NHKスペシャル「奇跡の詩人」part30

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399すいません、もう一回
有田 芳生さん、HPより  
    http://www.web-arita.com/sui125.html

5月12日(月)「ザ・ワイド」が終わり、いつものように泳いでから寄り道せずに帰宅。
メニューインの演奏でパガニーニを聴きながらテレサ・テン執筆再開の準備作業。

NHKが放映した「奇跡の詩人」の評価でさまざまな意見が出ている。
私としては週刊文春の批判報道に違和感を持たず、滝本太郎弁護士の見解http://www2.diary.ne.jp/user/140664/に同感だ
私が付け加えておきたいのはNHKと講談社に対しての「またか」という思いだ。あれは93年のこと。
教育テレビスペシャルで「人間はなぜ治るのか」を放映し、そこでガン克服に大きな成果をあげているとする東京のK病院を紹介した。
そこで証言をしたのが長友明美さん。講談社から『神様!産ませて!』という体験記を出していた統一教会員だ。
このK病院とは京北病院で、院長が小林常雄氏。別名を天林常雄といって、文鮮明教祖から「天林」という名前をもらっていた。
この番組を見た人たちからは病院を紹介して欲しいという問い合わせが殺到した。ガン患者、あるいはその家族の当然の思いである。
しかし、この病院の実体が生命を「商品」とする「究極の霊感商法」だったことはのちに明らかとなる。

NHKの担当者は番組放映前に私のところに相談に来ていた。もちろん私は社会問題になりますよ、と断言しておいたのだが、
予定通り放映された。NHKは抗議電話への対応要員まで準備していた。ガン治療の水準からいえば、
京北病院の治療には異論が多かったにも関わらず、その検証を経ない番組作りだった。
どうして強引にことを進めたのか。それは担当者が京北病院の治療を信じていたからだ。

こんどの「奇跡の詩人」にも同じ問題を感じている。
「和尚」やラジニーシとの関係については、いずれ詳細が明らかになることだろう。放映日の接近という事実を見ても、
NHKと講談社のタイアップがあったことは否定できない。
ましてや批判意見が吹きだしたところで講談社の週刊現代がそれを否定するとは、あまりにも単純な構図だ。

たしかに現代科学では解けない現象があることを私は否定しない。ただし、と私は思う。
それは「いまの」科学では解けないのかもしれないという留保を付けたうえでのことだ。
この問題(本当に映像の現象が起きていたのかという疑問)は解決がつかないだろう。
しかし、放映によって惑わされる多くの人たち、とくに重度障害児を持ったご家族などが振り回される結果を生じていることが問題である。
この日木流奈ファミリーの背後でうごめいている「資本の論理」「視聴率の論理」「宗教の論理」という「我欲」の三位一体は、
自己弁護をすればするほど素顔をさらすことになるだろう。