ,,,,,,,,,,,〈 …あったのかも知れない。いえ、
 ̄| l| ̄. しし ̄ ノ./ ノ  ̄| l| ̄ たぶんあったのだと思うけど、
^~' (/(/ ~^~ 私たち2人共、思い出せなかった。
何をやっていても、“だから、お前はダメなんだ” とか、私が何かをやりたいって
言っても、“どうせ、続かないに決まってる” とか…。嬉しい事、楽しい事を
学校から持ち帰って、一生懸命 父や母に話しても、父は小さい頃はマサオばかり
世話を焼きたがって居たわ。マサオが小児喘息に罹った時は、私 子供心に
本当に寂しくて、マサオの事 恨んだりもした。
あんたのせいで、私が愛してもらえないんだって。」
678 :
のら猫:03/02/25 20:49 ID:???
「 父には 自分が見て見ぬ振りされているように、小さい頃の私は感じていたわ。
といって 母はというと、とにかく 何か私が言う度に、“いや、それは こうこう…” とか、
“そんなはずはないわ。あなたが間違ってるんじゃないの?” とか、何を言っても
批判的で 否定的な内容の返事をされてた、そんな思い出ばかり残ってる…。」
『 気の毒ねぇ。良い事した時は、誉めてもらいたかったわよね。嬉しい事があった時は
一緒に喜んで欲しかったわよね。辛い事があった時は、ヨシヨシして欲しかったわよね。
それが子供の ホントの素直な気持ちなのにね…。』
「 ありがとう、しぃちゃん。…でもね、こっちに帰って来てから すごく分かった事があるの。
私、母とそっくりな性格なのよ。私は母のように、思った事を 何でも構わず口にするのは
出来ないけれど、頭の中の思考パターンが、母とそっくりなのよねぇ。
気が付けば、いつも誰かを 何かを批判しているの。顔では笑いながら、頭の中では
自分の気にくわない物や人を、馬鹿にしたり 鬱陶しい奴だって 思ったりしてるの。」
679 :
のら猫:03/02/25 20:56 ID:???
|l ll 〉 |
||l i ∧∧ .〃ノ^ヾ ∧∧
. [: ̄ (*.゚ -゚).ソ ー`ル  ̄ ̄] . ( ・д・,,): ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:]
,_|:|| ̄O ⊂| ( つO)  ̄|:||_ (つとヽ:|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .|:||_
/,,,,,,,,,,, ( ( ノ (⌒⌒) ,,,,,,,,,,,〈 ( ( ,ノ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,ヽ
 ̄| l| ̄. しし ̄ ノ./ ノ  ̄| l| ̄ し'ヽ)| l|'  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | l| ̄
^~' (/(/ ~^~ ^~ ^~
「 私も マサオも、自分が大嫌い。自尊心や自信とは無縁の自分たち。心の底から誰かを
信じたり、好きになったり出来ない、自分たちが大嫌い。無気力で 何かをやりたいって
気持ちを持てない。いつもビクビクしてて、他人の目ばかりが気になって、言いたい事も
満足に口に出来ない自分が、大嫌い……。ごめんなさい、また愚痴っちゃった。」
『 いいのよ。その為に私たちが居るって、そう思ってね。…そして信じて。決して私たち
あなたを笑ったりしない。煙たがったりしないからね。』
「 ……どうする しぃ、そろそろ あそこへ行こうか?」
680 :
のら猫:03/02/25 21:05 ID:???
あそこっていうのは、俺が一人ぼっちで まだこの街に居た時に見つけた 秘密の場所だ。
この街に居る時、俺には しぃもモナーも…いや、一人の友達も居なかった。
馴れ合いだけの仲間。週末に、ただ 一時の楽しみを追い掛け回すだけの、
そんな 上っ面の付き合いの仲間しか居なかった。
誰にも言えない事を、誰も聞いてくれないような話を ただ黙って聞いてくれるのが
本当の友達だって分かったのは、今の街に住んで モナーに出逢ってからだったんだ…。
だから その頃の俺は、そんな気持ちを 全部一人でこっそりと抱えて、時々その場所に
一人で捨てに来ていたんだ。
681 :
のら猫:03/02/25 21:08 ID:???
