ふるさと納税で混乱の村、返礼米納入の偏り批判
http://www.yomiuri.co.jp/national/20140808-OYT1T50040.html 読売新聞(守川雄一郎) 2014年08月09日 16時54分
奈良県御杖村のふるさと納税の返礼米を巡る問題で、村議会の臨時会が7日、
開かれた。
地元産コシヒカリを納入した農家の一人、田中敏弘議長が「混乱の責任を取
る」として願い出た議長の辞職を全会一致で了承し、議員2人が問題に関わっ
たことを住民に謝罪した。
臨時会では、田中氏に代わって村議会事務局が「ふるさと納税に寄付いただ
いた方や村民、議会に大変な迷惑と心配をおかけした。議会を統括する職責を
全うできない」と辞職理由を説明した。
一方、村議会は、村内の約860世帯に今回の問題を調査した結果を報告。
返礼米に未検査米を混入させたとして議員辞職した篠田元氏や、田中氏ら4人
が昨年度までコシヒカリ納入を独占していた実態を指弾し、「村内の生産者に
参加を呼びかけず、納入が偏ったことは極めて不公正で、誠に遺憾」と批判し
た。村や、村議会のチェック機能が働いていなかったことも挙げて謝罪してい
る。
鈴木仁彦村長は村のふるさと納税制度がずさんだったと認め、「寄付者から
は『こんな実態なら協力しなかった』という厳しい声も届いている。村への厚
意を無にして大変、申し訳ない。監督と指導を徹底し、二度と不正が起こらな
いようにする」と述べた。
◇
議長選では、山崎往男副議長が新議長に選ばれた。山崎氏は「問題を重く受
け止め、村とともに信頼回復と再発防止に取り組みたい」と語った。
◆ふるさと納税見直しも◆
応援したい自治体に寄付すると、所得税と個人住民税が控除される、ふるさ
と納税制度。御杖村の未検査米混入問題は、自治体が寄付の特典として贈る特
産品の競争が過熱する一方で、行政や支える生産者の態勢や意識が追いついて
いない実態を浮き彫りにした。
村自慢のコシヒカリ10キロが8000円以上の寄付で受け取れるという豪
華な特典で、テレビやインターネットでも注目され、これまで全国の約260
0人が寄付した。担当者は寄付者の信頼を裏切ったことを謝罪。ただ、「村の
知名度アップに多大な効果があった。重要なPR手段だ」と強調して、今後も
続けるという。
人気を受けて、政府は寄付の上限額を引き上げる方針だ。御杖村のような過
疎に悩む自治体が潤い、地場産業が活性化するのは大歓迎だが、食材偽装と言
われても仕方のないお礼や、特典目当ての寄付が横行するのなら、制度をゼロ
から見直す必要がある。
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