精神科ベッド数 先進国平均の約4倍
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140722/k10013178371000.html NHK 7月22日 4時18分
精神科病棟への入院の長期化が問題となるなか、日本の精神科のベッド数は
人口10万人当たりでおよそ270床と先進国の平均のおよそ4倍となっていることが、
OECD=経済協力開発機構のまとめで分かりました。
OECDは「精神科医療の改革を進め、地域で患者を受け入れる態勢を
整備する必要がある」と指摘しています。
OECDは加盟する34か国の精神科の医療の状況について調べ、今月、報告書をまとめました。
それによりますと、3年前の時点で、日本の人口10万人当たりの精神科の
ベッド数は269床と、先進国を中心とした加盟国平均の68床のおよそ4倍となっています。
報告書では、入院が長期にわたる患者の中には比較的症状が軽く、自宅や
地域に戻り治療を続けることができる人もいるはずだとしたうえで、「ほかの
加盟国では、患者は病院などの施設から地域での生活に移行している。日本も
精神科医療の改革を進め、地域で患者を受け入れる態勢を整備する必要がある」と
指摘しています。
統合失調症や認知症などで精神科の病棟に入院している人は全国で32万人で、
このうち、1年以上入院している人は全体の7割近くの20万人を占め、入院の
長期化が問題となっています。
厚生労働省は、比較的症状が軽い患者の退院を促し精神科のベッド数を削減する
方針ですが、住まいや就職先の確保などが課題となっています。
精神科病床、日本が突出 OECD平均の4倍
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO74827560X20C14A7CR8000/ 日本経済新聞 2014/7/28 0:30
先進34カ国が加盟する経済協力開発機構(OECD)は27日までに、各国の精神医療に
関する報告書をまとめ、日本の精神科病床数はOECD平均の4倍で「脱施設化」が
遅れていると指摘した。
報告書によると、2011年前後のデータに基づく人口10万人当たり精神科病床数は、
OECD平均で68床。それに対し日本は269床と突出しており、加盟国中で最も多い。
多くの病床が長期入院者で占められていることにも触れて「患者の地域生活を
支える人的資源や住居が不足している」と指摘。精神障害者に対する社会の認識を
変える必要があるとした。
年間の自殺率も、OECD平均の10万人当たり12.4人と比べて日本は20.9人と
高く、「要注意」と警告。地域医療を担う全ての専門職に精神分野での能力を
向上させるよう検討を求めた。
報告書は、厚生労働省が今月決めた精神科病棟の居住施設への転換容認には
触れていないが、エミリー・ヒューレット担当分析官は「どんな変更であれ、
患者の意思が何より大事だ。病床削減は多くの国が苦労してきたが、長期入院の
患者であっても支援態勢があれば、自立して地域で暮らせる可能性がある」と
指摘している。〔共同〕