疲れているときや眠いとき、夜に髪を洗うのは面倒だし、ドライヤーで髪を乾かすのはもっと面倒臭い…という人もいるだろう。
とはいえ気になるのは、ときどき耳にする
「髪が濡(ぬ)れたまま寝るとハ ゲる」という噂。
これってホント?
東京メモリアルクリニック・平山の佐藤明男院長に聞いた。
「髪が濡れたまま寝ても、薄毛とは関係ないので、全く問題ありません。
長い歴史では、もともと人間は髪を乾かす習慣がなかったのですから、生理的には乾かさなくても良いんです」
髪を乾かさない→頭皮がムレる→ハゲるというイメージなのかもしれないが、
「頭皮のムレ」と薄毛の関係はあるのだろうか。
「頭皮がムレるかどうかも、薄毛とは全く関係ありません。
よく『ヘルメットや帽子をよくかぶる人は、ムレてハゲる』と言う人もいるが、それは誤解です。
そもそもヘルメットを1日中かぶっている職業の人にも、薄毛じゃない人はいますし、
『ヘルメットのせいでハゲた』と言う人もいますが、調べてみると 遺伝的にハゲているんですよ」
髪を濡れたままにしておくのは問題ないが、逆に「ドライヤーで乾かす」ことの問題はあると言う。
「ドライヤーの熱風を地肌に当ててしまうと、熱はタンパク質を変質させてしまうため、髪も頭皮も傷めてしまいます」
地肌に直接熱風を当てたり、同じ場所に長い時間当てたりするのは、禁物だ。
ところで、そもそも薄毛って、昔の人に比べて増えているのだろうか。
「薄毛は、50年前の統計と現在の統計と比較しても、変わっていません。
『増えている』と言うのは、たいてい強迫観念を与えて何か商品を売ろうとする物売りです。
医学的には統計上変わっていないんです」
髪にまつわる環境は50年間でいろいろ変わっているはずなのに、
ハゲ率が変わってないってことは、そう考えるとほとんど遺伝によるものなのだろうか。
「男性型脱毛症はほぼ100%遺伝ですね。いろいろやっても残念ながら意味がないです」
ただし、今は男性ホルモンを抑える薬プロペシアなどがあり、これはかなりの効果を上げている。
何より早めの治療が一番なのだ。
http://www.zakzak.co.jp/health/doctor/news/20141206/dct1412061502001-n1.htm?view=pc