難関大を中心に、解答困難な悪問・奇問が出題されることが珍しくない大学入試の世界史。
専門家は「あまりにもマニアックな出題とその対策は、世界史嫌いを増やしてしまう」と危惧する。
なぜ、こうした出題は尽きないのだろうか。(磨井慎吾)
■「エジプトの神聖文字が解読された年は?」
「仏教の八正道に入らないものは『正見』『正精進』『正則』『正命』のうちどれか」
(平成26年早稲田大教育学部、正解は「正則」)、「甲骨文字は占いに用いられたことから
(○)とも呼ばれた」(26年慶応大文学部、正解は「卜辞」)、「彼ら(中華民国期の地方軍
司令官)は立法府の(○)や行政機関を巧みに操り、軍閥と呼ばれた独裁体制を構築した」
(24年上智大、正解は「省議会」)、「エジプトの神聖文字が解読された年は?」(23年
上智大、正解は「1822年」)…。
こうした難問を大量に収録した『絶対に解けない受験世界史』(社会評論社)を昨年刊行したのは、
受験世界史研究家の稲田義智さん(筆名)。大学受験産業に長年関わってきた立場から、
早慶や上智大、一橋大など難関大を中心に、世界史の入試問題で悪問が頻出している現状を告発する。
「高校教科書の範囲を外れた問題がアンフェアであるのはもちろんだが、教科書の一節を
丸写ししてその一部を空欄にしただけの『コピペ出題』や、自分で書いた学術論文のテーマを
入試問題に転用したために異常に難しい奇問が生じるなど、作問者の良心が問われるケースも少なくない」
青磁か白磁かの区別が重要な出題で問題用紙の写真がモノクロだった事例(26年早大文学部)や、
出題文が「南ア戦争は、イギリスにとっては(○)戦争以来の長期戦になった」とあいまいだったために、
4大予備校の正答予想が「ナポレオン」「クリミア」「第2次アフガン」「アロー」とバラバラに
なった問題(24年慶大文学部)など、チェックの甘さを感じさせる出題も多い。稲田さんは
「最低限、問題を作った後にクロスチェックしてほしい」と苦言を呈する。
(以下略、続きはソースでご確認下さい)
産経ニュース 2015.1.29 07:00
http://www.sankei.com/premium/news/150129/prm1501290005-n1.html