NHK特集「奇跡の詩人」3

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322名無しさんといっしょ
『奇跡の詩人』 検証コーナー(土曜スタジオパーク)

アナ: NHKスペシャル『奇跡の詩人』です。
    放送終了後、全国の皆さんから
    「感動した」というお手紙や電話をたくさん頂戴いたしました。
一方で、「信じられない」という声もたくさん頂戴いたしました。
まずは、番組のごく一部をご覧頂きましょう。


・VTR
ナレ: 流奈君は、誰もが幸せになれるというということを伝えたいと……

アナ: 「日木流奈」君、脳に障害がありながらこれまでにたくさんの詩を綴ってきました。
番組では、流奈君とその家族の日々を紹介しました。

・スタジオ

番組の制作を担当いたしました山元チーフプロデューサーです。
山元さん、「信じされない」という方の中にはですね、
どんな具体的な質問が多かったのでしょう?
山元: はい、えー、2点あったんですけれども
アナ: はい
山元: 「あんなに速い動きでほんとに文字を指しているんですか」というものと
「書いているのはほんとに流奈君なんですか」というのがありました。
アナ: はい
山元: その2点については私達が最初に確認すべき点でしたので、どのように確認したのか
ということをご紹介していきたいと思います。

・VTR
千史: 「たりき……………ほんがん?」
山元: お母さんは、『他力本願』と読み上げているんですが、速いため
確かに分かりにくいと思います。そのシーンをもう一度スローモーションでご覧下さい。
流奈君が指す指は中指ですので、ご注目ください。
いま、『た』を指しています。……『り』……『き』の辺りです。
中指は文字を指していることが分かります。
次です。『ほ』……ちょっと分かりません、『か』の辺りです。
ちょっと分かりにくかったかもしれませんけど
流奈君とお母さんの間には約束事がありまして、文字盤の左端に『うん』というのがあるんですが
そこは非常に指しにくいんですね。そこを指す場合には、
大体左端の方を指すというふうなことになっているんだそうです。
それともう一つは濁点、えー濁点は省略して指すことになっていまして
例えば、『他力本願』という言葉は『たりきほんかん』というふうな指す順になっているんだそうです。
アナ: では、その辺りもう一度見せてもらえますか。
山元: はい、ではご覧下さい

・VTR
山元: 『た』…『り』『き』…『ほ』…『ん』…『か』『ん』

アナ: えー、もう一つの質問がですね、「流奈君が本当に書いているんですか」というご質問があったんですけど
これはどう確認したんでしょう。
山元: はい、えー流奈君が文字盤を使い始めてまだ間もない頃のビデオなんですけどね、その時の映像をご覧下さい
323名無しさんといっしょ:02/05/11 15:23 ID:???
・VTR

山元: お母さんは手を支えているだけ、流奈君は自分の意思で文字を指しているというのが
お分かりいただけるのではないかと思います。

ママ: 『彼』は『私』に……『彼は私に』、い、い、ま、いいま……『いいま』まで良い?
山元: お母さんの問いかけに、いま『はい』と指しました。
ママ: 『いいま』、『し』……『た』…『。』

・スタジオ
アナ: 現在はあのゆっくりなんですけど、指し示しているようですね。
山元: はい、あの、流奈君は一人でも指すことが出来まして。今でもこういうふうに指すことは出来るんです
ただし、戻すことは出来ないんです。そこをお母さんはこういうふうにもどしてあげてるというふうにしているんですね。
こういった訓練を6年間、毎日のように続けてきて
アナ: はい
山元: この手の微妙な動きを分かるようになって今のような方法を身につけてきたということなんです
アナ: その流奈君の手の動きをですね読み取れないということは無いんでしょうか。
山元: えーそのような場面をわれわれはしばしば目にしておりました。どうぞご覧下さい。

・VTR
ママ: 『世間一般、とか』………『常識』かな?
常識に『とらわれ』……かな? とらわれずに」

山元: 『常識』と指す場面をもう一度ご覧下さい。
流奈君は、『し』『よ』『う』『し』『き』と指しました。
お母さんはここで流奈君に聞きます。文字盤には流奈君に確認するために『はい』と『いいえ』があります。
流奈君は『はい』の方を選んでいるようですね。次に流奈君は
『と』『ら』『は』『れ』『つ』と指しますが、お母さんには最後の『つ』なのか『づ』なのか分かりません。
すると流奈君が『に』と指しました。お母さんはここでようやく
流奈君が指した『つ』は『とらわれづに』の『づ』だと気付いたのです。
324名無しさんといっしょ:02/05/11 15:23 ID:???
・スタジオ
最初見たときには動きが速いため、とてもこんなやりとりをしているっていうのは気が付かなかったんですよね。
しかしこうした会話は日常的に行われているところを私達は見ています。
アナ: こんな言い方をしてはなんなんですけども、お母さん自身がですね
自分で指して、自分で読み上げているということは考えられないのでしょうか
山元: はい、私達は流奈君を半年近く取材していたんですけども、流奈君にちゃんと自分の意思があることを示す
いろんな場面を見てきました。流奈君だけが知っていて、お母さんが知りえない話を
流奈君がいつもと同じ速さで文字盤を指し示すということは何度かあったんです。
こうした状況の積み重ねから私達は流奈君自身の意思や理解力が確かにあると確認しました。
アナ: 流奈君はたくさんの本も読んでいるようですね。
山元: はい、えー実際流奈君が本を読むときのスピードっていうのはかなりの速さで読むことが出来るんですけど
えー一度こういうことがあったんですが
あのー、流奈君が印刷したばかりの原稿のゲラを読んでいたんですね
で、私達は果たしてどれくらい果たして理解しているものだろうかと思っていたんですけど
そのとき読んだ記憶を頼りにして、いちいちゲラを見返さなくてそれでお父さんと共同作業で
ゲラの校正をしていくことをやっていました。
えー、流奈君のケースではないんですけど、すばやく読んで記憶していくということはですね
そういった方がいることは知られていまして、専門家の間でもそうしたメカニズムに
脳機能の面からアプローチしようとしているというようにしているようです。
えー、私達は今回の取材の過程で脳に障害を持った子供達の治療に携わるお医者さんたちの間でもですね
高い能力を発揮する子供の存在が認められいるということを知りました。
今回の番組で紹介しましたのは、あくまでも流奈君の個人のケースで全ての人にあてはまるケースではないということです。
私達は今後もこの流奈君をずっと見守ってゆければと思っています。
アナ: はい、NHKスペシャル『奇跡の詩人』を担当いたしました山元チーフプロデューサーでした。