1 :
のほほん名無しさん:
その日男は自分の置かれた状況を把握せずにはいられない事に遭遇した。
足りないのだ。ただ、足りないのだ。それは、
4 :
2ダ:02/10/07 04:43 ID:???
36年間の童貞生活に遂に終止符を打つ時が来たのだった。
男は立ち上がり、拳を固めてこう呟いた。
6 :
なー:02/10/07 06:44 ID:???
「ナイジェル・マンセル」
「多分重複?」
すると足に鋭い痛みが走った。
見ると機嫌悪そうな黒猫が男の足に噛み付いていた。
なんと黒猫はしゃべった!
「やっぱ重複?」
「あたしの朝ご飯まだ〜?」
12 :
なー:02/10/07 07:04 ID:???
男は「待ってな」と呟きながら寝床から
起き上がり台所へ向かった。
そしたら血反吐はいて逝った -完-
彼は天国へ向かう階段を上っていた。
すべって転んで地獄へ一直線! -了-
私とじごくへ落ちてみる?
ヤです。
おばはんとはいや
ミセス黒猫は「オバハンってイウナゴルァ!!!」と怒って男をガシガシ噛みました。
もはやただの雑談スレ
ああん、ふともも噛まないで。。。
いやん
足りなかったのは、朝の話し相手かよ。
なるほど
ちあぱぢたつきょばぶごぉろわみごまぜぶびうょえがゅ。
ひでわぁば!
28 :
リセット:02/11/02 10:57 ID:???
それは、いつもと何ら変わらぬ朝のことだった。
認めん
ヽ(`Д´)ノ ウワアアアアン
けちけちするなよー
dat落ちするまでだからさー
「朝と言う字は、月が太陽を串刺しにしているね」
月は太陽があるから見えるのさ
じゃ認める。
あちがと
まちがえた、
「ありがと」だ。
(´・ω・`)
36 :
浮上記念:02/11/09 18:41 ID:???
街角でお礼を言われたあっしは、なんといってよいか分からなかった。
しかし、その時・・・
20年間失踪していた兄貴が、角のタバコ屋でおばちゃんにいちゃもんをつけているのを
見つけた!
「あ、あにきーーーーーー!!!」
あにき:「さぶーーーーーーーーーーーーっ!」
さぶ:「あにき・・・わし探したんじゃぞーーー!」
兄貴に走り寄り抱きつこうとしたさぶの前に、一人のいかつい男が立ちふさがった!
男の額には大きな文字で「肉」と書かれていた。
「に、肉・・・」
急に立ちふさがった男にキスしそうな勢いで、さぶは額の文字を食い入る
ようににらみつけながら立ち止まった。
その間わずか3センチ・・・
3cm
/ 肉\⇔
|゜ ゜| (`―´)
\ 3 /
熱い吐息がさぶの耳元にかかった
「ぷは〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「うっ・・・(´д`;)ハアハア」
(このにんにく臭い息は、あの日のあにきと同じ・・・
い、いかん!わしはあの日からあにき一本なんじゃ〜)
さぶは無意識のうちに震えるひざを精一杯押さえながら、肉男をにらめつけ、
こんなことを考えていた・・・
(ああ、あいつの瞳に、わしがうつっとる・・・)
一瞬の静寂の後、肉男が妙に甲高い声でさぶの耳元でささやいた・・・
「うちの兄貴に何するつもりなの?
兄貴は私にめろめろなのよ・・・」
さぶは呟いた…
「あたいだって…」
さぶの頬を一筋の涙が流れて落ちた
その涙は、この世で最も美しい涙の一つであったに違いない・・・
涙で霞んださぶの目には、もう世界が滲んでしか見えなかった。
だが、その一瞬の内に、兄貴の姿はなくなっていた・・・
寒風吹き荒ぶ中、商店街には能天気なジングルベルが流れていた。
しかし、兄貴がいなくなる前に言った「今日の5時に駅に来い」という言葉が
さぶの頭の中にこだましていた・・・
兄貴のこころがわからない…
さぶはただ、風に吹かれて
夜明けを待つのだった…
夜明けにはまだ間があった。
なぜなら、街灯に取りつけられた古ぼけた時計は、午後6時27分を指し示していたからだ。
「兄貴相変わらずだな・・・」
これから毎日5時に駅までいかなくっちゃ♥と思いつつ、豆腐を買って家路を急ぐさぶであった。
