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そこには昼間からカーテンが締め切られた薄暗い部屋で青白く光るモニター画面を
食い入るように覗き込んでいる僕がいた。
ファンの回る音とキーボードを押す軽い音しかしない部屋。
コンビニ弁当や惣菜物の入れ物が散らばるゴミだらけの部屋。
僕とモニターとの距離は30センチも開いていない。
"僕"は意識だけの存在となり、ネットに気違いのようにのめり込んでいる僕を、その人と見ていた。
声:「そう、これはあなたよ。いつものあなた。いつもの光景。」
僕:「なんでこんなもの見せるんだよ・・やめてくれよ・・」
アダルト画像掲示板の映るモニターを食い入るように見つめる僕がそこにいた。
URLをコピーしてはアドレス欄にペーストして画像を保存して次へ進む僕がいた。
掲示板に匿名で心無い書き込みをして回る僕がいた。
生気のない青白いその顔に眼球だけが不気味にギラギラと輝いて
モニタの画面をその中に反射させていた。
僕:「やめてくれよ・・やめてくれよ・・こんなもの見せないでくれよ・・やめてくれよ・・」