<おばちゃん×出張×深山行>
「ふう・・」
おばちゃんが出張に出てから数日、まだ数日と言うべきか。
18歳になる若手事務員、小松田秀作はおばちゃんの代わりに雇われているアルバイト事務員との慣れない人間関係に神経をすり減らしていた。
一介の事務員が代わりを就けてまで行かねばならない出張とはなんなのだろう?
聞けば2人の忍たまを共にして学園長の使いで薩摩に遠征しているとのことだ。期間は2カ月くらいと言っていた。
「ふああ〜あ」
気にはなるものの考える気力も残っていなかった小松田は早々に床につくため、大きなあくびだけを残して部屋に戻っていく。
〜深山行〜
主に念による戦闘技術の向上を目的として数年に一度実施される特別訓練
秘密裏に行われ、毎年変わるその実施場所を知らされるのは訓練生の担任のみ。
無論、深山行の禅師を長年務めている彼女だけは例外である。
忍術学園の秘密を知る女・事務のおばちゃん
系統は放出系だという。
大雑把なようで計算高い。放出系の性格特性を聞けばなるほどと思う者が多いだろうが、
彼女が事務員にしておくには惜しいほどの念の使い手であることを知るのは大川学園長をはじめごくわずかである。
明くる朝、小松田の気苦労など露知らない彼女が目を覚ましたのは朝露の眩く光る摂津国のとある山中であった。
明鏡止水の半開きの目の向く先には2人の訓練生が岩に凭れかかり同じような姿で眠っている。
いや、左手にロープを握ったまま眠る青と桃色の忍たま達の希代な姿を同じようなと呼ぶには無理があるかもしれない。
ロープを辿れば、滑車を通してもう一方の先端には直径5cm程度の石が結び付けられている。
2人の頭上1M程のところに位置付けられているその石は何を意味するのだろう?
寅の下刻、禅師がその問いに答える時刻が訪れた。
衣擦れの音すらたてずに懐からゆらりと取り出された四方手裏剣。
虚心坦懐のまま放たれたそれは向かいの岩に座る桃色のくノ一の握るロープを手元から切断した。
特別 強化系の念で強化されたわけでもないはずの手裏剣が岩に突き刺さる。
「は!」
ガン!!
「痛い!!」
岩に吸収されるかすかな衝突音がくノ一の鼓膜を震わせたものの、目蓋が半開するまでの刹那で石はくノ一の頭頂を捉えた。
「はい、おはよう」
「お・・おはようございます・・」
「寝ていても頭の一部は緊張させとくようにと言ってるでしょ。明日からも徐々に石は大きくしていくから早く慣れないともっと痛いわよ」
「押忍!」
「さあ、基礎修練・・始めたいのですが・・」
青の忍たまが未だに目覚めない。
手裏剣の衝突音に始まり随分と多くの“微妙な気配”がこの場には生まれたはずだが幼子の様な童顔は相も変わらず夢心地に浸っていた。
「起きろ!!」
ガン!!
「痛!!」
結局、青の忍たまは石を喰らうまでいびきをかき続けていた。
<硬×天才×強化系>
岩を括り付けては絶壁登り。
大瀑布の下での座禅。
親指のみで腕立て1000回。
その他もろもろ、かなり常人離れした“基礎修練”とやらは陽が真上に差し掛かるころに終え 念法の修練に入っていた。
「纏・練・絶・発・凝の応用技で“硬”といいます」
禅師の熟練の拳を中心に鬱蒼とした山林にぼんやりとオーラの光が広がる。
「押忍!!」
およそでいいから見真似するよう促され若い気合いで大気を震わせる素直でやんちゃな2人の訓練生。
禅師の口元にはふっとした笑みが零れていた。
「最初は泣き喚いていたけど、随分マシになったわね。(たった数日で!)」
大地にずけずけと腰を下ろすそのやんちゃは学園ではとあることで有名な2人組と聞く。
淡い青の忍服は三年生、鮮やかな桃色の忍服はくノ一教室の四年生を示すものだ。
三年坊主の方は少し小柄な体の持ち主、すぐ隣に座るくノ一とさえ目を移して比べると背丈は額一つ分 体格は一回り劣っているのが分かる。
練によって溢れたオーラがやがて右手に集まっていく。
全身のオーラを凝によって拳に集中させる。オーラは一か所に集中すると密度が高くなり体外へ逃げようとするが、
そのオーラを纏で留め、右拳以外のオーラを絶で閉じる。
後生丁寧に説明したわけでもない原理を一度で習得した彼等のことを見つめ、禅師は目を剥いていた。
「うん、さすがに学園長が選んだ深山行適合者。紛れもなく天才だよ、あんたたち」
「やるわね三年坊主」
そう言って差し出されたくノ一の艶のある左手の平に少年の右拳がそっと触れる。
ドン!!
