【2009年大河ドラマ】天地人 Part59

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909日曜8時の名無しさん
【カントクのつぶやき】〜「天地人」第2部、始まりました!演出:野田雄介〜

今回は第20回「秀吉の罠」、21回「三成の涙」、そして次回22回「真田幸村参上」
を担当した野田雄介です。

時代は信長から秀吉へ!「天地人」もいわば"第2部"へと突入しました。
物語のテンポや色合いが、「本能寺の変」の後から少し変わったことにお気づきの方も
いるかもしれません。
これからの上杉は、越後の外へ外へと出ていきます。秀吉、三成といった外の人たちと
出会い、ついには上洛も・・・!これまでが"内政"だとしたら、これからは、"外交"。
上杉が外からどう評価され、また逆に上杉がどんな影響を外に与えていくのか、それが
第2部の大きなポイントなんです。

今回の見どころはなんといっても兼続と三成の関係。悪役として描かれがちな三成ですが、
「天地人」ではそうではなく"本当はイヤな奴じゃないのに、そう誤解されがちな人"、
そんなふうに見せられたら・・・と小栗旬くんともよく話しました。
小栗君との相談の結果、お芝居的に工夫したひとつが、会話。"都会人"三成と、そうで
ない越後の人が話すリズムを微妙に変える。
例えば越後同士だったら・・・
越後A:○○ですよね
越後B:あぁ、そう、○○ですよね〜
となるところを、相手が三成の場合、
越後:○○ですよね
三成:うん。で、××はさ・・・(と、話は次に展開)
要は、秀吉のもと第一線で働く三成は頭の回転もすごく速い。越後の人が10しゃべる
ところを三成はもう15くらいしゃべってる、だから互いの気持ちが妙にズレていく・・・
そんなニオイを出せれば面白いんじゃないか、と。


このドラマの担当が決まってから「直江兼続って要は何をした人なんだろう?」と
ずいぶん考えました。天下をとったわけでもない。「人が人らしく生きる美しさ」という
言葉を在りし日の謙信から受け、兼続なりの"人らしく〜"を求めた。それは高望みせず、
謙虚に素直に生きる。身近な小さな幸せで満足する。
そんなささやかな理想郷を求め続けた人だったんだろう、という考えに行き着きました。
では、その理想郷はどこにあったのか。結局それは春日山にあったんじゃないかと僕は
考えています。皆がニコニコと幸せに暮らす理想の世界が身近にあったからこそ兼続は
同じ幸せを日本に広げたいと夢見たんだろうって。
だから今回21回も、兼続の愛した春日山の日々の暮らしや、人々の喜怒哀楽を大切に
描こうと思いつつ、つくりました。そう、だから結局三成の心を動かした理念理屈と
いうよりはむしろ、春日山の世界そのもの。春日山は戦国時代の中でも、ある種オアシス
のような、どこかホッとするものが残っている空間だったんだろうな、僕はそう思うんです。

そして次回は・・・
次回はなんと、兼続の父・惣右衛門さんに新しい奥さんが・・・!そしてもうひとり登場
するのが、戦国時代ブームといわれる今、人気ナンバーワンの武将・真田幸村です。
ぜひ、お楽しみに。