「当選目的で有利な記事」 地元紙元社長の銚子市長を刑事告発
http://www.chibanippo.co.jp/news/local/200579 千葉日報 2014年06月27日 10:30
昨年4月の銚子市長選で初当選した越川信一市長(52)が、選挙直前まで
社長を務めていた地元紙「大衆日報」に自らに有利な記事を複数回掲載させた
として、現社長の実妹とともに市民ら11人から公選法違反の容疑で県警に告
発されていたことが26日、関係者への取材で分かった。
同法は、新聞雑誌で経営上の特殊な地位を不当に利用して、特定候補者を当
選または落選させる目的で選挙に関する記事を掲載させることを禁じている。
告発状などによると、2人は昨年1〜4月の同紙で、4月21日投開票の市
長選で越川市長を当選させるために、1月に行った出馬会見や政策などを詳細
に報じる一方、対立候補の人格や見識を批判する記事を掲載したとされる。越
川市長は同年3月末まで同紙の社長で、4月から実妹が社長を引き継いだ。
告発人の一人は「ゆがめられた報道で誤った世論形成、投票行動がなされ、
選挙が正常に機能しなかった。市民の権利が踏みにじられた。同じようなこと
が繰り返されれば、地域の民主政治が崩壊する。見逃すことはできない」と告
発の動機を説明した。
越川市長は千葉日報社の取材に対し「告発の事実を把握していないのでコメ
ントのしようがない」とした上で「出馬表明した時点で実質的に経営に携わっ
ておらず、新聞内容に関知していなかった」と言及。自身が行っていたときの
紙面編集についても「中立公正の立場でやっていた」と話した。現在は無報酬
の社外取締役という。
同紙は1933年創刊の日刊紙で、越川市長の祖父が発行元の大衆日報社を
設立し家族で経営してきた。越川市長は同社記者、社長時代に市議を務め、市
議2期途中で市長選に出馬し、710票差で現職を破り初当選した。選挙ポス
ターには「大衆日報こしかわ信一」とあった。