家に帰れば腹を減らした
可愛い子供たちが待っている…
子供といっても、ジャンガリアン・ハムスターだが。
名前はそれぞれ「ジャン」、「ガリ」、「アン」だ。
さぶは子供たちのことを思って家路を急ぐのだった…。
「ベイビー達、まっててね♪」
「あっ、そうだ!ベイビー達にも、何かおいしいものをご馳走しましょ!」
さぶは今日と言う特別な日を、ベイビー達と祝う気になった。
いつもは粗末なペットフードとひまわりの種しか食べさせていないさぶだったが、
奮発して、くるみか新鮮な野菜でも食べさせようと、帰り道にある八百屋に寄った・・・
「へラッシャーイ!!」
八百屋は相変わらず威勢がいい。
「菜っ葉とクルミをちょうだいな♪」
さぶはなぜだか弾む心を抑えきれなかった。
八百屋はそれを察してか、
「あいよ!菜っ葉とクルミね!とれとれだよ!」
笑顔で品物を渡そうとしたが、一瞬考えたような顔をして一言言った。
「…奥さん綺麗だからオマケだよ!」
と更にみかんを3個袋に入れたのだった。
さぶは一瞬の内に、耳まで真っ赤になりうつむいてしまった。
指は、白いフリルのついたかっぽう着のはじをもてあそんでいる。
「え、そ、そんなことないですぅ」
消え入りそうな声だった。もじもじしている姿は、新婚の若奥さんと言ったところだろうか・・・
「でもね、奥さん・・・」
八百屋の主人、源太郎はニヤリと笑って続けた。
「俺の気持ちはもうわかってくれているんだろう?」
源太郎はさぶの耳元で囁く。
さぶは恥じらいに俯きながらも支払いを済ませた。
思い掛けない源太郎の言葉に困惑するさぶ。
その時、脳裏にカワイイ子供たちの姿が浮かんだ。
「きゅーきゅーきゅきゅ〜」
(訳:ママ〜!早く帰ってきて〜)
ああ!私の子供たち!!
身を翻してさぶはわが家へと駆け出した。
遠くから源太郎の声を聞きながら…。
「奥さーん!まいどあり〜!!」
さぶが家に着く頃には、辺りはもうすっかり暗くなっていた・・・
この辺りは暗くなると街灯もちらほらとしかなく、本当に真っ暗になる。
しかし人家がないというわけではなく、情緒のある板塀に挟まれた道を、さぶは
愛するわが子の待つ、アパートへと急ぐのだった・・・
「ああ、今日は遅くなっちゃったわ。」
などと独り言を言いつつ、最後の曲がり角を曲がると、目の前から白いダッフルコート
を着た、一人の初老の男が向こうの方から歩いてきた。
さぶは少し無気味に思いながら、軽く会釈をしながらすれ違おうとした・・・
男はすれ違いざまにいきなりダッフルコートを脱ぎ捨てた。
そして高笑いを残しながら物凄いスピードで歩いていった…。
「あら、また近所の松下さん(仮名)たら競歩の練習ね。」
松下さん(仮名)は素早くお尻を振りつつ歩いていくのだった。
しゅた!しゅた!しゅた!…。
しゅた!しゅた!しゅた!
松下さん(仮名)のフリフリ揺れるお尻をなんとなく見ていたさぶは、次の瞬間言葉を飲んだ。
横から飛び出してきた軽自動車に松下さん(仮名)がはねられてしまったのだ!
一度向かいの壁に激突する松下さん(仮名)・・・
バウンドして、もう一回軽自動車には寝られる松下さん(仮名)・・・
倒れても、歩くように足を止めない松下さん(仮名)・・・
初めて人が車にはねられる姿を、目撃してしまったさぶは気が動転していた・・・
はっと我を取り戻したさぶは
あわてて松下さん(仮名)に駆け寄った。
「松下さん(仮名)!大丈夫ですか?!」
松下さん(仮名)は苦しげに呻いている…。
「ううう、大晦日だよ、今夜辺り100オパーイ!」
さぶはあわてて携帯電話で救急車を呼ぶのであった。
だが、さぶが取り出した"それ"は携帯電話ではなかった。
徐にズボンのチャックを開けるさぶ。
出てきたのは人肌に温められたオパーイプリン(100個)であった。
無論、スプーンもつけてある。
さぶ「開けまして、おめでとう…」
苦しげにうめく松下さんであったが、オパーイプリンを見た瞬間目の色が変わった!
そう!獲物を狙う虎の目だ!
