7年連続万引きワースト1から脱却…注目の「香川方式」
万引き防止には声かけが有効――。
香川県内のスーパーなどがこうした取り組みを進めたところ、被害が大幅に減少する成果が
出ている。香川は人口1000人あたりの万引き認知件数が2009年まで7年連続全国
ワースト1だったが、万引き犯や店側への調査を基に、県警などが声かけの推進を始めると
被害は徐々に減り、ワースト1からも脱却。現在では「香川方式」として注目が集まっている。
◆対策へ実態調査
県警では、総務省の住民基本台帳記載の人口を使い、各都道府県の万引き認知件数から
1000人あたりの発生件数を独自に計算。00年は全国で13位だったが、01年が6位、
02年は2位と悪化し、03〜09年はワースト1になった。
「万引き多発」の原因ははっきりしないが、県警は10年に入り、対策を検討。香川大
教育学部の大久保智生准教授(犯罪心理学)にも協力を依頼し、▽万引きの容疑で取り調べを
受けた180人へのアンケート▽スーパーやコンビニエンスストアなどの店長や店員らへの
ヒアリング――などを行って「盗む側」と「盗まれる側」の意識や実態を調査した。
その結果、万引き犯は、防犯カメラの死角を見つけて犯行に及び、防犯機器の存在以上に
「あいさつなど店員からの声かけ」「店員の多さ」への警戒心が強く、そうした状況に接すると
犯行を中止する傾向があることが判明。一方、店側では従来、商品を隠している客を見つけても、
「泥棒扱い」とのクレームを避けるため、店の外に出たのを確認して呼び止めるケースが
一般的だったが、こうした対応に疑問が生まれたという。
◆店にマニュアル
10年は、順位こそワースト2位になったものの、認知件数は09年とほぼ同じだった。
県警や大久保准教授らは11年、▽狙われやすい商品はレジ近くに置く▽店内放送で万引き
防止を呼びかける――など「万引きされにくい店作り」を事業者側に指導。12年には、
▽「カゴをお使い下さい」と買い物客にあいさつする▽不審と感じながらも声がかけにくい
場合は複数で呼びかける――などの「声かけマニュアル」を作成し、配布したところ、
11、12年は4位、13年には5位――と改善されていった。
かつて万引き被害に悩まされていたという高松市のホームセンター「西村ジョイ成合
(なりあい)店」もマニュアルを活用し、被害が大幅に減少。対策を始めた当時の担当者は
「『見ている』ことが伝われば、万引きを諦めるケースが多いとわかった。声かけはコストも
かからず、店の雰囲気も良くなったと感じている」と振り返った。
(以下略、続きはソースでご確認下さい)
Yomiuri Online 2014年11月27日 15時44分
http://www.yomiuri.co.jp/national/20141126-OYT1T50165.html