「うわっ!!」
打撃と呼べるものではなかった。ただ触れただけだったはずだがくノ一の体はまるで突き飛ばされたかのように地を離れ宙を飛んでいた。
「あいたぁ・・」
「しんべヱ君は強化系、そうこちゃんは変化系だったわね。」
しんべヱ・・・
その名を聞けば誰でも脳裏に浮かぶのは小だるまのような愛嬌のある男の子だろう。
引き締まり発達した筋肉が特徴的の小柄な体を見て、あれ誰だっけ?とボケをかます者は未だに多い。
「そうこちゃん、触れるだけと思って全く力入れてなかったでしょ。今のはあくまで強化系の“硬のみ”の威力。
本来なら今のに彼の馬鹿力が加わって威力は何十倍にもなるわよ。」
そうこ・・・
背丈も髪も成長し、少年の様な風格にもますます磨きのかかった凛々しげなくノ一教室4年生
すっかり身体能力を持てあますことのなくなった学園一の怪力小僧とも念法を交えて互角に喧嘩ができる。
くのたまの中でその条件を満たせる者は今や彼女だけとなってしまった。
「しんべヱ君、試しにあの岩に一発かましてみなさいな。全力で」
「押忍!」
強化系の硬と怪力小僧の腕力が風のような脚力に乗って勢いを増すと、
直径5Mはある大岩を木端微塵に粉砕し、凄絶な爆音は広大な山林に響き渡った。
この年、深山行に選抜された忍たまは2人
強化系の進化する小さな魔神
磨けば光る変化系のサファイア
「どう!?硬の威力!実感してもらえたかしら!?」
「は!?何ですか!??」
「耳が完全にバカになっちゃって!!」
小一時間2人の耳鳴りが止まなかったという他愛のないオチのついた出来事は深山行5日目のことである。
ちゃっかり自分だけ耳を塞いでいたおばちゃんは未だかつてない鍛え甲斐の予感に心ときめかせていた。
<堅×流×最後の夜>
深山行23日目
山中で戦でも起こっているのかと思うほどの騒音は忍術学園にまでかすかに及んでいた。
まるで数十頭の熊が暴れたかのように乱れた森
そのさらに奥、直径100Mほどの軒並み連なる樹木のことごとく折り倒れた空間に山を荒らした2人の怪童はいた。
いったい何をしているのか?答えは“組み手稽古”だが、その俊敏さの前にそう答えられる者は少ないだろう。
凝で観察する禅師の巨木に凭せ掛かる姿は2人の怪童から巨木を庇っているように見えてくる。
「拳・攻防力70・・・胸部・攻防力60・・・ 2ヶ月はかかると思っていたけど、呆れるばかりだわ。」
・
・
・
「“流”?」
「そう!2人とも“硬”はできたわよね。そこで問題、相手が硬を使ってきたら・・どうやって防ぐ?」
「え〜っとぉ」
「う〜んとぉ」
唐突な出題に2人は腕を組み首を傾げる。
夫婦漫才の様な息の合い方に禅師は思わず吹いた。
価値観の一致。恋仲などという見栄臭い関係とは程遠いさっぱりとした仲だとは聞いていたが、
この息の合い方は“思考の瞬発力”が求められる念での戦闘において大きな武器となるかもしれない。
「こちらも硬を使う?」
やがて経験と知識で1年勝るそうこがしんべヱを差し置いて提示した答えに「半分正解」と曖昧な採点をする。
「硬を行っている箇所の状態は攻撃力・防御力ともに100、攻防力100と言ったところかしら
相手が硬を使った拳をこちらも硬を使った拳で防げば、防御は成立する。けど、もし他の攻防力0の箇所に硬の攻撃を受けたら一発KO
リスク高すぎ。全身を攻防力50にするのが最も実戦的な防御。ちなみに、纏の状態が攻防力10ってとこね。」
「全身を硬にする。ってこと?」
「矛盾してるけどそういうこと。2人とも、ちょっと練をやってみなさい。」
「押忍!」
全身を通常すなわち纏の状態を遥かに上回る量のオーラで被う。忍術学園では1年生の課程で教えられる基本四大行の一つ、“練”
三年生の怪力小僧ましてや四年生の武闘派少女にとって朝飯前の芸当
「その状態よ。その状態こそが全身攻防力50の状態 2人ともしばらくその状態を維持しなさい。」
朝飯前、余裕余裕、最初の10秒20秒こそそう思っていた2人であったが、やがて全力疾走を続けているが如く表情は苦くなっていく。
「しんべヱ君、2分5秒 そうこちゃん、2分38秒 か」
練を維持するのがこんなに大変なこととは知らなかった。動き回ったわけでもなく汗だくになった2人にはそれを言葉にする余力がなく、激しく喘いでいた。
「練を持続させる、それを“堅”と呼びます。ある程度のレベルの念能力者と闘おうと思ったら、必要なことは最低30分は堅が持続することと
凝の原理を使って全身を包むオーラを適材適所に流すこと。攻撃の瞬間にだけ右拳のみ攻防力80、他20にする・・とかね。それを“流”と呼びます。
今日からは純粋な戦闘技術を磨くため、組み手に入ります。」
「押忍!!!」
摂津国の空へと舞い上がった気合いは待ってましたと言わんばかりの歓声にも聞こえた。
・
・
・
・
東の空から暗幕が迫り、見通しの良くなった森の中心地も薄暗くなったころ禅師の手に握るストップウォッチが37分を回っていた。
堅の30分持続、基準速度を超える速さの流、深山行全課程終了所要時間 史上最短の23日。
これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。とはよく言ったもので気心の知れた好敵手の存在の有効性を実証していた。
ゴキ!!
「ぐわっ!」
そうこの右ストレートをしんべヱが頭で迎え討つと、少し聞き心地の悪い音が響いた。
些かの遠慮もなく石灯籠なども粉々にしそうな拳打だったはずだが、学園一の石頭はビクともしなかった。
「いたぁ〜!」
痛がる右拳も自慢の石頭も攻防力は同等の90
まだまだ相手の動きをしかりと先読みする必要性が問われる速度とはいえ攻防力の移動技術を完全に身につけたのが見て取れる。
だが強化系と変化系、20%の肉体強化能力の差にものを言われ そうこの右拳が悲鳴を上げた。
「おりゃあ!!」
「こ・・この!」
ビシィ!!!
