http://www.zakzak.co.jp/top/t-2002_05/3t2002051104.html NHK「奇跡の詩人」、疑惑を完全否定
「土曜スタジオパーク」で釈明
先月28日の放送直後から大きな議論を呼んでいる「NHKスペシャル
奇跡の詩人」について、NHKは11日午後1時50分からの「土曜スタジオ
パーク」内のコーナーで番組担当者が取材経緯などを説明。視聴者から噴出
した“疑惑”を完全否定した。
「奇跡の詩人」は、脳障害のため、全身が不自由で言葉を話せない日木流奈
(ひき・るな)君(12)が、母親の“手助け”で綴った詩集やエッセー=
写真=が人々を感動させているというドキュメント番組。流奈君を抱いた母親の
千史さん(38)が、左手に50音や「はい」「いいえ」など簡単な言葉の
書かれた文字盤を持ち、右手で息子の右手の甲を包む。重なり合った母子の右手が、
めまぐるしく文字盤上を動き、母の口から子供が指差したとする言葉が溢れ出る
というもの。
28日の放送では、『手足のコントロールが難しい流奈君の手首の微妙な動きを
母親が感じて』補助することで、文字盤を通じた意思疎通が可能となったと説明。
しかし、視聴者から「感動した」という賛同の声とともに、「信じられない」
「インチキではないか」などという批判や疑問の声が殺到した。
こうした批判を受け、この日の「土曜スタジオパーク」では、実際に取材に
あたった山元修治チーフプロデューサーが出演し、取材の経緯を説明。流奈君が
文字盤を指し示す場面をスローモーションで再現し、母親に支えられた流奈君の
指が間違いなく文字を指していることを強調した。
「母親が手を動かしているのではないか」との疑惑については、「取材の過程で、
母親がいない時の会話や状況などを、母親に文字盤を通し正確に伝える様子を確認
している」として否定。あわせて、取材初期のVTRで母親が流奈君の指の動きを
完全に読み切れていないことも説明した。
また、流奈君が大学レベルの本を2000冊以上読んでいるということについても、
「実際に本や原稿を読んで内容を理解していることを確認している」と説明。しかし、
第三者による科学的な検証などは一切なく、釈明は約10分で終わった。
同局ではすでに、番組のホームページで「説明が十分でなかった」という
趣旨の釈明文を掲載。しかし、専門家を交え真偽を検証することについては「流奈君に
物理的な苦痛を強いることになり、適当ではない」としている。
ZAKZAK 2002/05/11