大河【龍馬伝】に関する資料&情報

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68日曜8時の名無しさん
前回の福田氏講演

「龍馬伝」前情報 http://www3.nhk.or.jp/drama/html_news_ryouma.html


これまでにない龍馬を 大河ドラマ脚本家・福田靖さん来高 (高知新聞2009年03月25日付・朝刊)

 来春からのNHK大河ドラマ「龍馬伝」の脚本を書く福田靖さんが二十四日、高知市での「土佐・龍馬であい博」推進協議会でスピーチした。
人気ドラマの「HERO」や「海猿」、映画「容疑者Xの献身」などを手掛けた人気脚本家が書こうとしている物語はどんなものか。
以下はスピーチの要旨。

 僕は民放局での仕事が多くて、日々、視聴率、とにかく、どうすれば多くの人に面白がっていただけるかを考えてドラマをつくってきました。
賞には縁がないんですが、この仕事について十三年、一生懸命やってきたつもりです。

 大河ドラマの話をいただいたのは三年ほど前。そこから、鈴木圭チーフプロデューサーと題材を何にしようかと話をしてきました。
「龍馬どうですか」と言われた時は、まさかそんなど真ん中の直球がくるとは思ってもいませんでした。もう、即座に「それいきましょう」と。

 その時、NHKさんから条件があった。それは「竜馬がゆく」という司馬遼太郎さんの原作を昭和四十三年に大河でやっている、
龍馬ものは何度もドラマ化されている、と。これまでの龍馬と違う龍馬を描けるのか、描けるのだったらゴーサインを出しましょうと。

もちろん、「やります」と。

 ちょうど、「ガリレオ」という福山雅治さんが主演のドラマを書いていて、そのドラマの打ち上げで、福山さんのマネジャーに声を掛けました。
「実は数日前、龍馬伝に決まりました。このことは誰にも言わないでください。(龍馬役を)考えていただけないでしょうか」と。
この仕事に就いて初めてキャスティングに口を出しました。それから半年ぐらいですか、OKをいただきました。

 言っておかなくてはいけないことがあります。「龍馬と言えば司馬竜馬」、そういう観点で見られると、あれれ、と思ってしまう。
それにはいろんな理由がありますが、僕が描きたいのは、一つ言えば、坂本龍馬は最初から坂本龍馬ではない、ということです。
少年時代があり、青年時代がある。ごくごく普通の人間だった男がいろんなことを学び、経験し、だんだん坂本龍馬になっていく。
それを一年かけてやっていきたい。

 確かに、司馬さんの書いた「竜馬」は素晴らしい。ですが、ちょっと語弊があるかもしれませんが、あの「竜馬」を並の役者さんが演じられて、
小説より素晴らしいと思ったことはない。やっぱり小説がいい、といつも思う。でもやはり、最初から「わしは自由人じゃき」と、どかっと現れるのには
やや違和感を感じてました。最初はやはり謙虚な、両親を尊敬し、友達を大切にし、剣術の先生には心から師事し学ぶ、やがて変わっていく、
というふうに描きたい。

 今回、岩崎弥太郎という人物を配置しました。これが龍馬伝の企画が通った最大のポイントです。映画の「アマデウス」。
サリエリはモーツァルトに嫉妬(しっと)し、その才能に誰よりあこがれている。あれに近い。
自由に飛び回る龍馬。土佐で役人としてもんもんとしている弥太郎。長崎の土佐商会で龍馬と働くようになり、必ずしも友情とか、
いい関係ではないかもしれませんが、その弥太郎が龍馬を認めていく。

 まだどうなるか分かりませんが、最期のシーン。
三十三歳で暗殺された時、龍馬はいったい何を考えていたんだろうと、スタッフと話し合いました。
やはり頭の中には古里が浮かぶのではないかと。

 たとえば、魂が京都の近江屋の窓から抜け出て、空を飛んで、土佐の町に戻り、実家に帰り、その窓からまた飛び出し桂浜にいき、
そして世界の空に飛んでいくと。そんなイメージの話もしました。

 面白いドラマになると思います。