「ぶっ!!」
しんべヱが間髪いれずに攻め込むと次の瞬間には何が起きたのか?彼は吹っ飛んでいた。
「はあ・・はあ・・・・・・」
喘ぐそうこにも10M先でのびているしんべヱにも何が起こったのかは分からなかった。
「はい!それまで」
全てを見ていた禅師が終了の合図を出す。
「お疲れ様です。そうこちゃん、手当てするから連れてきて」
「はい」
「しんべヱ・・しんべヱ・・」
ひょこひょこと10M程の距離を歩み寄ったそうこが呼びかけてもうんともすんとも反応はない。
まだ少しプニプニ感の残る餅肌の頬が赤く腫れあがっている。
いったい自分は何をしたのかと少しだけ戸惑う両腕が十八貫を超える小さな体を横抱きにして運んだ。
忍術学園において卒業研究の題材にされている課題
基本的な格闘術1つ1つが必殺技と成りうる強化系を除く5系統の能力者が誰しも通る段階。
すなわち、“発”の開発
まともに闘って強化系能力者に勝つことは難儀と、そんな危機感が一瞬見せた鞭のようなオーラは
伸縮自在、手から離れるリスクも無く、難しい制約も多量のオーラも必要としない
変化系の利点を最大限に生かした実に使い勝手のよい能力であった。
日も沈み、絶で休ませていた体からは球のような汗も引き しんべヱもそうこもすっかり回復したころ
パチパチと聞き心地の良い音をたてる焚火を3人で囲んでいた。
滅茶苦茶になった山林には薪になる木片など辺りに無数に転がっている。
こんがりと程良く焼けた大量の岩魚の九分九厘は禅師を避けて2つの大胃袋に収まることになるのだろう。
山の動物たちに何度も謝りながら、3人は深山行最後の夜をすごしていた。
「えっ、今日で終わりなんですか?深山行」
「ええ、明日 学園に帰ります。」
「期間は2カ月くらいって聞いてたんですけど・・?」
「目安だからね。今年は随分短かいわ。」
「つまり、これからの修練に必要な技術と知識はこれで整った。ってこと?」
「そういうこと」
切り替えが早い。13歳という年相応の慢心も無い。頭の良い娘だ。
自分に教えられることは全て教えたことを悟ると禅師の表情にも安堵が浮かび上がる。
「それならもうしばらく組み手やろうよ放課後使って。調子出てきたとこだし今やめるのもったいないしさ。どう?堅が2時間以上続くようになるまで」
「うん!攻防力の移動ももっともっと早く、0から100でも1000分の1秒以内ででできるようになるまで!」
「じゃあ今出た2つのハードル、どっちが早くクリアするか競争ね。負けた方はなんか罰ゲーム」
「遠州の尊永寺まで行って団子20人前買ってくるってのどう?勝った方が食べるために!もちろん団子が腐らないうちに帰ってくる!」
「面白い、のった!」
「おー!!」
1日2日のうちに己の脚で遠州から戻ってくることになるとんでもない約束にも軽く合意し、勇ましい音ともに決意の証たる拳をかち合わせた。
不敵で腕白で無邪気な笑顔。
向上心ではない。競争心でもない。それは冒険心だった。
おばちゃんはなんとなく得した気分でいた。
<お喋り×直進×ピクニック>
事務のおばちゃんと2人の忍たまの楽しい一夜もやがて過ぎ去り、わずかに燻ぶる焚き跡だけが残されていた。
24日目の朝がやってくる。深山行24日目の朝
おばちゃんの眼前に広がる光景は5日目のときとは随分違っている。
滅茶苦茶に荒らされた森
ボロボロになった2人の衣服
痣だらけになった2人の顔
青の頭巾も桃の頭巾も組み手の過程でとっくに破り飛ばされ、乱れた髪
そしてその頭上1M
直径およそ1M、“石”の定義からとうに外れている。
2人の寝息にもオーラの流れにも違和感は無い。
裕に30貫はありそうなそれを一本腕で釣り上げながら眠っている彼らの腕力と握力こそが最も不自然である。
おばちゃんの手からはやはり四方手裏剣が放たれた。まずは一枚
そうこの握るロープを目掛け一直線に飛ぶ。
かすかな飛行音が一足先に彼女の鼓膜に届くとその瞬間2つの目は見開かれた。
ロープを断ち切る数ミリ手前、右手のチョキが見事にキャッチ
続いてもう一枚
放たれた四方手裏剣がしんべヱの左手に握られるロープを手元から断ち切る。
2つの目はかっ開かれ、右拳に瞬時に硬が完成。
振り上げられたグーが岩を粉砕するまではまさに刹那。
すぐ隣にいたそうこはパラパラと細かな音をたてて降り落ちる岩片を掃っていた。
丸く憎めない顔がおばちゃんの方に向き直り、軽く微笑む。
森に穏やかな光が射しこむころには修練の場からはかなり離れ、人里の気配もだんだんと強くなっていた。
木々の隙間から陽が射しこむ長閑な風景にしめやかなお喋りが咲く。
「へへへ!」
「何よしんべヱ、気色悪い」
「みんなに深山行のこと何からどう話そうかな。って考えちゃってさ」
「バ〜カ。私たちは学園長のお使いで薩摩に行ってることになってるの忘れたの?」
「あ、そういえば深山行のことは誰にも話しちゃいけないって山田先生言ってたっけ。」
「そういうこと。ま、豚骨ラーメンの話題でもしてごまかしときなよ」
「先輩、冗談言ってないで。僕あんまりそういうのごまかすの上手くないんだよ。どうしよう・・」
「じゃ、今のうちに口裏合わせる準備しておく?」
「うん!」
「オッケーそれじゃあまず、“薩摩で何をしてきた?”の回答は・・・」
「着いたわ」
「はい?」
彼らを先導していたおばちゃんがYの字の別れ道で立ち止まる。
「着いた・・って、どっち行くの?」
