花田雅憲,"精神遅滞の理解とアプローチ",
精神科MOOK,No.25,1990,p22-27
です。
この中でドーマンの考え方を紹介した部分を引用します。
---以下引用---
IV. Doman方式について
Doman,G.2)は、発達過程を頭において動的に異状と取り組み、異常を
異常でない方向へ買えることを目的として働きかけることを考えた。
すなわち、Domanの基本的な考え方は次のような点である。
1. 中枢神経の成熟につれて神経機能も低級なものから高級なもの
へと変化していく。すなわち、発達とは機能レベルを問題にし
ているといえる。
2. 中枢神経系は解放系を形成しているので、脳の成熟には環境的
要因をその子にとって理想的に整えることが必要である。
この二つの基本的考え方を元にしてDomanは、子供が運動や言語を覚
えるのはどのようにして覚えるか、といった問題を考えた。例えば歩
行については次の4段階を想定した。
第1段階 移動なき運動(延髄)
第2段階 腹ばい(橋)
第3段階 四つばい(中脳)
第4段階 歩行(大脳皮質)
歩行についてはこの4津の段階を考え、一つの段階が終了しないと次
の段階に進めないというのが彼の考えである。最終段階の大脳皮質に
は次の5つの段階があると彼は記している。
a. 直立する能力
b. 親指と人差し指の協応の能力
c. 言葉によってコミュニケーションする能力
d. 耳から聞いた言葉を理解する能力
e. 言語を理解する能力
Domanは発達障害のある子供を詳しく調べ、すでに有している機能
からその子の発達段階を想定し、すでに発達している段階のその次の
発達していない段階からコンピュータを駆使して種々のプログラムを
組んでその子に働きかけるというやり方を行った。
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2) Doman G: In; How to teach your baby to read. Random House,1964
---引用以上---