一瞬の内に数メートルをほふく前進で移動した松浦さん(仮名)は、もはや車にひかれた事も忘れ
オパーイプリンをがっついている・・・
雪のように白く、蜜のように甘いオパーイプリン100個を、5分ほどで完食した松浦さん(仮名)は一言
「我がオパーイ人生に悔い無し!」
と叫んで、気絶した。
松浦さん(仮名)をひいた軽自動車は、もはや姿形も無かった。
暗闇の中、一人取り残されたさぶは、急に怖くなり家へと走った・・・
松浦さん(仮名)ではなく松下さん(仮名)だった。
「そこんとこヨロシク」
と、さぶは一人呟いた。
「ううぅ、松下さん(仮名)ごめん・・・・
ほんとに間違えてごめん・・・」
さぶはむせび泣いた。
今までに無いほど、泣きに泣きながらさぶは走った・・・
いつのまにか自分の部屋の前についていた。
ドアに寄りかかり、さぶはまだ泣いていた・・・
嗚咽を通り越して、号泣していた。
その時、さぶの声を聞きつけたのか、可愛い子供たちが、「きゅーきゅっきゅー」と鳴き出した。
さぶ「やばい!奴ら、飯時で気が立ってる!!」
子供たちの前では、ジェラルミン製のドアもその役目を果たさない。
一撃、二撃。変形して行くドアは、泥粘土のようだ。
瞬く間に、さぶと子供たちを隔てるものは消え失せた。
欲情した子供たちの吐息だろうか、生暖かい風がさぶの鼻先をかすめる。
その瞬間、さぶの四肢は、子供達の糧となった。
3日後、病院のベットでさぶは目を覚ました。
体に違和感を感じる。少し動くだけで体中に痛みが走る。
「子供って結構怖いなぁ…。でも、生きてるって最高!死んではいないもんねっ!」
さぶは心の中で強がっていた。
おもむろにドアが開き、看護婦が入ってきた。
「お体痛みませんか?」
手には尿瓶が握られている。
「じゃあオシッコしましょうね」
看護婦はさぶのズボンに手を掛けた。
…ふと目が覚めた…。
「ああ、夢だったのね…」
枕元には愛しい子供たちのケージがあった。
さぶは、ふかく息を吐いてから、額の汗を拭った。
「ああ、今年こそ言い年でありますように。」
さぶは手元にあったリモコンで何気なくテレビのスイッチをつけた。
すると、深夜の通販番組が驚くべき商品を販売していた。
67 :
山崎渉:03/01/08 06:02 ID:???
(^^)
なんとそれは「スマイル」であった。
驚いたさぶは食い入るように通販番組に見入った。。。
「なに見てるの!」
悲壮な声の主は、買い物から帰ってきたばかりのさぶの母親、さぶ子である。
さぶ子は靴も脱がずにリビングに駆け上がると、
後ろから抱きつくようにして、さぶの視界を塞いだ。
さぶ子は知っていた。ブラウン管に映し出されたこの映像が、
見た者に何をもたらすかを。
呪いの通販番組。見た者は1週間後、死ぬ。
そしてさぶは残された一週間を松下さん(仮名)の看病で過ごそうと決意するのであった。
…君は生き残ることができるか?!
一夜あけ、さぶは近くの外科に藪医院に入院していた松下さん(仮名)の病室にお見舞いに来て
いた。
「いやー、さぶちゃんが来てくれるなんて、おっちゃん嬉しくて今すぐに競歩したくなっちゃうなー。」
などと、町内一と評判の高いさぶの突然のお見舞いに浮かれて馬鹿話に花が咲く、松下さん(仮
名)だったが、林檎をむき続けるさぶの憂いに満ちた、可憐な表情に気がついた。
松下さん(仮名)はさぶにやさしく語りかけた。
「さぶちゃん、一体どうしたんだ、いつもの笑顔はどこへいっちまったんだい?」
さぶはその大きな瞳から大粒の涙があふれるのを止めることができなかった。
「松下さん(仮名)、あたし、あたし…」
73 :
山崎渉:03/01/21 09:26 ID:???
(^^)
「ど、どうしたんだい?」
突然泣き出したさぶに、おろおろとする松下さん(仮名)は何をとち狂ったのか、突然
寝たまま競歩を始めた。
思ってもいない突然の出来事に、びっくりして泣き止むさぶ・・・
「ほら、さぶちゃん笑ってごらん。そして、もしおっちゃんに話して少しでも気が晴れる
なら、いくらでも聞いて上げるよ。」
松下さん(仮名)の暖かい申し出に、またぽろぽろと涙を流すさぶであったが、ポツリ
ポツリと、今まであった呪いの通販番組のことを語り出した・・・
しばらく思い沈黙が流れた後、松下さん(仮名)は思いきったように話し出した。
「さぶちゃん・・・実はおっちゃんがあの番組を始めに作ったんだ・・・」
75 :
山崎渉:03/01/24 19:43 ID:???
(^^;
ホッシュ
さぶは困惑を隠せなかった。
松下さん(仮名)は今までには決して誰にも見せなかったであろう憂いを含んだ表情を見せた。
「おっちゃんはな、昔はTVディレクターなんて仕事をしていたんだよ。」
窓の外、夕日を睨むように見据えながら、松下さん(仮名)が自分の過去を語り始めた。
∧ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(,,゚Д゚) < ほっしゅほっしゅ!
/ | \_________
(___ノ
ι
∧ ∧
(゚Д゚,,) ン?