おばちゃんの人差し指がゆらりと右の道を指した。
「この方向にまっすぐ行けば忍術学園です。先に戻っていてください。」
道はまるで森を切り開いたかのように直線が続いている。
「・・・・・・」
「おばちゃんは?」
「終業報告のため、この先の街に寄らないとならないの。夜には戻ります。では・・」
そう言い残して左の道を行くおばちゃんを見送る2人はわずかの間、我を失っていた。
「変なおばちゃん・・・。まあいいや、行こ 先輩」
「・・・・・・」
だが、あまりに小ざっぱりとした物言いに唖然となっただけのしんべヱとは違い そうこはその物言いに違和感を覚えていた。
「先輩!」
「ああ、ごめん。行こう」
森を切り開いたような道に入ると陽は途端に2人の眼前に現れ、4つの目蓋を強引に閉じさせようとしてくる。
「・・・・・・」
「先輩、何が気になるの?」
「ん、どうして?」
「だってそんな顔してるよ」
ごくわずか上に向いたしんべヱの首。親しくなるきっかけとなったあの大食い競争のときのようにそうこをじっと見つめている。
「まじまじと見つめるな。恥ずいだろ!」
「そう?」
照れるどころか顔色一つ変えない。2年余り多くの行動を共にしてきた相棒のことは生物学的以外で女とは思っていないようだ。
「はぁ〜〜」
能天気さに呆れたのか、女の落胆か、そうこはしぼんだ様に溜息をついた。
「あのね、おばちゃんさっき何て言ったっけ?」
「何てって・・終業報告に街に行くから先に帰ってろ。って」
「その前」
「その前って・・・・この道をまっすぐ行けば忍術学園・・」
「そう!!」
“この道をまっすぐ行けば忍術学園” しぼんでいたそうこがしんべヱを軽く後ずさりさせるほどの反応を示した。
「“この道”・・やっぱさ、あの状況だったらだいたいの人はそう言うよね」
「はぁ?」
「おばちゃんが使った“この方向”って表現がどうも引っかかるのよ
こう言ってるように聞こえない?
“道沿いに進むのではない。常に直進せよ。”
“なにがあっても直線を逸れるな。直進だけで学園に辿り着いてみせろ”」
「それって、おばちゃん・・ううん禅師がまだ何かしようとしているってこと?」
「考えすぎかな?」
「うん、先輩考えすぎ」
単純一途の強化系の顔には恐れも迷いも無かった。面倒なことを考えようとしないのが長所であり短所である。
「いいじゃん別に。何かあるっていうんなら、正面からクリアして通ろうよ。先輩何か来たら逃げるつもりなの?」
それは回答の分かっていた質問だった。強化系のバカ正直な自信はときに威圧的である。
「アホ抜かせ。可能性の提示をしただけよ」
口元で笑っていながら目は笑っていないそうこの顔はどすが利いている。
お喋りの華が枯れて途絶えると、森は耳に優しい静寂に包まれていた。
<霧×籠×実戦テスト>
おばちゃんと別れてからどのくらいの時間が過ぎただろうか?
かれこれ数十時間も森を歩いているような気がするが、それでいてまだ数分しか経っていないようでもある。
いつからこんなに深い霧の中にいたのだろう?
初めからこんな天気だっただろうか?
いや、そんなはずはない。2人でお喋りをしていたとき、空は快晴でピクニックでもしたくなるような小春日和だったではないか。
それにどうしたことか、四方六方八方から暖かく肌で感じていた森の動物たちの気配がまるで感じられない。
辺りは世界が始まったときからずっとそうであったかのような耳に痛い静寂が支配している。
「・・・・・・」
そうこの提示していた可能性が既に90%確信に変わっていた。
「しんべヱ、ちょっとここにいて。いい?一歩も動くんじゃないよ」
そうこはそう言うと霧の中、来た道をまっすぐ戻って行った。
消すことが癖になっているはずの彼女の足音もやけに響いて聞こえる。
しんべヱの正面にだんだんと消えていく足音、左手からだんだんと近づいてくる足音。寸分たがわず同じ拍子
そうこは戻ってきた。どんな手品を使ったのか、しんべヱの左手から
「・・僕、一歩も動いてないよ」
この瞬間、残りの10%も消えた。
「私たち、もう直進しかできないみたいよ」
事務のおばちゃんの念能力について、以前に山本シナから聞いた話をそうこははっきりと思い出した。
[籠の中の忍たま](シノビトレーニング)
発動条件は不明、放出系の念によって広範囲に発生させる霧
纏と練の応用技“円”の効果をもたらす霧の中はまさしく術者の絶対領域。物理や時間さえも意のままであると山本シナは話していた。
本来、外敵への応戦のための能力に生徒の訓練という主な使用用途が置かれたところに能力名の由来が存在する。
「後戻り、右折、左折、回り道・・多分、直進以外の進み方は一切できないよう制約されてるんだと思うよ。この結界の中」
「ふ〜んでもさ、直進さえしてれば何の意味も無いってことだよね?」
「直進さえできればね。けど、わざわざこんな手の込んだことまでしてやりたかったのはおそらく“実戦テスト”・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
殺伐としていた2人の表情が一気に凍りつく。
前方およそ50Mに何かの気配がする。人の気配ではない。動物の気配でもない。いや、そもそもそれは生き物の気配ですらなかった。
「なんか・・気配っていうよりオーラそのものって感じしない?」
「行ってみよう」
・・・40M
何かが道で大きく陣取っている。岩だろうか?
