毎日新聞 2月17日 10時44分配信
シリア東部デリゾールで今月、住民からの寄付金を集めていたイスラム過激派組織「イスラム国」(IS)のエジプト人幹部が行方不明になったことが、
IS実効支配地域の反体制活動家の証言で分かった。
幹部が寄付金約10億シリアポンド(約6億円)を奪って逃げたとの情報もあり、IS内部の統制が乱れ始めた可能性もある。
反体制活動家によると、エジプト人幹部は、デリゾールでイスラム教徒の義務の一つである貧困者のための寄付(喜捨、ザカート)関連の
業務を束ねる立場にあった。住民の証言によると、ISは住民の歓心を買うため、貧困家庭や死亡した戦闘員の遺族への支援を行っており、
ウェブ版英字機関誌でも「喜捨を奨励している」と宣伝していた。幹部は金を持ち逃げして実効支配地域からトルコに逃げたとの情報もある。
ISはバグダディ指導者を頂点にした中央集権体制を築き、イスラム法(シャリア)を独自に解釈した法令を適用している。
シリアで活動する他の武装勢力に比べると、わいろの要求や強盗などは少ないとされてきたが、最近では統制の乱れも指摘されている。
今年1月にシリア北部アインアルアラブ(クルド名コバニ)でクルド人部隊に敗退したことを巡っても「戦略ミス」などと内部で批判が出ている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150217-00000028-mai-int