移行後かとは思いますが、よろしければ
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完全に亀レスですが、「昭和の三馬鹿」ネタで建設的な議論が交わされたようですね。
私も技術が後世に引き継がれた側面についてはおおむね同意します。
ただ、いくつかの意見には危険なものを感じましたので、コメントをつけておきます。
1)
>目先の損得ばかり見て、無駄だ無駄だと騒がないでもらいたいよ。
>>933 戦艦大和や青函トンネルは短期〜中期的な効用を得るべく造られたのです。
特に戦艦大和は太平洋戦争開戦当時、大鑑巨砲主義に基づいて即戦力を期待された軍艦でした。
しかし皮肉にも真珠湾奇襲とマレー沖海戦によって航空戦力の優位が明確となり、
結果として大和は無用の長物となってしまいました。
あくまで結果論ですが、大和1隻の建造資金を翔鶴型空母2隻の建造に回した方が
戦力としては最適だったわけです。
(バルバス・バウは翔鶴型空母にも使われたので、確実に後世に引き継がれたでしょう。)
戦争は政治以上の結果責任です。このツケは実に高くつきました。
そして青函トンネルは戦艦大和ほど悲惨ではありませんが、着工当初に描いた
本州〜北海道の旅客と貨物の大動脈としての役割を担うという目論見は大きく外れ、
旅客輸送の面で完全に航空便に主役の座を明け渡してしまいました。
整備新幹線に至っては在来線の活用で十分に用が足りるものを
ただただ建設資金を地方に落とす目的だけのために計画したのですから、
理念も哲学もない、全くの穀つぶしです。
思い出してください。ビクターの高野鎮雄さんを中心とするVHS開発チームのことを。
彼らはリストラ寸前のチームだったのです。
目先の利益にこだわらなければ、チームのメンバーは解雇か配置転換の運命にあったのです。
ライバルのソニーのベータを倒すために試作機をライバルメーカーに公開して共同開発にこぎつけ、
対ベータの合縦策を完成させて、ついにベータを葬り去ってVHSが世界標準に登りつめたわけですが、
大元の動機はチームのメンバーを守ることにあったのです。
高い技術を持つ中小企業や町工場にしても、当座の資金繰りがショートすれば、
技術の維持どころではありません。
優秀な技術者が無事に転職したり企業したり出来る保証は100%担保されているわけではないのです。
やはり目先の損得を考えずに技術を語るわけにはいきません。
同時にこれは、官僚や企業経営者が技術継承に関しても重い責務を背負っていることを示しています。
2)
>三大馬鹿査定ねえ・・・・・・・。挙げられたラインナップを見ているとある意味
>エジプトのピラミッドに通じるものがあるのでは無いか。ピラミッドは元々
>まだ解明されていない謎は多いにせよナイル川の氾濫の際の農閑期に失業し
>た農民に仕事を与えるためにぽこぽこ建てられた単なる国の失業者対策(近
>年で言うとTVAあたりか?)だったのに今現在のエジプトの経済を潤し、
>そして古代エジプトの名を偉大かつ不朽のものにしたのはまさにこれだ。(以下略)
古代エジプトのピラミッドが仮に失業者対策だったとしても、
この巨大公共事業によって国家が破産したならば本末転倒と言わざるを得ません。
一説にはクフ王は王室の財政が破綻したので娘を娼婦にしたそうですから。
また、ピラミッドを建設した人々は後世に観光資源になることを目的としていなかったことは明白であり、
やはりピラミッドや万里の長城など観光資源としての巨大建造物は
昭和の三馬鹿「戦艦大和・青函トンネル・整備新幹線」と同列に扱うべきではなく、
むしろ吉野ヶ里遺跡や姫路城と比較するのが適当であると思われます。
いろいろうるさいことを書きましたが、基本的には技術に誇りを持つ皆様に敬意を持っています。
このスレッドが単なるノスタルジーのオナニースレッドに終わることなく、
ここから次のプロジェクトを担う人材が輩出されることを切に願っております。
以上、長文カキコスマソ。