・・・30M
違う、誰かが待ち構えている。かなり大勢だ。
・・・20M!
2人は立ち止った。影の正体は念獣、数えて24体。24体もの念獣を離れた場所からオート操作するパワーも九分九厘、放出系に属するものだろう。
身の丈3M、?猛な全身は銀色の毛に被われ顔は狼のようだ。特徴的な巨大な左手には見たこともない長く鋭い爪がある。
左前足ではない。左手である。念獣は2本脚で立っており、獣人という表現の似つかわしい容姿をしていた。
「襲ってはこない・・みたいだけど・・」
「・・・・・・」
まずは敵の性質を見極める。そうこは右足を一歩前に踏み込んだ。
「ガァーーー!!!!」
念獣の何体かが反応を示した。明らかにそうこに襲い掛かろうとしていたものの、踏み出した右足を元に戻すと再び動きが止まる。
「ふ〜ん、五感は備わってるみたいね。」
「なんで?」
「今私に襲いかかろうとした前の6体、はっきりと私を見ていた。つまり私たちのオーラに反応するわけじゃなくて、ちゃんと五感で外界を認識しているってこと。
まあ当たり前か。オーラに反応するだけだったら、絶を使えば素通りできちゃうもんね。
与えられた命令は“20M以内に入ったターゲットを襲え”ってとこだと思う。」
「何にしてもさ、直進しかできないんだからあいつら全員ブッ飛ばすしかないわけだよね」
「じゃあ能書きはこのくらいにして、いっちょ暴れてみる?」
パキ・・ポキ・・
殺気のこもった目下でそうこが2〜3度指を鳴らした次の瞬間、2人は突風の如く前方へと消えた。
「ガァーーー!!!!」
24体の念獣がけたたましく吠えて一斉に襲いかかる。
桁違いに脚の速い1体がしんべヱに向かってくる。
「(オーラが脚に集中している。移動速度にだけ注意を払って突っ込んできたところをカウンターでブッ飛ばす!)」
右拳打で見事迎撃に成功。身の丈3Mの巨体は勢い良く吹っ飛ぶと水風船が爆ぜるように消滅した。
一方でそうこに襲いかかる念獣には特徴は無いように見える。
「(胴体に攻防力が集中している。狙うなら頭か)」
サッカー大好きな三年は組も真っ青、鋭い飛び蹴りが念獣の首を刎ね飛ばし大ホームランを決めた。やはり水風船のように綺麗さっぱりと消える。
全く同じ姿だが1体1体攻防力バランスの異なる念獣
凝でどこに攻防力が集中しているかを見極め、効果的なポイントおよび攻撃時機を瞬時に考察、流をもってそれを叩く。
実力の差し迫った相手とのギリギリの組み手の成果は凄まじいものがあり、2人の戦闘考察力は極限に高まっていた。
戦闘所要時間約5分、24体いた念獣はそのサイクルでたちまちのうちに打ち倒されていった。
パン!!
「楽勝!」
息の合った手打ちでの余裕の一言も血の滲むような深山行があったればこそである。
「てゆうか、ちょっと物足りなかったくらい。この先にもまだ何かあるのかな?」
「あるよ。少なくともあと一つ、私たちは何かやらされる」
「聞かせてください!」
そうこの意外と宛になる能書きをしんべヱも聞いてみたくなったようだ。
だがニカリと笑うその顔は頼りにしているというよりは“理屈臭い女はモテないぞ”と冷やかしているように見える。
ガツン!
意表を突いたゲンコツがしんべヱの後頭部をかっ飛ばした。
「痛!・・なんで殴るの?」
「いや・・なんとなく」
「闘ってる最中ちょっと試したんだけど、あいつら学園側に逃げた私のことは20M以上離れても追ってきたのよ」
「うん・・つまり・・なに?」
「つまり、あいつらに与えられていた命令は“20M以内に入ったターゲットを襲え。ただし学園側に抜けたターゲットに関しては距離の制限を外す”
だったわけよ。それだと、たとえ回り道で避けたとしても私たちを追ってきたわけで“直進しかできない”の制約がまだ意味を成していない。」
「直進しかできないことがすっごく辛くなる何かがこの先で起こるってこと?」
「多分ね」
・
・
などと言いながら道の彼方を眺めても、真っ白なベールに覆われ何も見えなかった。
食満が主人公
<周×暗闇×到着!>
念獣群と闘った後、そこにたどり着くまではやはり数十時間とも数分ともつかない不思議な時間だった。
霧の外はまだ昼なのか?既に夜なのか?ひょっとしてとっくに幾年も経っているのではないか?
直進しかできないことが大きな負荷となる深山行のおさらい修練、たどり着くまでの間に
幾通りもの推測をしていたそうこも何も考えてはいなかったしんべヱもそんな不思議な感覚に囚われていたが、
今2人の目に映っている光景はそれ以上の魔可不思議
「先輩・・何これ?」
あり得ない光景だった。
「・・・・知らん・・」
眼前に聳えるのは絶壁なのか?岩なのか?てっぺんが見えず、どちらともつかない。
天にも右にも左にも果てなく岩壁が続き、聳えるというよりもそれはまるで天動世界の果てに来ているかのような光景
右にどこまで続いているのかと駆ければ左から戻ってくる。
左にどこまで続いているのかと駆ければ右から戻ってくる。
一応試したところで、真正面に用意されていた道具に手をかけた。
「つまり・・掘って直進しろ。ってわけね」
シャベルが2本とトロッコが2つ
これといって何の特徴も見受けられない。仮に具現化系の能力で具現化したものだとしたら大した使い手である。
カンカン!
