NHK職員が不祥事 番組制作費を着服

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59名無しさんといっしょ
○「不正を見つけたとき、本当にビックリした」「同じ局員として、当然あってはならないと思ったし信じたい。
しかし実際にそういう事実はあった」。
 重い口を開き、今回証言したのはNHKエンタープライズプロデューサー、飯塚英寿氏。
そして、巨額の不正横領事件を起こしたのが、彼が担当したBS2の音楽番組「ジュニアのど自慢」の
前任チーフプロデューサー(以下CP)、磯野克巳。

○同番組には赤字が多く、後任を命じられた飯塚氏が無駄な経費がないかチェックしたところ、
実際に働いていない放送作家3人に多額の報酬が長年に渡って支払われていたことが発覚した。
実際に会議に出席し、台本を書いていたのは矢頭浩氏だけだった。

○勤務実態のない放送作家とされる久保田芳文には、放送1回につき42万9100円。同じく上原久幸には39万6000円の
支払いがあった。これだけで毎週82万5100円である。それが、磯野の在任期間である99年4月から01年6月まで続き、
総額約8千万円もの不正な振込が行われていた。

○取材に対して久保田は詳細をノーコメント。上原は取材拒否を続けた。一方、正規の放送作家であった矢頭氏は
「台本を書いていたのは私一人だった。他の人は知らない」と証言している。  (続く)                
60名無しさんといっしょ:04/07/21 23:24 ID:???
(続き)

○疑惑はまだある。2000年の「紅白歌合戦」でプロデューサーだった磯野は、演奏した「三原綱木とザ・
ニューブリード」のギャラ250万円を二重払いし、後で所属事務所のタバタ音楽事務所に「間違って経理が
振り込んでしまったから現金で私に直接渡して下さい」と言った。NHKの経理は必ず振込で処理する。
 不審に思った田端社長が、旧知の天海(あまがい)修一歌謡・演芸番組部長に連絡したところ、驚いた天海部長は
「その250万円は、田端さんがとりあえず磯野に渡して、個人的に磯野に貸してやったということにしてくれないか」と頼んだという。
二重払いの事実は当時の事務局デスクも認めている。田端社長は「覚えていない」と回答。

○磯野克巳は、海老沢勝二NHK会長と同郷の茨城県出身。局内で「コネ採用」と言われる長期臨時要員採用枠で、
昭和55年に入局した。「紅白歌合戦」「加山雄三ショー」「ポップジャム」「青春のポップス」などを担当。
芸能畑一筋の花形プロデューサーで「オレが呼べないタレントはいない」と日頃から豪語していたという。
 時計が趣味で、カルティエの腕時計をはじめ高級時計を多数所持。行きつけのワインバーでは1本5万円や10万円も
するビンテージワインをポンポン開け、いつも自腹だった。
 自宅は都内の閑静な住宅地に約40坪の一戸建て。地元不動産業者によれば8000万円程度の物件。
乗用車は高級外車を乗り継ぎ、スポーツタイプのBMWがお気に入りだったという。今は白いチェロキーに乗っている。                                        
                                                (続く)
61名無しさんといっしょ:04/07/21 23:26 ID:???
(続き)

○何故、今まで表沙汰にならなかったのか。
3年前、飯塚CPは直ちに直属の上司である柳昌之CPに報告したという。制作に携わったことのある幹部なら資料を見て
すぐに不正と分かる、稚拙で大胆な手口だったとのこと。
 当時、磯野は大阪に転勤していたが、慌てて磯野が制作していたBS2の「大阪発 元気ダッシュ!DOYAH」という番組
も調べたところ、そこでも不正経理が発覚。柳と天海が磯野を事情聴取するために大阪に出張し、そこで磯野は
はじめて自分の罪を認めた。

○当初、磯野は3人の勤務実態がないとされる放送作家について「地方のイベントで子供を集めるためのリサーチャー
だった」との説明を繰り返したが、天海に「お前をクビにするために来たんじゃない」「本当の事を教えろ。悪い
ようにはしないから」と説得され、「下請け業者を抱き込んで、振込額をキックバックさせていた」と認めた。

○ところが、天海はこの事件の隠蔽を図ったのだという。
磯野の横領を告発した飯塚氏は、天海から「このことがバレると歌謡・演芸番組部自体が潰される。紅白の存続も
危うくなる。私が人事できちんとケリをつけるからこのことは忘れろ」と説得された。
 飯塚氏はそのうち磯野がクビにでもなるのかと思っていたら、お咎め無し。逆に飯塚氏への風当たりが強くなった。
今年6月の幹部定期人事では、天海は番組制作局芸能番組センター長に抜擢され、柳は天海の後釜として歌謡・演芸
番組部長に昇格。一方、飯塚氏は今年2月に関連団体のNHKエンタープライズ21に出向となった。
                                          (続く)
62名無しさんといっしょ:04/07/21 23:29 ID:???
(続き)

○磯野は今年6月、大阪放送局から本局のラジオセンターに戻ってきた。磯野は戻ってきたとき、偉そうに「なんで
オレがよりによって地味なラジオなんだよ」と不満を漏らしていた。

○飯塚氏は横領事件発覚当時を振り返る。
「上司には不正発覚を報告しましたが、私は業務として調査したつもりです。ただ、その後は私の責任ではないと、
いわば責任逃れをしたわけですから、皆さんになんで黙っていたのかと責められても仕方がない。
しかし、これが発覚すると、NHK本体が少なからず影響を受けるわけですから、そうする他なかった」
 飯塚氏はこう言って、深くため息をついた。
「それにしてもなぜ局内で、不正を働いた張本人が追及されないのか、全く理解が出来ません。私が不正を見つけた
ことは間違っているとは思いませんが、今置かれている状況では、なぜだか私が悪いことをしているような気分に
なってしまう。今後私がNHKから責められるに違いない」

○磯野に真相を質すべく自宅を訪ねたが、妻が「主人はずっと帰っておりません」と言うばかり。
天海の自宅も、家人が「ずっと仕事で出ております」。携帯に電話しても応答はなかった。
 そこで最高責任者の海老沢会長を直撃した。
                                        (続く)
63名無しさんといっしょ:04/07/21 23:31 ID:???
(続き)

○-----NHK職員の不祥事を取材している。磯野克巳という人物をご存じですか?
「聞いていない。私はずっと京都に出張してたから」
-----勤務実態のない人間に高額のギャラを振り込んでいた疑いがあります。
「聞いてないので答えようがありません。広報で聞いてくれますか」

 NHK経営広報部の上滝賢二部長からは以下の回答があった。
「現在調査中ですが、不正の疑いがあることは認めます。説明のつかないお金の処理があった。しかし不正に
振り込んだ金額と人数についてはこちらの調査とは違う。本人の供述が揺れているので慎重に調査を進めている。
 紅白の支払い実態についても引き続き調査中である。天海、柳が3年前にそれらの事実を知りながら
報告しなかったという件については、現在調査中である」

 NHKは取材直後、会見を開き、磯野を警察に告訴すると発表した。

○元最高検検事の土本武司氏の解説
「振込を受けた側に仕事の実態がないというのが事実であれば、それは詐欺の共同正犯である。罪の軽重は別として
法律上は振込を受けた者が詐欺の主犯となり、プロデューサーは共同正犯になる。その手段として文書偽造罪と
その行使罪が認められ、刑は3ヶ月以上10年以下の懲役刑となる」

 NHKがすべての疑惑について明らかにするまでは、受信料を払っている多くの国民は到底納得できまい。(以上)