「奇跡の詩人」データ&意見の整理・収集スレッド

このエントリーをはてなブックマークに追加
459名無しさんといっしょ
246 :放送時評@京都新聞5月21日 :02/05/22 01:13 ID:???

タイトル「情緒に走り科学性欠く危ういNHKの制作手法」

四月二十八日深夜、旧知のNHK職員からメールが入った。
今晩のスペシャル「奇跡の詩人・十一歳、脳障害児のメッセージ」が
局内で議論になっており、コメントがほしいという。
録画ビデオをゼミ生に借りて視聴したがかつてのやらせ番組

『ムスタン王国』とおなじ手法が目についた。
腸が飛び出た状態で生まれ、手術の酸欠で脳に障害を持ち、
歩くことはおろか、立ち、話すことさえできないR君が今では
母親の介添えによる文字盤の指さしで、「今、私が肉体の混沌から
抜け出せたのは言葉を伝えるすべを得たからです」などと
<書ける>ようになり、『あなたの幸せがみんなを幸せにする』
など、十冊の著書をものした。それらの本に多くの大人が癒され、
障害児をもつ親たちが勇気づけられている。
「見返りは本人の成長だけ。助けて」などと記した
リハビリボランティア募集のチラシで善意の百人が集まり協力している。

三歳頃から身体的機能だけではなく知的な訓練のために
「薔薇」(ばら)「髑髏」(どくろ)などをふくむ漢字や
古今東西の名画などを両親は二万枚のカードにして教え、
大学レベルの有機化学から京都の歴史などまで二千冊にのぼる本を
<読破>させた。
460名無しさんといっしょ:02/05/22 01:51 ID:???
257 :放送時評@京都新聞5月21日 :02/05/22 01:26 ID:???

体力的に一日一、二時間ほどしか耐えられないR君に
それほどの学習がほんとうにできたのか、お母さんが
宗教的憑依のように自らも気づくことなく代わりに手を
動かしているのではないか、本の発売にあわせて特番をながす
NHKとは…などとの批判があるが、番組が描いたとおりのことが
実際にR君に起きたとすれば、ボランティアによる献身と愛の
結果として頭がさがる。

が、テレビのおそろしいところは視聴者が場面を信じ込み、
大食い競争番組の死亡事件誘発とおなじく、模倣が起きることだ。
とりわけ、障害児・者をもつ親たちは日々何とかできたらと
願い生きている。だがこの番組では知的訓練法として採用された
ドーマン法をふくめ、科学的に納得できる説明がなく、脳障害児が
天才少年になったという報告だけだから、あまりに情緒的かつ
拙劣なつくりなのだ。
461名無しさんといっしょ:02/05/22 01:53 ID:???
273 :放送時評@京都新聞5月21日 :02/05/22 01:34 ID:???

そのため視聴者から賞賛の声に勝る批判が殺到する
ことになり、弁解番組を放映したわけだが、
そうしたやり方もオカルト的内容も、放送法や
当のNHKの番組基準は禁じている。

メガネを常用するひとは目に障害があると考えれば、
人間には誰しもなにがしかの障害があり、社会生活とは障害者同士の
助け合いだということになる。
今度の番組にはかつての毎日テレビドラマ『聖者の行進』が
障害者への虐待シーンを売り物にしたとは違う方向性がある。
しかしNHK労組の内部資料には視聴率のとれるセンセーショナルな
番組づくりの奨励が「やらせ」の背景だとある。
メディア規制三法批判には及び腰であるのに、こんな番組を
たれながすNHKの<犯罪性>は深刻だ。

なおこの番組を批判する週刊誌などにR君の書物に
特定宗教の用語法があるとか、母親の服装がそうであるか
などとあるが、思想・信条の自由の侵害であり認められない。

(同志社大教授・渡辺武達)