「どう、掘れそう?」
「うん、ちょっと硬いけどなんとか」
「じゃあ行くか!」
確かに直進しかできないという制約がここに来て初めて意味を成したけど、意外と余裕っぽい。
そんなことを考えながら、まずは2人でシャベルを手に取り学園に向けて穴を掘り始めた。
ザクザクザクザクザク・・・・
一心不乱に掘り続ける2人の時間感覚は何故か急にハッキリとしてきていた。
さすがに常人離れしたペースで30分後にはおよそ50M、もう真っ暗である。
「しんべヱ、そろそろトロッコ使うよ」
「うん、じゃあ掘る係と運ぶ係を交代でやろう」
怪力小僧が掘り続ける土砂をそうこはせっせと外へと運び出してゆく。
「(使うのは腕だけかと思っていたけど、わりと全身使う。だんだん岩も硬くなってきてるような・・)」
「(押すのに下半身の力使う。腕も力は抜けないし、思ったよりきついかも・・)」
問われるべきは腕力でも考察力でもない。
最初のうちこそ何の修練かと疑問に感じていた課題の真意、その1つ目は“持久力”であった。
「先輩・・ちょっと・・休もうよ」
「そう・・しよう・・」
作業開始3時間、底無しかとも思われた2人のスタミナもついに底を尽き ペタリと闇の中で尻をつく。
「・・どのくらい来た?」
「200Mって・・とこかな」
「・・マジ?・・私昨日の100倍・・疲れてるんだけど・・」
「先輩、腹ごしらえしとこ。・・はい」
パシッ!
しんべヱの懐からごそごそと取り出され闇の中へと放たれた飢渇丸をそうこはうつろな目で受け取った。
やがて一級品のタフさと回復力で息を吹き返す2人。
全身の筋肉が早くも順応し始めたようで3時間のうちにただ下がりになったペースは今度は徐々に上がり始めていた。
<作業開始6時間:距離500M>
「ふう・・なんか、だんだん疲れなくなってきたね」
「・・・・・・」
「先輩?」
「え?・・あ、うん」
2度目の休憩、しんべヱはそうこの様子に違和感を覚え始めた。
1度目の休憩時とは違い疲労困憊というほどでもなくなった自分、先輩だって似たような状態だ。
姉弟同然の仲の先輩、そんなことは闇の中でも一目で分かる。
<作業開始9時間:距離1000M>
「いっちに!さんし!」
3度目の休憩、作業再開に向けて準備運動をするしんべヱの傍らで蹲るそうこが少し震えている。
「さあてと!先輩そろそろ再開しよう」
「・・・・・・」
しんべヱが呼びかけると、ゆらりと立ち上がりシャベルを手に取った。
操り人形のようなその姿を見ると、さすがに頭の切れの悪いしんべヱでも課題の2つ目の真意の察しが付く。
いつまで掘ればよいのかも、どこまで掘ればよいのかも
そもそも、一片の光さえも届かなくなった闇の中で本当に前提条件たる“直進”を守っているのかさえも分からない。
しんべヱはそんな状況下でこんなにも平常心を保っていられる自分に一番の疑問を投げかけていた。
実戦経験の差であろうか?
確かに、教員の介入がわずかながらでもある実戦を実戦の定義から外したならば
そうこの実戦経験はほとんど0に等しいのに対し、しんべヱはあまりにも豊富である。
物騒な話、命の危険に晒されたことも一度や二度ではない。
そんな幾多の経験を思い起こせば嫌でも浮かぶのは2人の親友の顔
「山賊に捕まって殺されそうだったなんてこともあったな・・。紐に操作系の念を込めて・・掴まって脱出したっけ」
瞳の奥で小だるまのような男の子が2人の友達の足を引っ張っていた。どこかで見たことのある小だるまのような男の子
「しんべヱ、何ぶつくさ言ってんのさ?」
瞳孔の開ききった闇に脅える瞳がしんべヱへと向き直る。
「念を・・込めた・・?」
手に持つシャベルと2年間の思い出の中に重要なヒントを見い出すと、小だるまのような男の子の姿はいつのまにやら消えていた。
「ねえ先輩、シャベルで掘るときオーラはどうしてた?」
「はぁ?・・どうもこうも・・別に普通だよ」
深山行で修得した攻防力の移動技術。応用すれば纏の状態で同じことを行うは造作もない。
そうこは纏によって全身に纏ったオーラを両腕のみに集中し、掘る力を高めている。
「ねえ、シャベルを体の一部と考えたらどうかな?」
「シャベルを体の一部と・・・?」
「ほら、こう!」
シャベルは肉体の一部、掌とシャベルは肉と皮で繋ぎ目など無く通じている。
そんなイメージの中、しんべヱのオーラが流れ込むようにシャベルの表面へと伝わった。
「そうか!シャベルにもオーラを纏わせれば、シャベル自体の掘る力が強化されるんだ」
サク!
