なあ、みんな聞いてくれよ。
話の流れを切るようだけどさ。
俺が小学校のときに、変わったやつがいて、
今考えれば、あれ、サバン症候群だったんだろうなってやつがいたの。
んで、そいつ凄いんだよ。
頭ン中に地図を完璧にコピーしてんの。世界地図も日本地図も。
で、この町は、とか、この都市は?
とか聞くと、緯度と経度をぴったり言い当てるんだよ。(まあ、多少の誤差はあったけど)
で、かなーりマイナーな都市で、聞いたこともないような地名でも、完璧に答えられる。
もちろん、地図に乗っていれば。
それだけじゃなくてさ、カレンダーも完璧に覚えてんのよ。
かなり将来の年月日を聞いても、正確に曜日を答える。
最初は、計算してんじゃねえの?って思ってたけどさ、うるう年とか入ってくると、
計算めんどくさくなって、小学生には特に。
しかも、そいつ算数の能力がゼロなんだよ。
で、何が言いたいのかっていうと、
ルナくんが2000冊を「まるで頭にコピーするかのように(NHKの放送より)」読んでいる
って言ってたのは、たぶん、
ああいうサバン症候群の特異な能力として、一応は世に認められてるものを持ちだして、
視聴者を信用させようって魂胆みえみえなんだよってこと。
ていうか、確かにサバン症だったら、それはありうる。
でもさ、ここで、ひとつ落とし穴があんだよね。
(また、小学校で一緒だったやつの話にもどるけど・・・)
そいつ、論理的思考がまったくできないのよ。
だから、そいつと喋ってるときは、まるで3才の男の子と喋ってるような感覚。
もちろん、読んだ本の内容なんてまったく理解することができない。
自分で、文章をつむぎだすどころか、たぶん、コピーした文章をアレンジして、
別の文章にすることさえ、できやしないんだ。
(まあ、手を動かしてる人が文章作ってたら、別だけどね)
サバン症候群ってそういう、症状なのよ。
当時、あいつには、同情してたけどさ。同情すべきはあいつの両親だったんだな、たぶん。
あいつはあいつなりに、ある意味、幸福なのかもしれん。
あいつ、小さいころ、高熱を出して、脳に障害が残ってそうなっちゃったらしい。
でも、当然なんだけど、ピュアでいいやつだったよ。
長くなってスマソ。
ただ、あいつの親はあいつを見世物にしたりしなくて、えらかったなあ、
と思っただけで・・・(ていうか、それが普通だよなあ、子供のこと愛してたら)