人間の場合、クロイツフェルト・ヤコブ病の症状は、
まず鬱や精神疾患などから始まり、
歩行困難や身体感覚の異常、
不随意運動へと進行することが多い。
やがて患者は動くことも話すこともできなくなり、死に至る。
さらに、プリオン病を診断する簡単な検査方法もない。
同じように脳が侵されるアルツハイマー病の場合と同様、
感染を確認する方法は、
死後の脳解剖か、あるいは危険度の高い脳の生体検査に限られている。
プリオン病は発症するまで何年も、あるいは何十年も脳の中に潜んでいる。
潜伏期間は、
BSEに感染した牛を食べた人では6年から12年、
クールーの場合は40年にも及ぶ。
BSEからの感染の場合は、
感染した牛のプリオンが人間のプリオンに影響を及ぼす形に変わるまで
時間がかかるためではないかと言われている。
感染から発病までの時間が長いため、動物実験による研究も非常に難しい。