軽くつつく程度に試しの一掘りをしてみたしんべヱを信じられない感触が駆け抜けた。
「!!・・凄い、なに今の感触」
サクッサクッサクッ・・
「まるでプリンみたい・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
革新的発見に呆然と向き合う2人、いったい何日かかるんだ?と思い始めていた課題が
あと数時間でクリア可能になった現状を飲み込むと不敵に不気味な笑みが浮かぶ。
それまで2時間に一山のペースで出来上がっていた外に盛られる土砂の山は
およそ10分で一山ずつ盛られてゆき、さながらそれは巨人が砂遊びをしたかのような光景であった。
「気が付いたようね。纏の応用技“周”」
誰も聞く者のいない霧の中に唐突に解説が流れる。
「オーラを自分の肉体ではなく外界の物体に纏わせる。それによって強度・能力両面において飛躍的に強化される。
全身の筋力、持久力、精神力、そしてオーラ配分の適確さ この課題によってそれら全てが向上する。」
霧に入り込んだときから終始つけていたのか?
円によって位置を特定できるといっても何故に深い洞窟の中の2人の様子が具体的に分かるのか?
おばちゃんの能力[籠の中の忍たま](シノビトレーニング)にはまだまだ特性に不明慮な点が多い。
「あの様子なら学園到着まであと6時間ってところか・・」
解説者はそう言い残すとふっと霧の中へと消えていった。
・
・
・
・
・
<作業開始14時間35分:距離15736M>
時刻、子の下刻
真円の月の輪の下に眠る忍術学園
その裏山にガラガラと岩の崩れる音が小さくこだました。
「よっしゃ開通ー!!信じらんねえ。本当に直進で帰って来ちゃったよ僕たち ねえ先輩」
「・・・・・・」
「先輩?」
夢みたいな上達ぶりに浮かれまくるしんべヱだったが、
精神力まで底無しの彼とは違うそうこはそんな気にはなれなかった。
「はは・・・学園だ・・・動物だ・・・空だ!月だ!」
ヘナヘナとへたり込むその表情はまるで無間地獄から帰ってきたかのように驚くほど安堵に満ちていた。
ダン!ダン!ダン!
「嬉しぃぃ!」
なにがどうであれ二万由旬の闇の中から出てこられたことが嬉しく、華奢な腕に似合わぬ馬鹿力で大地を叩いた。
「先輩、早く行かなきゃ。おばちゃんも先生達も待ってるよきっと」
「・・わかってる」
春でなくとも値千金と言って違和感の無い月夜をやがてシャベルを肩にのんびりと歩きだす。
「しんべヱ、その“先輩”っていうのいいかげんやめろって。“そうこ”でいいよ。」
「やだよ!恋人じゃあるまいし」
「はは!なりたくないか!」
「うん、なりたくない!」
「私も!」
「でしょ!というわけだからこれからもよろしくね。せ〜んぱい」
傍から見れば、それは茶化し合っているように見えただろう。
少し照れ臭い2人のマジ会話も夜風に煽られ、だんだんと遠ざかっていった。
長編乙です。堪能しました。こんな忍たまもありだよね。
きり丸「滝夜叉丸先輩、一つ言っておきます」
滝夜叉丸「な…なんだ?」
きり「私服が悪趣味ーセンス最低ー」
滝「…きり丸…もう許さん私は悪趣味と言われるのが…死ぬほど嫌いなのだ!!!」
ゴゴ…
乱太郎「あーこんなアホドケチと組むんじゃなかったー!!!」
きり「注意してやったつもりなのに…」
綾部に言ったら黒歴史に…
こいつはさすがにハンターを知らない人には読みにくいと思われ
>>675はハンターじゃなく封神。
乱太郎「マージーカールバナナ〜 炎といったら『明るい』! ハイ!」
兵太夫「『明るい』といったら『光』」
土井「『光』といったら『もう二度と私達には手に入らない』…」
きり「『もう二度と手に入らない』と言ったら『あの日の家族』…」
乱「…か…『家族』といったら『団らん』!!」
兵「『団らん』と言っても『しょせん死ぬ時は一人』」
土「『死ぬ』と言ったら『さようなら』…」
き「『さようなら』と言ったら『あの日一言も言えなかった』……(ぐすっ)」
乱「もういいわァァァ!!!」
笑えない…
769 :
766:2009/12/21(月) 17:06:36 ID:zA7+eXyK
読んでいただきありがとうございます。
念=オーラを自在に操ることによって発揮する技術の総称
<基本四大行>
纏:通常 体から垂れ流しになっているオーラを体の周りに留め、纏っているような状態にすること
練:全身の精孔を開き、最大限にオーラを噴出させること
絶:全身の精孔を閉じ、体からオーラが出ない状態にすること
発:オーラを駆使して繰り出される「技」と呼べるもののこと。性質上6つのタイプに大別される。
<応用技>
凝=目にオーラを集中させ、不可視になっている敵のオーラなどを見ることができる
円=オーラを体の周りに球状に広げ、その中に入ったものを把握することができる
<発のタイプ>
強化系=肉体や物などの強度や運動などを高める能力
変化系=オーラを様々な材質状に変化させる能力
具現化系=オーラを完全固成化し、外界の物体と相違ない状態にする能力
放出系=オーラを自分の体から離した状態で維持する能力
操作系=外界の物体や生き物にオーラを与えて操る能力
特質系=他5タイプのいずれにも該当しない特殊な能力
・六角形を描いて12時の位置に強化系、2時の位置に変化系、4時の位置に具現化系
10時の位置に放出系、8時の位置に操作系、6時の位置に特質系が書かれる6タイプの相性を示す六相図がある。
誰でも生まれもった系統があり、自分の生まれもった系統の能力は修練しだいで100%修得が可能だが
一つ離れた系統は修得率の上限が80%、二つ離れると60%、対極の位置にある能力は40%となる。
基本構造はズバリ“「ハンター×ハンター」グリードアイランド編のネタの折り詰め”なわけですが
上記だけ知っていれば読むに問題はないかと思います。
あまり予備知識の説明ばかりすると絶対スレチ路線に入るので
これでも足りない方はこちらを
ttp://www.geocities.jp/little_gate/index.htm
しんべヱって昔から私の中ではちょっとした謎キャラです。
こんなにちまい体が十八貫(67.5kg)って
ひょっとして彼の体ってほとんど筋肉なんじゃないのか?
