イスラム国空爆:シリア内戦の泥沼化の危険はらむ
http://mainichi.jp/select/news/20140911k0000e030170000c.html 毎日新聞 2014年09月11日 11時54分
【ワシントン和田浩明】オバマ米大統領が10日発表した、イラクとシリア
で活動するイスラム教スンニ派過激派組織「イスラム国」に対する包括戦略は、
米国人記者2人の殺害を受け米国内で急激に高まった脅威感に押される形で
練り上げられた。最終的にイスラム国の「破壊」を目指すが、その実現に欠か
せないシリアでの作戦では反体制派地上部隊の強化はこれからだ。内戦下での
軍事介入が、さらに情勢を混乱させ「泥沼化」しかねない情勢だ。
オバマ大統領は8月7日にイラク北部のイスラム国部隊の空爆を承認した。
2011年にイラクから米軍が撤退して以来、3年ぶりの実戦行動に踏み込ん
だが、設定した目的は、米国人保護など限定的だった。自ら主導して終結させ
たイラクでの戦争に、再び引き込まれることを避けたい意向は明らかだった。
しかし、イスラム国は報復として、シリアで拘束していた米国人記者の首を
切って殺害し、8月19日と9月2日にインターネットでその動画を公表した。
この事件を機に米国内の反イスラム国感情は沸騰した。8月28日の記者会
見でオバマ氏が「対イスラム国戦略はまだない」と語ったことが「慎重すぎる」
との批判を浴びた。米ウォール・ストリート・ジャーナルの最近の世論調査
では、オバマ政権の外交政策の支持率は13年12月の44%から32%に低
下した。対イスラム国軍事行動を「国益にかなう」と回答した人は61%に達
した。
そもそも、シリアで米国が支援する穏健な反体制派は、装備や練度でイスラ
ム国や政府軍に大きく劣る。オバマ大統領は武器供与や訓練の拡大を認めるよ
う議会に働きかけているが実現していない。
シリア領内でイスラム国をたたいた場合、米国が退陣を迫るアサド政権を利
する可能性もある。政府高官は「(空爆)対象は政府軍が活発でない東部のス
ンニ派地域で、イスラム国部隊を排除すれば米国が支援する穏健派反体制派に
有利になる」と主張する。しかし穏健派反体制派はイスラム国、政府軍相手の
「二正面作戦」を米国から期待されており、実現可能性は不透明だ。
米政府高官によると反体制派の訓練はサウジアラビアで行うというが、イス
ラム教の聖地メッカを擁する同国でのこうした活動は、イスラム過激派をさら
に刺激しかねない。
オバマ大統領も9日「イスラム国というがんの摘出には時間がかかる」と明
言しており、残り2年半の任期で完結する保証はない。
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アサド政権排除が必要=シリア反体制派「国民連合」
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_date1&k=2014091100692 時事通信 2014/09/11-16:48
【カイロ時事】シリア反体制派「国民連合」(本部イスタンブール)は11
日、声明を出し、オバマ米大統領がシリアで過激組織「イスラム国」への空爆
を辞さない姿勢を示したことを歓迎する一方、「(シリアを)安定した過激派
のいない地域にするには、アサド政権の排除が不可欠だ」と訴え、政権を利す
る結果にならないようけん制した。
関連スレ:
【中東情勢】シリアに空爆拡大、イラクに追加派兵へ…対イスラム国 オバマ大統領表明 [9/11]
http://daily.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1410437402/