;;。"'`; ;,.,| .------- | |l |゚ ゚̄l.,,_i.,,,___,| ̄ ̄ ̄|i.,,,___,_i.,,,___,_i.,,,___,_i.,,,___,_i.,__
"'`,,;';;:..|l |゚ ゚̄i ; | |l i . |___,.,.,.,_,,|| |.__i.,,,___,_i.,,,___,_i.,,,___,_i.,,,___,_i_
'`;;';;,.、`)";|i |。__。l ; | |l |。__。|,,__i.,,,__,,||o |i.,,,___,_i.,,,___,_i.,,,___,_i.,,,___,_i.__,
゛"`(,,'" |l ; ; | |l.,.,.,__.,,i,___,.,.i.,_.:|L____._|,__i.,,,___,_i.,,,___,_i.,,,___,_i.,,,___,_i_
`);;,,__,,,,| |l ニニニ. | |l_;;;_,i.,,,___,_i.,,,___,_i.,,,___,_i.,,,___,_i.,,,___,_i.,,,___,_i.,,,___,_i.,,,__;;
;、'"__.,.::| |l ; ; .○.| |l.,.,.,_∧∧ . ,,.,_;;| ̄ ̄ ̄|__,i.,,,___,_i.,,,_. 〃ノ^ヾ .,,,___,_i.
'";、__i,.::| |l ; ; | |l.,,,_(゚Д゚ ,,) . :___,|L_____,|,___,_i.∧∧ ノ´。`ii.ル i.,,,___,
;、'"_____| |l ; ; | |l__i.と つ .,.,.i.,_.;::__,i.,,,___,_. (*.゚ヮ゚)⊂lj_ソ ilヽ ,,__,.,_i;
;:; ;;:;:;:; ;|_;;|`ー──ー |_,;|L_.,.⊂_)〜 ___,_i.,,,___,_i.,,,.., (| つ . )-.[[∪] i.,,,___
ヽ) 〜| | く__i〉
;:;: ,.,. . ,.,. .,. ; 。 U'ヽ) し'ヽ) ,. ; 。
「 ちょ、ちょ、ちょっと…どこへ行くのかしら? 私、暗い所とかダメなんだけど。」
『 大丈夫よ、中には電気も通ってるから。ここは この公園の噴水や何かの
管理施設でね、地下には 貯水タンクがあるのよ。もちろん 普段は鍵が掛かってる
んだけど、ある日 ギコが偶然 その鍵の隠し場所を発見したの。』
\________/..; . 『 この階段を降りた所に、もう1つドアが
. |. ..┌- ... _ .|...::;; あってね。そこまで行くと、もうどんなに
. |. 「 |:〃ノ^ヾ :|.:::;;; 大きな声を出して叫んでも、外には
. |. | .|::ソii´_`ル ∧∧::::;; ほとんど何も聞えないのよ。』
. ∧∧.|:( つO) (ー゚ *):::;;
. (゚Д゚ ,,)|::.)--.[[].⊂| U.:::;; . 「 さっきみたいな 見晴らしの良い場所も
⊂ U|:く__i〉 | |〜; 素敵だけどな。人間には そういう美しい
. | |〜(/~U し'ヽ)::;;; 場所ばかりあれば いいって訳じゃない。
/.=U~U======:::::::::::::::::;;;;;;;;; 時には 誰にも言えない呟きや叫びを
. /f─────‐::::::::::::::::::::::;;;;;; こっそりと 捨てる場所だって必要さ。」
. /ト──────‐:::::::::::::::::::::;;;
/. | : : : : :.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::;;;;;;; . 『 お姉さんも 勇気を出してやってみれば、
. /[ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:::::::::::;;;;;;;;;;; ここが なかなかどうして素敵な場所だって
. / | . . : : : : : :.:.:.:.:.:::::::::::::::;;;;;;;; きっと分かるはずよ、うふふ。』
/| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:::::::::::;;;;;;;;;;; .
./ . . ... ..:: ::: ::: ::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;; 「 俺も今日は、久しぶりにやってみるかな。」
☆ のら猫からの お願い ☆
はろタソ、昨日はご親切にも お声を掛けて頂いてありがとうございます。
この先どうしようかと考えましたが、やはり 描くのを途中で放り出す訳にも
行きませんし、といって自分で これからHPを立ち上げる事も出来ず、
はろタソのご厚意に甘えさせて頂こうかと思いますた。
当方、その辺の知識に関しては 全くの初心者ですが、どこかに このスレの
ログを置いて頂けるという風に解釈させてもらって 良いのでしょうか?