しんべヱってひょっとして大鳥になる前の醜いアヒルの子なのではないか?
そんな永久に答えなど出ない疑問に昔から悩まされています。w
>>744-763は大鳥になった後のしんべヱというものを空想して書いたものでもあります。
773 :
名無しさんといっしょ:2009/12/30(水) 00:09:21 ID:N0TJpcDt
774 :
名無しさんといっしょ:2009/12/30(水) 14:39:53 ID:gHT6Q7V8
なんかハンターネタばっか・・・
老け顔の潮江&中在家に対して、やたら童顔な平均年齢35.8歳の六年四人。
安藤先生と親父ギャグで盛り上がってる。そしてなんか臭い。
くの一教室になかなかスポットが当たらないのは
色仕掛け等のとても子供には見せられないようなエロティックな授業を行っているからだ。
>>777 ユキ「習ってるわけないでしょそんなもの!!」
トモミ「いるのよね〜。こういう人」
シゲ「そもそも、女の忍者って実在したんでしゅか?」
18期はきり丸の過去の壮絶な回想シーンから始まる
くノ一教室はどんな授業を行っているのか?
エロ漫画を鵜呑みにして妄想してニヤケ面になり
くのたま達に張り倒される乱太郎・きり丸
用具委員長とともに午後3時から山に修行に行く約束をする会計委員長
↓
三木ヱ門「委員長、3時から会議ですからね。忘れてたんじゃないでしょうね?」
↓
「どうしよう!!こんなとき自分が2人いれば!」と真剣に悩む会計委員長
↓
新発明「コピーくん」を持って忍術学園にやってくる多田堂禅
それを使わせてもらう会計委員長
↓
文次郎A「じゃあ、お前は会議に出席してくれ!」
文次郎B「へ?」
文次郎A「わからんのか!?私の代わりに会議に出てくれと言っておるのだ!」
文次郎B「何を言う!私は修行に行く!会議に出るのはお前だー!!」
文次郎A「やかましい!!留三郎が待っているのだ!私は行く」
文次郎B「待てー!この忍者馬鹿ーー!!」
文次郎A「だまれー!短足ブス男ーー!!」
文次郎B「文次郎のアホーー!!」
文次郎A「ボケェーー!!」
文次郎B「待てーー!!」
と、自分同士で争う会計委員長
↓
多田堂禅「・・・・ほ・・ほんまもんや。・・・ほんまもんのアホや。」
前ここに冗談で
「エンディングのイラスト紹介が上級生ばっかり」
みたいのを書いた者だけど
この前善法寺伊作のイラストが出てたわ
現実になるかもしれない
じゃあ、おりん婆さんや牧之助オンリーも現実に・・・ないか。
>>325 主題歌のタイトルが『こいつら勇気100%伝説』になってる。
因みに長次は「中在家長次」としか話せないからくり人形
普通のテスト。
い組→全員百点。は組→全員合わせて百点。
保健体育のテスト。
い組→全員合わせて百点。は組→全員合わせて千百点。
色んな意味で担任涙目。
「みるみる」と唱えるたび物が透けて見える乱太郎の眼鏡
3回言ってしまい、くのたま達の全裸を見て鼻血を噴き出してぶっ倒れる乱太郎
>>671 最近のとあるスレでの踊りっぷりを見たらもう笑えない・・・
ヘムヘムが猫に恋をする。
学園内及び学園周辺の地面がアスファルト。
綾部涙目。
少子化でドクタケと統合
八方斎の顎が割れてない。
790 :
名無しさんといっしょ:2010/02/21(日) 13:55:58 ID:Z7wUbDlG
忍たまの生徒に<丶`∀´>がいる。
うろ覚えである。
教師「立花、善法寺生物室に行ってプリントを取って来てくれ」
仙蔵「はい」
生物室にて
仙蔵「うわ気持ち悪いなーホルマリン漬けだー」
伊作「早く済ませようね」
仙蔵「あ、伊作も苦手か?気持ち悪いよな」
伊作「・・・これ以上見てると欲しくなっちゃうからね」
仙蔵「えっ・・・盗むなよ・・・?」
4年になって自分の火縄銃に名前をつける虎若
4年生の長距離マラソン
タカ丸「はあ!はあ!」
三木ヱ門「くくく」
滝夜叉丸「へい十五歳!」
喜八郎「だらしねーぜ、髪結い!」
三木ヱ門「まだ走り始めて6時間程度だぜ?」
滝夜叉丸「こんなところでへばる奴初めて見るぜ。ウププww」
喜八郎「恥ずかしい野郎だ」
滝夜叉丸「表彰モンの能無しだぜ。テメエはよ」
三木ヱ門「忍術学園始まって以来の落ちこぼれだよお前」
喜八郎「才能無えんだよバーーカ!」
滝夜叉丸「二度と来んなクズ野郎」
タカ丸脱落