/ |
(___ノ
ι
。・^ )〜 ≡≡
 ̄
松下さん(仮名)は夕日を見つめながらポツリポツリと語り出した。
「昔まだ駆け出しのディレクターだったおっちゃんは、とにかく視聴率の取れる番組を作りたかったんだ。
その頃は、視聴率さえ取れれば何をやっても許される、そのせいで人が死んだってかまわないって思っ
てたんだ。
それに、視聴者だって日常で体験できないような刺激を求めてるって思ってたんだ。
でも、そんな簡単に面白い番組が作れるわけじゃない。
おっちゃん考えすぎて病気になりかかって、そんな時にある占い師の噂を聞いたんだ。
もちろん藁にもすがる気持ちで、その占い師の所に行ったんだよ。
これが、間違いの始まりだったんだ。」
さぶは、身じろぎもせずに目を見開いて松下さん(仮名)の話しに聞き入っていた。
「その占い師はおっちゃんしか知らないおっちゃんの事を顔を見ただけでスラスラ言い当てたんだ。」
そして、松下さん(仮名)はさぶの方を見つめてこう言った。
「これはいけると思ったよ。やっとオレにもチャンスが巡ってきたんだと確信した…。自分の病気なんて忘れちまいそうだったよ。これから作るであろう人気番組の企画で頭はいっぱいだった…。」
「それからは、いろいろ相談に乗ってもらって、作る番組全部が全て当ったんだ。
あぁ、一つだけダメだったのがあるな・・・
”男だらけの水泳大会”だったな・・・お約束のポロリシーンも入れたけど、これは受けなかった。
まぁ、そんなことはどうでもいいけど、おっちゃん有頂天になってる時に、空前のオカルトブームが
来たんだ。
どの局でもオカルト物をやってた。そんな中で、他とは違うことをやりたかったんだ。
そして、占い師から悪魔のような提案を受けた・・・」
さぶは一瞬びくっとしたが、松下さん(仮名)の話しを聞きつづけた。
ほしゅ飛馬
松下さん(仮名)は窓の外に視線を移し、語り続けた。
「インターネットのオークションって知ってるかい?
あれが流行り始めてきたころでね。
面白いものがたくさん出品されているんだよ…。
中には呪われたものもあるとかなんとかで、そいつを題材に一本番組を作ろうって提案を受けたんだよ。
占い師は実際に呪われている品物を探すから、そいつを競り落として呪いの効果を確かめてやろうってことになったんだ。
それから何日もインターネット三昧さ。
2ちゃんねるとかいう怪しい掲示板でも情報を募集したが「帰れ!厨房!ゴルァ!」なんて書かれたりしておっちゃん「(´・ω・`) 」だったなあ…。」
保守るでつ
「でも一つ見つけると結構続けて見つかるもんなんだよ、呪いのアイテム・・・
これが案外しゃれにならないものばっかりで、局の人達が次々と病気になったりしたんだ。
で、呪われてる品物をテレビショッピングで売ることにしたんだ。
これが以外に大好評で、物好きな人がどんどん買ってくれた。
その内、番組を見ただけで呪われるって噂が流れたんだ。
そして、本当に見ていた人が呪われ出した・・・
例の占い師も番組を見て呪われ死んでしまった。でも、氏ぬ間際に呪いの解き方を言い残してくれた。
だから、さぶちゃんも大丈夫!呪いは解けるよ!
でも、ちょっと恥ずかしい事をしなきゃならないけど・・・」
さぶは希望の光を見出し目を輝かした!
松下さん(仮名)は続けた…。
「その方法はな、机の上に飛び乗って、こうするんだ…。」
そして、一瞬黙ったあと、いきなりベッドに飛び乗り半ケツになってウラ声で叫びだした。
「ビックリするほどユートピア!ビックリするほどユートピア!」
松下さん(仮名)の声は病院中に響き渡ったかのようだった…。
松下さん(仮名)はくるりと振り返ってこう言った・・・
「これを誰かに見てもらいながらやるんだよ。」
実際はさぶに緊張させないため笑ったのだが、さぶには意味ありげな笑いに見えた。
「そ、そんな・・・あにきにもまだ見せたことがないのにー!」
と叫ぶと、泣きながら病室から走って逃げ出した。
「さ、さぶちゃーーーーん!」
後ろから松下さん(仮名)の声が響いていた。
考え中〜
☆お知らせ☆
http://zeta.ns.tc/ まだ出来たての掲示板です。
2chはIPとってるし
管理人が取ってないよって言ってるこっちのほうがいいかも
できたばっかだから規制とかないのもいいよね
文字を反転しないと見えないようにしたりdameって入れるとスレが一番下まで沈んだり
スレ立てるときレスの削除権を
>>1が設定できたりしまつ(詳しくはガイドラインで)
暇なら一回見に逝っていればどですか?
よかったら足跡も残していってね
後ヘッドラインで見ると全部の板のスレの状況がわかっていい感じ
さぶは帰ることもできず
公園のブランコを揺らしていた…
夕日が涙でにじんで見えた…
「あんなこと、できない…誰かに見られてなんて…」
考えはさっきからぐるぐる同じところを回っていた
そしてしばらく黙った後、はっと気がついたように顔を上げた
「あにきに見てもらおう!」
言うが早いか、素早く立ち上がり街に向かって駆け出した
ほっしゅ!
