79 :
名無しさん@GOBANDB:
>>73 これですね。かなり遅レスですみません。
tp://pcweb.mycom.co.jp/column/dream/dream026.html
ドリーミングの時代を読む 執筆=田口ランディ
【第26回】キモチイイコト 98/11/30
とても個人的な話をするけど、ごめん。
昨日は友達の命日だった。
もうずいぶんと昔のことだけれど、彼は自殺したのだ。長いこと欝病だった。知り合った当時、私
は心理学の勉強をしていて、彼の欝病に興味があった。その頃の私は今よりももっと知識欲が
旺盛で好奇心に溢れていて、そして身勝手だった。だから私はなにかと彼の面倒を見たり、相
談に乗ったりしたのだけれど、それは彼の病気に興味があったのだ。
傲慢にも、私は彼を治療しようとしていた。自分の「カウンセラーになりたい」という願望を満たそ
うとしていたように思う。彼は私の紹介した精神科にかかった。治療は成功していたように思え
た。
顔つきが明るくなって、なんだか元気になった。私は自分の判断が正しかったことにとても満足
した。彼がよくなったこともうれしかったけど、それ以上に自分を褒めていた。
そして、突然、彼は死んでしまった。もう死ぬことはあるまいと、思っていた矢先に、いきなり自
殺した。理由はわからない。10年も前の話しだ。
欝病の患者さんは、回復に向かったときが危ない。本にもそう書いてあった。知識としてはわか
っていた。だけども、実感として私にはわからなかった。彼が欝の時に死ぬのならわかる。な
ぜ、あんなに元気になって、そしていきなり死ぬのだろう。どーんと暗闇に突き放されたような気
分だった。
80 :
名無しさん@GOBANDB:02/03/13 14:38 ID:Rx9VVU3Y
彼はすべてを見透かしていたんだ、と思えた。私の欺瞞、おためごかしの親切、傲慢、病気に興
味があるだけなのに友達のように親しげに彼に接していた、その心の嘘。
死ぬ前に、彼は私に言った。
「おまえには、おれの苦しみはわからないよ」
私はその時、なぜだか猛烈に腹がたった。彼に対して自分は精一杯理解者になるつもりだっ
た。そのために自分を押さえて無理をしていた。理屈っぽい話につきあってやった。いっしょにい
るだけでこっちまで暗くなるような、そういう彼といっしょに過ごしてきた。
その無理が重なってストレスになっていることに自分では気がつかなかった。つもりつもった彼
への鬱憤「こんなにしてやってるのに」という気持ち。それにいきなり火がついてしまった。自分
を押さえられなかった。
「わからないに決まってるじゃない、あたりまえじゃない、甘ったれたこと言わないでよ、誰も他
人の痛みなんかわかるわけないじゃない、みんなそれぞれに苦しいのよ、いっしょうけんめい生
きてるのよ、あんただけじゃないわよ、ふざけないでよ、自分だけ苦しいような顔をしなでよ、えら
そうなこと言う前に、働きなさいよ、理屈ばっかこねてないで、自分から世界に出ていってみなさ
いよ」
彼は反論しなかった。
ただ、黙って死んでいったのだ。
(以下略)
81 :
名無しさん@GOBANDB:02/03/16 11:03 ID:3IYD2h8G
うーん……。
>>79の
>病の患者さんは、回復に向かったときが危ない。本にもそう書いてあった。知識としては
>わかっていた。だけども、実感として私にはわからなかった。彼が欝の時に死ぬのなら
>わかる。なぜ、あんなに元気になって、そしていきなり死ぬのだろう。どーんと暗闇に
>突き放されたような気分だった。
は、鬱病の身内や友人に自殺されてしまった人の嘆きとしてはよく聞く話で、それだけなら
わからないでもないけど、
>>80に書いてあるように、
>「わからないに決まってるじゃない、あたりまえじゃない、甘ったれたこと言わないで
>よ、誰も他人の痛みなんかわかるわけないじゃない、みんなそれぞれに苦しいのよ、
>いっしょうけんめい生きてるのよ、あんただけじゃないわよ、ふざけないでよ、自分だけ
>苦しいような顔をしなでよ、えらそうなこと言う前に、働きなさいよ、理屈ばっかこねて
>ないで、自分から世界に出ていってみなさいよ」
と死ぬ前に罵倒しておいて、
>>79のような感慨にふけってしまうのは、なんかを間違えて
いるとしか。(それにしても、「苦しいような顔をしなでよ」か)。
> 彼は私の紹介した精神科にかかった
も気になるなあ。まともなお医者さんだったのかどうか。これ、ランディのお兄さんの
治療の際にもかかわった医者ではないの?