大阪市教委が中学生の味覚に手を焼いている。
平成26年度から市立中学校に本格導入した給食の味が不評で食べ残しを招き、
11月の新メニュー導入に向けて生徒による“審査会”を余儀なくされた。内部から「ぜいたくすぎる」と疑問の声があがり、
これから中学校給食を導入する自治体からは反面教師にされるという状況だ。米国でも大統領夫人肝いりの「健康的な給食」に
反発した子供たちがおかずを捨てる騒ぎが起きており、給食のさじ加減の悩みに国境はないようだ。
4割残飯の学校も
ミートローフ、タラのムニエル−。
大阪市教委は夏休み中、区役所や中学校に生徒や保護者を招き、12品の「新メニュー候補」の試食会を重ねた。
生徒らは味見をしてアンケート用紙の「食べたい」「どちらでもいい」「食べたくない」の選択肢に印をつけて感想を記入。
保護者たちには「素材の味が生きている」「だしが効いていておいしい」と好評だったが、市教委担当者は審査する生徒の様子を心配そうにうかがい、
さながらオーディション参加者のようだった。
大阪市教委は業者が弁当を届けるデリバリー方式を採用したが、食中毒防止などの理由から冷蔵保存された弁当に「おいしくない」と不満が噴出。
「学校によっては多いときに4割近くが残飯になる」(市教委幹部)。
11月のメニュー改善に向け、市教委は30万部超が売れている独立行政法人の病院食用レシピ本に着目。
給食と同様に冷めた状態ながらも「おいしい」と評判のレシピの提供を受け、新メニュー候補を用意した。
だが試食アンケートには「味がしない」「おいしくない」といった生徒の容赦ない言葉も。市教委内からは「ぜいたくすぎる」と指摘する声があがり、
給食の旗振り役である橋下徹市長もこう漏らした。
「毎日『おいしい』と言われるような給食にしなきゃいけないのかな、という思いはある」
「同じ轍は踏まぬ」
共働き家庭の要望の強まりなどから導入の動きが広がる中学校給食。
コストを抑えるために大阪市と同様のデリバリー方式を採用する自治体は少なくないが、生徒の味覚への対応は分かれる。
相模原市では「味の評価は好き嫌いの側面が大きい」
ととらえ、生徒指導での解決を目指す。
広島市では弁当箱のふたを半透明にし食べ残しを“見える化”。「担任教諭が指導しやすくなり食べ残しが減った」という。
「大阪市と同じ轍(てつ)は踏まない」。平成28年度中に中学校給食を導入する堺市は大阪市を反面教師として「温かくておいしい」弁当の提供を宣言。
学校への搬送、給食までの保管を常に高温で保つとし、今後、具体的な方法を検討していく。
給食に頭を悩ませるのは海外も同じだ。子供の肥満が深刻な米国ではミシェル・オバマ大統領夫人の主導で約2年前からカロリーや栄養バランスに厳格な基準を適用。
だが米国会計検査院の2014年1月の報告書などによると「おいしくない」と不満が続出し、低脂肪チーズや塩気のないポテトなどが捨てられるケースが確認された。
インターネット上には子供たちが抗議のために撮影したとされる給食の写真が数多くアップされている。
手間を伝え感謝に
子供の食育に詳しい相愛大の坂本廣子客員教授は「健康的なことはもちろん大事だが、食べ物は『おいしい』ことも大切。
食べることを強制するだけでは、ますます給食が嫌いになってしまう」と指摘し、食育の観点からこう提言する。
「味を改善していきながら、子供たちにいかに給食に手間がかかっているかも伝え、感謝の気持ちを育むことが大事だ」
大阪市の中学校給食 橋下徹市長が「十分な食事は学力の向上に必要不可欠」と主導する形で、平成24年9月から家庭弁当との選択制で試験導入。
コストを抑えるため業者が弁当を配送するデリバリー方式を採用したが「おいしくない」などの理由で利用率は10%程度と低迷した。
しかし「給食を選んでいない生徒たちの中に栄養不足がみられる」などとして、平成26年度の1年生から全員給食に切り替えて本格導入に踏み切った。
産経2014.9.14 21:25
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/140914/waf14091421250011-n1.htm ★1の立った日時 2014/09/15(月) 22:14:48.71
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