サルベージしておこう
わーん!sageてた〜〜!
あがってて驚いたw
いや〜、最深部でもがいてたもんですから・・・(汗
「あにき!あにきーーーっ!」
さぶは駅にきていた。
あにきは別れ際に「5時に駅に来い。」と言っていたからだ。手がかりはそれしかなかった・・・
夕日の差している駅の構内で、さぶはあにきを呼びつづけた。
小さな駅だがそれなりに利用する客はいる。その人達の多くがさぶを横目でチラッと見つつ
早足で通りすぎる。
さぶは置き去りにされた犬のように呼びつづけている・・・
しかし、その時後ろから声をかけられた!
「さぶちゃん、探したよー」
振り向くとそこには松下さん(仮名)が息を切らしながら
笑っていた
「ごめんな、さぶちゃん、ビックリするようなことを言って…おっちゃんもできる限りのことはするよ、昔の仕事仲間にもいろいろ聞いてみるさ。だから気を落とさずにな。それだけが言いたかったんだ。」
松下さん(仮名)はそれだけのために病院を飛びだしてさぶを探していたようだ
さぶは松下さん(仮名)のやさしさにじんときた…
「ありがとう…私、負けません…」
涙をこらえて松下さん(仮名)に精いっぱいの笑顔を見せた
「じゃあ、おっちゃんは病院に戻るさ、看護婦さんに折檻されちまうからね。ははは」
松下さん(仮名)は夕日の中去っていった…
さぶは夕日に向かって去っていく松下さん(仮名)が見えなくなるまで見送っていた。
(ああ・・・私の為に松下さん(仮名)・・・
私も泣いてばかりじゃなくて、頑張らなくちゃ・・・)
決意も新たに夕日に誓うさぶであった。
(だけど、いざとなったらあにき以外の誰かに、あの恥ずかしい姿を見せられるかしら・・・)
と、頬を染めながら、さぶは家路についた。
俯いたまま、さぶは駅にくるりと背を向けた
「かーえろ!また明日があるって!」
小さな呟きで自分を励ましながら…
夕日がさぶの姿を赤く赤く照らしていた
その時、駅の雑踏の中から聞き覚えのある声が聞こえてきた…
あたたかく懐かしい「あの声」…
さぶは思わず振り向いた
そこに立っていたのは、紛れもない…あの人だった…
にょ?禁止。
さぶがあの人に声を掛けようとした瞬間…
「パスッ!パスッ!」と空気の抜けたような音が聞こえた…
立っていたあの人は突然倒れ地面は血に溢れている…
さぶはあの人の元に走った
…という恐ろしい状況を夢想してしまったさぶは
人知れず身震いした。
「そんなことはあるはずがないわ」
待ち続けたさぶの手は氷のように冷たくなってしまっていた。
その冷えきった手が、ようやく暖かくなり始めた頃、突然目の前の人どおりの中に
肉男を見つけた。(>40-45参照)
どうやら肉男は一人で歩いているらしかった。
さぶは一瞬の戸惑いも見せず、体が動いていた。
人ごみの中見え隠れする肉男を追いかけるさぶの前では、人ごみも障害にならな
かった。
後10メートルという所で肉男は突然走り出し、角を曲がった・・・
さぶは肉男を見失ってはならないと駆け出し、
肉男が曲がった角を素早いターンで曲がった。
さぶの頬は上気して薔薇色に染まっていた。
角を曲がるとそこは人ごみが全くなく、見通しのよい直線道路だった。
商店街の喧騒を背中に受けながらさぶは必死に走った。
「待って!今あなたを見失ったら、私の命は…!」
肉男はそんなさぶの思いをよそに走り続けている。
思いの外足が速いのかどんどん肉男の姿が小さくなってゆく…。
さぶはますます必死になって追いかける。
その時、はるか前方をゆく肉男が突然転んだ!
105 :
山崎渉:03/04/17 14:33 ID:???
(^^)
つづいてさぶも大いにぬっ転んだ!
ぬっ転んださぶは、一時的に平衡感覚を失っていた。
それでも、兄貴の居場所を知ってる唯一の存在をここで逃がすわけにはいかなかった。
さいわい肉男は、打ち所が悪かったらしく、まだ転んだままだ。
さぶは平泳ぎを泳ぐように両腕でバランスをとりながらゆっくり進んだ。
両脇を通りすぎる人はそんなさぶを見ながら指を指して笑っている・・・
さぶはそんなことは気にならなかった。
そして肉男まで、残り1メートルの所まで来た・・・
108 :
山崎渉:03/04/20 02:11 ID:???
