日本列島は二十六日も、各地で三五度を超える猛暑日を記録した。太陽が照りつける野外や、高温のこもる室内で、黙々と仕事に
取り組む人もいる。油断すれば命にもかかわるハードな作業に、どう立ち向かい、熱中症対策にどんな工夫を凝らしているのか。
「達人」たちの秘訣(ひけつ)を探った。
◇建設作業員
二〇〇七年に最高気温四〇・九度となり、観測史上二位の記録を持つ埼玉県熊谷市。その住宅新築現場で、建設作業員の
岩井利明さん(50)=群馬県藤岡市=はこの日も足場作業に取り組んだ。
けが防止のため、服は長袖、長ズボン。額からは次々に汗が流れる。「暑さはこれからが本番。目まいがしたり、やばいと感じたら、
すぐに休憩を取るよう心掛けている」と話す。現場では、一時間に一度は水分補給を欠かせない。温度計や、日よけのためのパラソル
も用意されている。
震災復興や東京五輪に向けた労働需要の拡大、少子化などで人手不足が深刻な建設業界だが、人々の暮らしや地域のインフラを
支えている。「一日に二カ所、三カ所の現場を回ることもあります」。こう話し、黙々と作業を続けた。
●私の対策→ 異変感じたらただちに休憩
◇球審
炎天下の球場に立ち続けるのは、高校野球の球審の桜井昭夫さん(60)=東京都昭島市。二時間ほどの試合中、球筋を見極め、
「ストライック!」と声を上げる。
ワイシャツの下に着けるプロテクターは、厚さ三センチのウレタン製。肩から胸、腹部にかけてがっちりと覆い、通気性は最悪だ。
ぐっしょりと汗をかくが、試合が動いている最中は汗を拭くことも、水を飲むこともできない。二十五日に担当した新宿区の神宮球場は
人工芝。「土のグラウンドに比べて、照り返しがきつい」と苦笑する。
前日によく眠って体調を整える。秘訣はオーダーメードの枕。頭の形や背骨の曲がり具合を測ってもらって作った特注品だ。
自身は都立高校で一塁手として甲子園を目指し、都大会で敗れた。卒業後は大学に通い、市役所勤めを続けながら四十二年間
審判員を務めてきた。
「試合中に選手と同じグラウンドに立てるのは審判員だけ」。躍動する選手たちの姿に、白球を追っていたころの自分を重ねる。
「やっぱり高校野球が好きだから辞められない」
●私の対策→睡眠時間たっぷり
◇刀匠
暑いのは屋外だけではない。刃物のまち岐阜県関市では、刀匠の高羽弘宗さん(59)が九〇〇度を超える炉「火床(ほど)」の前で、
日本刀の刃先を小づちでたたく。窓は全開、近くには扇風機。それでも室温は五〇度近くまで上がる。
厚地のじゅばんとはかまという格好。一見暑そうだが、「内側に着ているTシャツが汗で湿ったままになり、扇風機で涼しく感じられる」。
八時間の鍛錬中、食塩とクエン酸を入れた特製の塩水を十〜十五分ごとに口に含む。四十年近く火床の前に居続けられるのは
「常に水分補給し、体調を整えているから」と胸を張った。
●私の対策→10分おきにクエン酸入り塩水
ソース(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014072602000233.html 写真=厳しい暑さの中、住宅新築現場で足場作業をする岩井利明さん
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/images/PK2014072602100148_size0.jpg : : :: .
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