・描く人物をしぼるしかなかった男性陣。
篤姫での男性陣は、はっきり言うと時代の説明役。
幕末は各地でいろんなことが起こり、それが記録として残っている。でも全て描くのは無理。
幸いに、原作は天璋院篤姫が軸。
ただ登場させないと、大奥にいる篤姫がなぜこんなに追い詰められているのかわからない。
外の状況を描く必要がある。
これから後、官軍が江戸に向かって進軍してくる。
そのときの天璋院の気持ちを表現するためには、官軍総大将の西郷も描かなければならない。
そのとき、小松帯刀はどうしていたのかも描かなければならない。
松平容保や会津藩の人は何やってんだと思うかもしれないが、とても全部は描けない。
今回は原作に書いてないので割り切って、篤姫と帯刀の周辺にしぼっている。
幕末の大河ドラマというと、翔ぶがごとくがあったが、今回は大奥がメイン。
なので男性はご不満があるかも。
・相手に身を委ねてお芝居をする役者
佐藤D 瑛太くんは一生懸命な人でした。瑛太くんの芝居の特長は、
山川の末に流るる橡殻も 身を捨ててこそ浮かむ瀬もあれ
彼の場合は、あおいちゃんの前に出ると、自分がやりたいことがなくなる。自然に素直な気持ちになる。
北大路欣也さんは北大路欣也さん、宮崎あおいさんは宮崎あおいさんとして役をやるんだけど、
瑛太くんは自分の身を委ねて、相手に合わせきっちゃう。
俳優同士が近くで向かい合って見つめあってるときは、
相手の眉の動き一つに反応した芝居をして、感情のやりとりをする。
だから、瑛太くんは宮崎あおいさんとの芝居を非常に大切にしていました。
・おつかれ会の席での2人
佐藤D 撮影が終わって、先日はおつかれ会がありました。宮崎さんはお酒が飲めません。
瑛太くんは本当は強いんだけど、なぜか自制してました。
みんな集まった中で、抱き合って2人はワーッと泣いてましたね。
それが役者という垣根を越えたものかどうかはわかりません。ただ、役割はそれぞれ違うけど、
篤姫という同じ仕事をしてきたもの同士が流す涙なんだと私は思いました。
それはすごかったですよ。ガバッでしたよ(皆笑)。いやあ邪念がないというか、なりふり構わず。
そして隣に家定役の堺雅人さんがいたんですが、ぼう然としてました(皆笑)。
私の出番はないのかというような感じで。
(瑛太さんと宮崎さんの関係が特別だというのは、
ドラマストーリー完結編の対談を読んでもよくわかりますね)
つづく