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
肉男は今まさにその巨体を起こそうとしているところであった。
さぶはふらふらと肉男に近づいてゆく。
足下の小石につまづいてさぶがその場に倒れそうになったとき、
力強い手がそれを受け止めた。
懐かしいぬくもりであった…。
見上げるとそこには日に焼けた肌と真っ白い歯…。
「あにき!あにき…」
さぶは抱きしめる腕を強く掴んだ。
もう、二度と離れたくなかった。
あにきと呼ばれたその男はやさしくさぶを見つめ、こう言った。
「待たせたな」
「あ、あにき!あにき!あにきーーーー!」
さぶは人目もはばからず絶叫しながらあにきにしがみついた。
あまりにありがちだが、さぶにとって一瞬が永遠に取ってかわった・・・
もはやこの世には、あにきとさぶの2つの物質しかなかった。
いやむしろ、他の物はその意味を失っていた。
しかし幸せな時間は、来た時と同じように速やかに通りすぎた・・・
「ちょっと!私のあにきに何するの!」
すべてをぶち壊す声だった。
甲高い声に、はっとさぶは目線を上げた。
そこには涙を流し、顔を真っ赤に紅潮させた肉男が立っていた。
「おい、やめろ」
「あにき」と呼ばれた男は低く静かに肉男に言った
肉男はその場に泣き崩れた。
通行人は3人の周りを避けるように歩いてゆく…。
さぶは何から話していいのかわからず、ただただ「あにき」を
見つめていた。
「なにがあったんだ、変わらないな、お前を忘れたことはなかったぜ」
「あにき」の瞳は深く暗く、まるですべての悲しみをたたえた湖のような色だった。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、あにきーーーーーーーー!!!!!!!!!!」
さぶは関を切ったように、あにきに抱きついた。
夢にまで見たあにきが、今さぶの腕の中にいた。
「わたし、わたしーーーー!」
嗚咽をこらえながら絶叫するさぶの顔をあにきは怪訝な顔をして見ていた・・・
あにきは強くさぶを抱きしめこう言った。
「とりあえず落ち着くんだ」
さぶはあにきの言葉に我を取り戻した。
軽く息を吐いて、さぶは今までのことをぽつりぽつりと語った。
あにきは黙ってさぶの話を聞いていた。
しばらくの沈黙の後、あにきは口を開いた。
「わかった、さあ、いこうか」
あにきはさぶの手を取って裏路地を早足で歩き始めた。
呆然とする肉男をその場に残したまま…。
114 :
山崎渉:03/05/22 04:19 ID:???
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―
雑踏の中一人取り残された肉男は、子供にぶつかられたはずみに正気に戻った・・・
しかし、そこにはもはや愛する兄貴の姿は無かった。
「あにき・・・」
雑踏の中に立ちすくんでいる肉男はかつて無い孤独を味わっていた。
その目は開いているにもかかわらず、なにも見ていなかった。
その耳はなにも聞いていなかった。
立ち止まっている肉男をみんな避けて歩いていく。
やがて、肉男は歩き出した。
力なく、ふらふらとではあったが、不思議な事にさぶとあにきが立ち去った方角だった・・・
116 :
山崎渉:03/05/28 11:47 ID:???
∧_∧
ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄〕
= ◎――◎ 山崎渉
あにきはさぶの手を取ってどんどん歩いてゆく。
さぶは付いてゆくのがやっとであった。
「ここだ」
あにきが足を止めたのは古びて薄汚れた雑居ビルの前だった。
ビルの中は薄暗く湿った空気が澱んでいる…さぶは不安と恐怖で
きょろきょろと辺りを見ながらあにきの後について狭い階段を上がっていく。あにきは最上階の一室の前に立った。
入り口には小さなプレートが貼ってある。
「李風水研究所」
あにきはインターホンを押した、すると間もなく女の声がした。
「どうぞ、お待ちしていました」
まるで自分たちがここに来るのがわかっていたような声だ。
中に入ると何の香りだろう?いい香りがする。
部屋の奥には大きな机があり、そこには銀縁の眼鏡をかけた細身の女性が
座っていた。
オリエンタルな顔立ちの女性だ、黒い瞳は眼鏡を通しても強い光を放っているのがわかる。年のころは30代半ばといったところだろうか?
「ようこそ、さぶさん。ひさしぶりね、あにき。」
初対面のはずなのにその女性はさぶの名前を呼んだ。あわててさぶはペコリとおじぎをする。自己紹介よと言いながら彼女は名刺を差し出す。
受け取って見ると「風水研究家 ビビアン・李」とある。
「風水研究家って言うのは仮の姿なの、本当は呪術屋なのよ」
李がほほ笑みながら言う。
さぶはすがるような気持ちで彼女を見つめていた。
李は微笑みながら、続けて言った。
「ねぇ、さぶさん。あなた呪いにかかっているようね。」
さぶは泣きそうな目をしたままうなづいた。
「呪いってねぇ、まだ科学で解明されてないけど、簡単に言っちゃうと毒とおんなじなのよ。
強い毒は生き物を簡単に殺せるし、弱い毒は下痢程度ですんでしまう。
ま、早く解毒した方が体のためだけどね。
ん〜、そうね〜、さぶさんのは、体を徐々に蝕んでいくタイプね。」
李は泣きそうなさぶの顔を覗きこみ、目を細めながらつげた。
「難しそうだけど、やってみましょうか!」
ここまでほとんど喋らなかったあにきがようやく口をきいた。
「ビビアン、さぶを頼む」
今まであにきを待ち続けて辛かった日々、そして今目の前に
あにきがいるこの現実、呪われてしまった自分・・・。
自分を取り巻くすべてが大きく変わり始めていることに戸惑うさぶであった。
「さぶさん。」
李に声をかけられはっと我に返るさぶ。
うながされるまま奥の部屋へと入ってゆく。
たちこめる香の煙に軽い眩暈がする・・・。
「始まるんだわ・・・」
さぶは自分に言い聞かせるように呟いた。
120 :
うえ:03/06/18 00:20 ID:???
