焦点:中国人民銀に試練、流動性供給の効果奪う資金流出構造
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0KW0FF20150123 [上海 23日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は減速している経済に何とか刺激を与えたいと必死になっている。
ただ伝統的な金融政策手段が思い切って使えず、別の戦術を採用せざるを得ない状況にあり、金融調節面で大きな試練にさらされている。
通貨供給量を管理し、金利水準を誘導する上で透明性が高いのは公開市場操作(オペ)だ。しかし金利を低めに持っていくために短期市場で資金を供給しても、
中国が直面する資金流出の拡大を穴埋めできず、効果がないことが証明されている。
実際に市場参加者によると、人民銀行によるオペの効果が持続的な資金流出のせいでどんどん効力を失っていったので、とうとう昨年12月初めにはオペはほとんど実施されなくなってしまった。
ANZ(上海)のエコノミスト、ゾウ・ハオ氏は「貸出金利を押し下げるのは非常に難しい。これは根深い問題だ。
短期市場への資金供給は市場の不安を鎮静化することができるだけで、金利を下げるための長期的な流動性はもたらさない」と指摘した。
人民銀はこうした市場調節の代わりに、臨時貸出制度(SLF)や中期貸出制度(MLF)といった、いわば裏口から銀行向け与信枠を直接的に拡大する新たな手法に頼っている。
もっともこれらも流動性は提供するものの、その不明瞭な性格から多額の債務を抱えた中国企業の資金調達コストを低くする効果は今1つだ。
そして結局のところは、長らく続いた外貨準備蓄積の流れの反動と中国企業が2014年を通じて対ドルでじりじりと下がってきた人民元を
ますます保有したがらなくなっていることが相まって、せっかくの大規模な流動性供給が無効化されてきた。
JPモルガンのエコノミスト、ズー・ハイビン氏は22日の調査ノートに「外貨準備蓄積を通じた流動性注入という伝統的な経路はなくなっている」と記し、
14年下半期には外貨準備が毎月減少したと付け加えた。
以下ソース