毎日新聞 2015年01月06日 07時15分(最終更新 01月06日 12時22分)
http://mainichi.jp/graph/2015/01/06/20150106k0000m040143000c/image/001.jpg ※養殖ノリを加工した通常の板ノリ(左)と色落ちした板ノリ=兵庫県提供
瀬戸内海で、栄養不足のため養殖ノリが色落ちする被害や漁獲高の減少が深刻化していることか
ら、環境省は来年度から、瀬戸内海で本格的な水質調査に乗り出す方針を固めた。かつての深刻な
公害から立ち直った瀬戸内海だが、近年は漁業者やノリ養殖業者から「海が痩せた」との声が上がる。
原因はどこにあり、解決策はあるのか。かつての豊かな海を取り戻すべく、模索が続いている。
「黒々していて元気いっぱいだが、またいつ色落ちが始まるかわからない」。全国5位(2010年度)
の養殖ノリ生産量を誇る香川県の高松市沖でノリ養殖を営む地浜秀生さん(55)=同市浜ノ町=は、
海面に敷かれた網にびっしりと生えたノリに笑顔を見せるが、不安が頭から離れない。
「平成25年1月30日 少し色落ち」。地浜さんが毎日欠かさず収穫量や水質などを記入する日誌に
は、色落ちが始まった時期が記録されている。地浜さんの網で色落ちが目立ち始めたのは00年ごろ。
例年、収穫は12月中旬ごろから3月まで続くが、近年では1月に色落ちが始まり、以降の収穫をあき
らめてしまうこともある。
香川県によると、00年度に9億7900万枚あった生産量は昨年度には3億5500万枚まで激減。ガ
ソリン価格の高騰やノリ単価の下落なども相まって、地元に所属する養殖業者も最盛期だった30年
前の約20業者から9業者に。仲間たちは見切りをつけて養殖から手を引いた。地浜さんは「色落ちの
原因調査は長年要望してきた。科学的な調査で原因や対策を明らかにしてほしい」と期待を寄せた。
【鈴木理之】
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引用元:毎日新聞
http://mainichi.jp/feature/news/20150106k0000m040143000c.html