中国風の祭壇の前にさぶが座ってから30分が過ぎようとしていた。
李はさぶの前に座り、時折お香を足しながら、歌のような呪文のような
不思議な節のついた言葉をしゃべっている。
いい加減に飽きてきたさぶが5度目の生あくびをした時、李が突然虫を追い払うような
手つきで周りを払い出した。
李は歌うかのようにしゃべりながら、払う手つきが早くなっていく。
大量の蜂に襲われているかのように、払う範囲も広くなっていく。
そして突然の静寂・・・
まだ李はさぶの前に背中を向け座っていた。
その時、さぶは自分の中から巨大で禍々しい
「なにか」が込み上げてくるような気がした
胸を突き上げてくるひどい吐き気
額に脂汗が湧いてくる
堪え切れずさぶが息を吐こうと口を開けた時、
明らかにさぶのものではない声がそこから響いてきた
「オレヲ オイダソウトシテモ ムダダ」
さぶは苦しみに耐えられず床に倒れた
もがき苦しむほどの苦痛だった
李はくるりと振り向くと、印の様なものを結びながら
なおも早口で呪文のような歌のようなものを
唱え続けた
突然ピタッと空白の時間ができた。
李は無表情だ。一切の感情はその表情からはまったくうかがう事ができなかった。
ゆっくりと印を解くと、両腕はだんだんと持ちあがってきた。
腕が頭の横まで上がった時、座ったままの李は滑るようにさぶに詰め寄る。
鬼気迫る表情だった。
気の弱い者が見れば、気絶しそうな表情をした李が、座ったまますべるように移動している。
さぶは、まだのた打ち回っている。
さぶはまるでのどから何かが生まれそうな感覚に、両手で口を押さえ必死に耐えていた。
しかし、口を押さえているにもかかわらず、その声はさぶから出てきた。
「ムダダ オレハ コイツカラ デテイカナイ コイツハオレノモノダ オレノ・・・」
「コイツノモノハ オレノモノ オレノモノハ オレノモノ・・・」
__∧_∧_
|( ^^ )| <寝るぽ(^^)
|\⌒⌒⌒\
\ |⌒⌒⌒~| 山崎渉
~ ̄ ̄ ̄ ̄
李は大きく息を吸い、印を結んだ
周りの空気がざわざわと騒ぎだした
さぶから青白い煙のようなものが立ちこめる
内臓をかき回されるような感覚にさぶはもがいた
李は次々と印を結んだ
その動きは素早く、読み取れない
その時、さぶの口から何か熱い塊が込み上げてきた
喉を突く熱さにさぶは息も絶え絶えになる
「グアア、オレノ ジャマヲ スルナ!」
明らかにさぶの口から発せられた声ではない
それは込み上げてくる熱い塊から聞こえてきた
李は気合とともに右手をさぶに突き付けた
ゴボッ!!!
さぶののどもとから例えようのない音を立てて、何かが出てきた。
李は印を結んだままその何かを睨んだ。
その物は一切の形容を拒むかのように、形が無かった。
強いて言えばぶよぶよとうごめく闇だった。
一度さぶの体内から出された闇は、再びさぶの中に戻ろうと大きく伸び、さぶに覆い被さろうとした。
その時、李の裂ぱくの気合が響いた。
(^^)
( `Д) < とりあえず保守!
