NHKスペシャル「奇跡の詩人」patr35

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 専門家は番組をどう見たか。米国のドーマン博士の研究所に通って研究したこともある、埼玉大教育学部の
西村章次教授(障害児心理学専攻)は、「重い障害の子供が、根気強い訪問教育の結果、文字盤を使って思い
を伝えるようになった例がある。番組の中のコミュニケーション場面については疑問視する専門家も多い。し
かし、子供の微妙な動きは、人との交流の中で表現されていくものであり、検証は難しい。意に反する検証テ
ストは、子供の人格を傷つけるおそれがある」と語る。
 さらに、「ドーマン法は、膨大な時間とお金がかかるうえ、誰にでも効果があるわけではない。番組を見た
人がドーマン法を過大に評価しかねないのは問題。流奈君が今後親から自律(原文ママ)し、青年としてどう
仲間とかかわるか。社会の支援の中で障害児が隠された力をどれだけ発揮していけるか。メディアにはその観
点を貫いてほしい」と語る。