【大阪】万博記念公園内の旧児童文学館、用途転換困難 [14/08/19]

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大阪府:旧児童文学館「塩漬け」 用途転換困難
【毎日新聞】 2014/08/19 15:00

万博記念公園(大阪府吹田市)の活性化を議論している大阪府は、2009年に廃止された公園内の
旧府立国際児童文学館(児文館)の建物の今後のあり方について、26日に策定する将来ビジョンに盛り込まない
方針を固めた。書庫がスペースの3分の1を占めるなど、他の用途への活用が難しいことが理由だ。簿価は
6億円(13年度)で、受賞経験もある建築物が「塩漬け」状態となる。

旧児文館は、国内外の児童書を収集、公開、研究する施設として、1984年に開館した。府は年間1億7400万円
かけて財団法人に運営を委託していたが、08年に知事に就任した橋下徹・大阪市長が「立地の悪さ」などを
理由に閉館を決め、10年5月に府立中央図書館(東大阪市)内に移転した。

建物は、直線を基調にした白くシャープな外観で、86年に日本建築士会連合会の奨励賞を受賞した。2階建てで
延べ3100平方メートル。しかし、書庫が944平方メートルを占め、図書館以外の利用は難しい。現在は府が
公文書4万点を保管し、警備費などで年963万円かかっている。市民の利用はできず、周囲はひっそりと
している。

今春、国の独立行政法人から公園管理を引き継いだ府は、有識者による審議会で、今後50年間の公園管理の
基本方針となる「将来ビジョン」策定に着手した。海外から集客を図る「国際観光公園化」を目指し、
大阪万博(70年)の象徴だった故岡本太郎氏作の「太陽の塔」を半世紀ぶりに内部公開する方針を決め、
日本庭園や森林のあり方についても議論してきた。

しかし、府の担当部局が審議会で使っている資料の地図では、旧児文館は隣接する駐車場と一体とみなして
「駐車場」と表記され、存在自体が無視されている。委員からほとんど意見は出ず、26日の
将来ビジョン骨子案は、太陽の塔の内部公開などを盛り込む一方で、旧児文館の将来像は示さない見通しだ。

万博記念公園を巡っては、松井一郎知事と橋下市長が、2025年の万博誘致を目指す夢を描く。旧児文館について
府の担当者は「確かに保管庫ではもったいなく、検討の優先順位が低いわけではない」としながらも、
「将来像は何も決まっていない」と説明している。【熊谷豪】

ソース: http://mainichi.jp/select/news/20140819k0000e040202000c.html