( O┬O
〜 ◎-ヽJ┴◎ キコキコ
闇は、覆い被さろうとしていたさぶの上から弾き飛ばされた。
物凄い勢いで壁にぶつかり、わずかな残滓を残し壁をすり抜けた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ」
隣の部屋から叫び声が聞こえた。
さぶと李は「はっ」と顔を上げた。
隣の部屋にはあにきがいるのだ。
「がしゃーーーーーーーん」
ガラスの割れる音がした。
「あにきったらワイルドなんだから・・・・♥」
さぶはうつむき少し照れた・・・
そうこうしている内に、李はドアを開け隣部屋をのぞきこむと叫んだ。
「あにきが逃げたーーーーー!」
(⌒V⌒)
│ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
⊂| |つ
(_)(_) 山崎パン
「あにきがにげた!?」
さぶは李が何を言っているか理解できなかった。
やっと会えたあにきがさぶから逃げるなんて、さぶにはまったく理解できなかった。
しかしさぶの本能は、考える前に走り出していた。
数瞬後、李も走り出していた。
「ちょっと、待ってよーーーー!」
さぶの耳には、そんな呼びかけの声も聞こえなかった。
ホッシュ・・・
さぶの視界からあにきが消えた
さぶはあえぎながら走った
あにきを探しながら、必死で商店街を駆け抜けた
商店街を通りすぎ駅前にさしかかったとき、
あにきの背中が見えた
呆然と立ち尽くすあにき…
息を切らせながらさぶはあにきに駆け寄った
「どうしたの、あにき…」
あにきはさぶに視線を向け、こう言った
「俺は…俺は…」
程なくして李も追いついた
「いったいどうしちゃったのよ、あにき」
あにきはただたださぶを見つめていた
保守ります
「うがぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁあぁああっぁぁ」
突然あにきは叫び出し、両手を上げてさぶに襲いかかった。
さぶは突然のあにきの豹変に驚き、しゃがみこんでしまった。
あにきはさぶにつまづき勢い良く転がると、そのままでんぐりがえしを始めた。
30m程前転する間に、3人程の通行人にぶつかり、転がった人も前転を始め、
駅前は前転の無限増殖を始めそうな様相となった・・・
「厄介な状況になったわね・・・」
李は苦虫を噛み潰した顔でひとりごちた・・・
「いけない!このままではあにきに!」
李は両手で印を結びだした
小さな声で「呪文」をかける
すると前転をしていた人々がゆらゆらと立ち上がりだした
魂の抜けたようなうつろな目でゆらゆらと揺れている
李は続けて「呪文」を言い続ける…
あにきの口から紫色の煙のようなものが立ち上った
前転をしていた人々の口からもつぎつぎ煙が立ち上り、
そして、ばったりと倒れていく
そしてあにきもその場に倒れ込んだ
さぶはあにきに駆け寄り、泣きながらあにきを呼んだ
「あにき!あにき〜!」
137 :
のほほん名無しさん:03/10/11 21:02 ID:4ZJKhzBG
保守
「うぅ・・・・・・・・」
あにきはさぶに揺さぶられると、小さくうめきうっすらと目を開けた。
「さ、さぶ・・・・?」
さぶはしっかりとあにきにしがみついた。
「あにき心配したんだよ・・・」
さぶは言葉につまりこれ以上話せなかったが、しっかりと抱えるさぶの
力であにきにはさぶの気持ちがいたいほど分かっていた・・・
「俺は…いったい…?」
あにきは何が起きたかわからないようだった
そこに李が近づいてきた
「やはり一筋縄ではいかないわね」
さぶは自分のせいであにきが巻き込まれてしまったことに責任を感じ、涙が止まらなかった
悲しむさぶに李が言った
「大丈夫、絶対にあなたを救ってみせるわ」
李の瞳がきらりと光った
さぶは泣きながら李に向かって搾り出すように尋ねた。
「ねぇ李さん、あにきはもう大丈夫だよね・・・
もうあいつはどこかいったよね・・・」
「ん、まだどこかにいるはず・・・」
透かすように李は目を細くして周りを見まわした。
「あっ、いたっ!」
李はそう叫ぶと走り出した。
李が突然地を蹴って飛んだ
まるでワイヤーアクションのように李はふわりと
宙を舞った
「ど、どうなってるの?!」
さぶはもう訳がわからない
あにきを抱きしめて震えているだけだ
あにきはまだぐったりとしている
李の右手から剣のようなものが現れた
空中からそれを振り下ろす
あたりが青白い閃光につつまれた
閃光はあにきを真っ二つにした!
左右2つに切れたあにきが、ゆっくりと倒れていく。
さぶは何が起きたのか理解できず、ただゆっくりと倒れていく
あにきを見ることしかできなかった。
突然我に返ったさぶはあにきに駆け寄った。
二つに切れていた様に見えたあにきは真後ろに倒れていた。
「さぶちゃん、あにきはもう大丈夫。もう、悪霊は倒したよ。
でもねぇ、あにきは一次的な記憶喪失になるよ。
だからこの技は使いたくなかったんだよなぁ・・・」
李は語尾を濁しながら、さぶに優しく語り掛けた。
さぶが呆然としているうちに
あにきは軽いうなり声とともに目覚めた。
「俺は、一体…」
頭を振りながらムクリと身を起こすあにき。
李とさぶはあにきの身体を助け起こす。
きょとんとした顔であにきはさぶと李に話しかける。
「おお、さぶと李じゃないか、久しぶりだな」
そして笑顔でさぶを抱きしめた。
さぶはこれまでの苦しみが吹き飛んでしまうような喜びに包まれた。