NHK特集「奇跡の詩人」3

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238マスコミ板転載1
551 名前:文責:名無しさん 投稿日:02/05/02 15:11 ID:NGVZS/6e
ドーマン法信者がいるようなので、ダウン症コングレスのサイトから
http://members.carol.net/~ndsc/doman.html
後半部分の翻訳。インスティチュートと訳したのは、ドーマンたちの機関
Institutes for the Achievement of Human Potentialのこと。

あたしゃ医者じゃないので用語の誤訳は許してね。
また、注は省略した。当該サイトで確認してね。

ナショナル・ダウン症協会(National Down Syndrome Congress)の立場表明。

NDSCはアメリカ小児科医アカデミーの70巻5号(1982年11月)
ポリシー表明を支持し、許可を得て採録する。

(中略)

彼らが主張する治療効果の現状
インスティチュートが公表した結果はどちらともとれないものだ。
読書能力が治療の後で改善されたという多くの報告が、この理論を
支えるものとして歓迎されてきたが、統計学的な分析では、提示可
能な有効性はほとんど示されていない。体系的な研究は、読書能力
に関してドーマン・デラカート法がほとんどないし全く効果がない
ことを示してきた。
治療のおかげを蒙ったとされてきた障害児には、そもそも誤診だっ
た者、あるいは不当にペシミスティックな予測を与えられてきた者
がいる。これらの子供たちの成長過程は多様でああって、特定の治
療法のおかげで改善が見られたという根拠のない主張はそのせいで
ある。インスティチュートが劇的に宣伝した事例の中には、子供の
脳にトラウマになるダメージを与えたり、postencephalitis(脳炎の
一種?←訳者)をもたらしたものもある。彼らは特別な治療なしで
も(成長によって)実質的な益があったかもしれないのに。
239マスコミ板転載2:02/05/02 21:09 ID:???
552 名前:その2 投稿日:02/05/02 15:12 ID:NGVZS/6e
感覚運動パターニングの実験的評価による1975年の批判の三年
後、研究者たちはコントロールされた研究をおこなった。この研究
は心の成長が極めて遅れ、施設に収容されている子供たちを三つの
グループに分けた。第一グループはパターニングを受け、第二グ
ループはモチベーションテクニックの治療を受け、第三グループは
通常のケアを受けた。様々な行動上の基準を用いて研究者たちが観
察したところでは、どのグループにも研究期間中に何らかの工場が
見られた。しかし、三つのグループの間に意味のある違いは何ら存
在しなかった。この研究や他の報告に基づき、研究者たちは、通常
のケアに較べてパターン治療が優っている点は何もないと結論し
た。従って、この結果は公式には収容されている知恵遅れの子供た
ちにのみ一般化できるものに過ぎないが、パターニングがほかのど
んな治療法であれそれよりましだと考えることは出来ないと彼らは
結論した。
これまでの警告は、この治療法の結果についての良くコントロール
された研究の必要性を強調してきた。インスティチュートの主張の
すべての側面について研究することには多くの理論的・実際的困難
がある。官民両方の後援を受けたきちんと立案された包括的な研究
が最終段階になったとき、インスティチュートはそこに加わるとい
う当初の約束を放棄した。この研究がこうして失敗したので、イン
スティチュートが主張する効果の立証責任は彼らにある。特に、最
近の、より小規模の研究もパターニング療法にいかなる目立った益
もないことを示しているのだから。
240マスコミ板転載3:02/05/02 21:10 ID:???
553 名前:その3 投稿日:02/05/02 15:14 ID:NGVZS/6e
要約
心の成長の問題を治療している他のグループとIAHPの大きな
ちがいは、(1) 治療効果があったという数少ない報告が、法外なも
のである点、(2) 証明されていないテクニックを本当に細かい細部
にわたり固く守らねばならない両親への大きな負担にある。たいて
いの場合、この療法を受けた患者に見られる改善は、成長、特定の
孤立した技術だけを集中的に訓練した結果、強い刺激のもたらす特
定されない効果によって説明される。医者もテラピストも、論争さ
れている問題と手に入る証拠について知っていなければならない。
過去および現在の分析・研究・報告に基づくなら、パターニング治
療には何ら特別のメリットはなく、その代弁者たちの主張は証明さ
れておらず、家族への要求が強すぎるためこの方法を用いることは
有害でありうると結論しなければならない。

以上
241マスコミ板転載4:02/05/02 21:10 ID:???
555 名前:FC法について 投稿日:02/05/02 15:38 ID:NGVZS/6e
Journal of Applied Behavior Analysis
(障害児教育専門誌)の1995, 28号の
Barbara B. Monteeたちの論文
長いのでアブストラクトだけ。
http://www.envmed.rochester.edu/wwwvgl/jaba_articles/1995/montee-full.htmlx