685 :
のら猫:03/02/27 11:56 ID:???
∧_∧ わーい、はろタソ まりがd!
((∀`*/゙)
ヽ 〈 最近は 他の方の書きコもないので、
| i) 感想用に残しても仕方ないと思います。
. し'"ヽ,_,) ログも置いて頂いたので、次スレ立てて
. このスレは 続きをうpして埋め立てます。
686 :
のら猫:03/02/27 12:17 ID:???
☆ のら猫から 静かに見守って下さった方々へ ☆
いつ規定上限になるか分からないので、先に書いておこうと思います。
この板に張り付くキッカケとなったのは、前にも書いた通り 会社を辞めて
その上に 軽い人間不信と対人恐怖から、半ヒキになってしまったのが
原因でした。子供の頃から 一人で何かお話を考えたり 書いたりするのが
好きで、誰に見せるでもなく書き溜めた 1冊のノートから このスレが
始まりました。
687 :
のら猫:03/02/27 12:24 ID:???
この板で、自分と似たように 自己不信や社会不適応に悩んだり 苦しんだり
している人を見て、安心もして また励まされもしました。
自分の日々を正直に告白してゆく事は、意味のある事だと知りました。
たとえそれが、愚痴や泣き言であってもです。書く事、そしてそれを
自分自身が読み返す事で、人間はいくらかは 自分を客観視出来るからです。
スレを立てた一番の目的は、そうやって書く事で自分の頭を整理する事と、
自分と似たような人に読んでもらう事で、ほんの少しでも “あぁ、辛いのは
自分一人だけじゃないんだなぁ”と、思って欲しかったからです。
688 :
のら猫:03/02/27 12:31 ID:???
自分がここを読んでいて、励まされたようにです。
いつの間にか、最初の目的は自分の話をうpするだけのスレに変わってしまい、
それを 心苦しく思う気持ちは ずっと持ち続けてきました。
それでも、優しい言葉で応援して下さる方が居て、その嬉しさで 元々三日坊主
の自分が、こんなにも長く何かを続ける事が出来ました。
改めて、読んで下さった皆さん 書きコして下さった皆さんに、
篤く御礼申し上げます。何処まで続けられるかは分かりませんが、
“のほほんとがんがる”精神を忘れずに、Part2へと進みたいと思います。
l, ‐ ' l ` 、l / ..:::::::::::: 「 うわぁぁ〜っ、すごいわねぇ!」
. l l. l / ..::::::::::::::
ヽ. l. l l. / .::::::::::::::: . 『 ここは本当は 俺としぃだけの
ヽ l. ._i_ .l ./ .:::::;__;;. /. 秘密の場所だったけどね。
| 、 l_ ‐ l ‐ _l ./ ..::::::;;.|::::::L/ . お姉さんは 特別に招待しました。』
| 、 . l. ! ./ / ..::::::/ .|::::::|
|. 、 /. / / /_.::::/ . _」|::::::| 「 お姉さん? ここで何をするかを、
| |:::|⌒○ / _...○⌒|::_「 .|::::::| 今から アタシとギコが実演するわ。」
| |:::| ,.=_, '┌ . ~ | |. -‐'|::|_, -‐ '" !::::::!
| |:::| .:ll || | ! | | |:::|: ‖ ::|::::::| 『 OK! じゃ どっちから行こうか?』
| |:::| .:ll || | ! | | .「|:::|: ‖ ::|::::::|
| |:::| ,;ll ..|| | !,. | | !.! :|: ‖ ::|::::::| 「 そうね、じゃあまず アタシから
| |;;」 ∧∧ . `└' -.L.l、. ‖ ::|::::::| スッキリさせてもらう事にしようかしら。」
|/ ‐ (,, ゚Д゚) , ` 、」::::::|
┘ | つつ ,'⌒⌒ヽ . └‐- ── ここは 誰にも気兼ねせず 心の中を
〜 | ソ .ル ∧∧ ぶちまけて、普段の鬱憤を晴らすには
し`J (li从从i) (゚* ) 最高の場所だった。
[]]-- ( と | . お姉さんが 恥じらいを捨てて
<___〉 | `〜 勇気を出せるように、俺たちがまず
(/~U . U U . それぞれに 力一杯 絶叫したんだ。