◆地球が常に振動している現象、南海トラフ微小地震も起因−海洋機構が発見
海洋研究開発機構の地震津波海域観測研究開発センターの利根川貴志研究員らは、
巨大地震の震源域として想定される南海トラフ付近で、微小地震活動によって
引き起こされた波動が地球の「常時振動」となっていることを発見した。
常時振動は、大気や海洋の乱れによって地球が常に振動している現象。
それが微小地震に伴って発生した波動からも起きていると結論づけた。
2011年9月から3カ月間、海中音波観測装置と地震計による観測点約150点を
5キロメートル間隔で南海トラフ付近の海底に設置し、観測データを取得。
その結果、付近の微小地震から海中と堆積物の中を毎秒0・7キロ―1・5キロメートルの
速度で遠くまで伝わる「音響レーリー波」が発生し、この波動により観測域の海洋と地殻が
常時振動していることを突き止めた。
この波動の周期は0・5―1・4秒で従来の常時振動の10秒前後―数百秒とは異なるという。
地球の常時振動は地震が起きていなくても観測される。
地球以外の惑星内部の構造に関しても、有力な観測方法として期待される。
日刊工業新聞 2015年01月30日
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720150130eaaj.html