アブストラクト
我々はFacilitated communication (以下FC法←訳者)を通じて七人
の中度から高度の精神発育不全の大人が介助者の助けを借りて作り
だしたメッセージを誰が書いているのかを評価した。患者はFC法
を用いて流暢にコミュニケートすると報告されていた。我々は、絵
を見て名前を言う場合と行動を記述する場合の二つの評価フォー
マットで介助者の情報へのアクセスをコントロールして伝えられる
ようにした。どちらのフォーマットも三つの条件で実験された。(1)
介助者も患者も同じ情報にアクセスしている。(2) 介助者は絵や行
動にアクセスできない。(3) 介助者は絵や行動について間違った情
報を与えられている。実験結果が示すところでは、患者が正しい答
えをタイプできるのは介助者が同じ情報にアクセスしている場合だ
けであり、介助者が情報を持たない場合や間違った情報を持ってい
る場合には正しい答えをタイプできず、介助者と患者が異なった情
報を持っていた場合には介助者に示された絵や行動をタイプした。
これらの結果はFCの間タイピングをコントロールしているのが介
助者であることを疑問の余地なく示している。
242マスコミ板転載5:02/05/02 22:54 ID:???
580 名前:551 投稿日:02/05/02 22:27 ID:wPVizoMz
省略された前半部分も訳しておくよ。
551の<中略>ってところに入ると思ってくれい。

この20年の間、the Institutes for the Achievement of
Human Potential とその会員たちは、脳損傷などの障害に彼らの
治療法が有効だと一貫して主張してきた。多くの(公的)機関はこ
の主張に関して警告の声明をだし、そこには1968年六月一日のア
メリカ小児科医アカデミーによるアメリカとカナダの諸機関のコン
ソーシアムによる公式声明もある。最近のメディアによる報道や、
親や公務員たちからの問い合わせの増大によって、アカデミーは現
段階でのこの問題の論争の状態をまとめ、1968年の声明をアップ
デートし修正し、さらに幾つかの提案を行う必要に迫られている。
243マスコミ板転載6:02/05/02 22:55 ID:???
581 名前:580の続き part 2 投稿日:02/05/02 22:28 ID:wPVizoMz
我々の関心は次のような理由による。

インスティチュートが採用する扇動的方法によって、両親は親とし
ての適性や動機を疑われずにこの種の治療を断ることが難しくなっ
ている。インスティチュートが課す厳しい訓練は極めて過酷で融通
がきかず、両親にかなりのストレスを与え、彼らは家族の他のメン
バーを無視するようになる。提唱者たちの主張では、あらかじめ規
定されたとおりの厳格さで遂行されず、100パーセントの努力に足
りないならば、このセラピーは無意味であり、治療の失敗の原因に
なる。
しばしば、歩行とか音楽鑑賞とか、年齢に応じて子供に可能な活動
に制約が課されているが、これらの制約はデータによっても、今日
に至るまでの長期間の結果によっても支持されない。
インスティチュートが利用している「発達プロファイル」に基づい
た急ぎでかつ決定的な診断がなされることがしばしばある。しかし
そのプロファイルが何に基づいているのかは明らかにされたことが
なく、これまで受けいれられている他の方法と比較することでその
プロファイルを評価しようとする試みがなされた証拠もない。
かなりの治癒例があるという主張がなされ、また病気のセラピーを
超えて、この療法が普通の子供もより優秀にし、世界の緊張をやわ
らげ、「進化のプロセスを速める」かもしれないという主張がなさ
れている。
こうした劇的な主張にもかかわらず、1967年以来、パターニング
を受けた患者にわずかな機能上の改善が認められることを示唆した
研究は一つしかない。1967年以来ドーマン・デラカート療法を支
持する実際上いかなるデータも提示されてこなかったという事実
は、それ自体パターニングに賛成してなされてきた広汎な主張に疑
問を投げかける理由になる。
244マスコミ板転載6:02/05/02 22:57 ID:???
584 名前:580の続き part 3 投稿日:02/05/02 22:35 ID:wPVizoMz
理論
普遍的に適用可能だと主張されるこの理論は、主として大脳半
球の優位について、また個体の連続的な系統的発展の関係について
の過度に単純化された観念に基づいている。この理論によると、心
的発達障害(mental retardation)、学習障害(learning
problem)、行動異常(behavior disorder)の大半は脳損傷か
「神経組織の貧弱さ」によって引き起こされ、これらの問題はすべ
て脳損傷の延長線上のどこかに位置づけられ、インスティチュート
が提唱する治療以外に効果的な治療は存在しない。
現在入手可能な情報はこの主張を支持しない。特に、優位な半球が
存在しないこと(よくわからん。the lack of uniform
dominance or sidedness、右半球か左半球が支配的になってい
ないということか)はこれらの症状の病因としてもまた治療にとっ
てもおそらく重要なファクターではない。
文化や人類学的な違いもこの理論によって「説明」されてきた。例
えば、未開部族における書記言語の欠如は「はいはいcrawling
and creeping」の制約のせいにされている。これは極めて偏狭で
問題のある見解だ。
この理論についてのある注意ぶかい批評は次の結論を導いている。
「科学的研究のために、理論的・実験的・論理的な証拠によってテ
ストしたとき、かれらの教義は証拠によって支持されないか極度に
矛盾している。科学的仮説としては、神経組織の理論は何のメリッ
トもないように見える。」別の批評は、この方法の理論的原理は、
神経組織の発展の性質についての一般に受けいれられた見解と矛盾
すると結論づけた。

で、以下551(<<238)の文が続く。

ちなみに、「多くの(公的)機関はこの主張に関して警告の声明を
だし」には注がついているが、そこにはアメリカ小児科医学会、ア
メリカ脳性麻痺アカデミー、テキサス脳性麻痺協会、カナダ遅進児
協会、アメリカ神経医学アカデミー、アメリカ物療学・リハビリア
カデミーの警告文が参照されている。