>>891 @長屋王は、日本霊異記で長屋親王と記載されていたり、
「長屋親王宮鮑大贄十編」と記した木簡が出土したりしていますよね。
長屋王は「別勅処分」によって親王扱いを受けていたようですし。
元明女帝にとって皇太子の首皇子(後の聖武天皇)は孫ですが、
吉備内親王を母とする膳夫王、葛木王、鉤取王も元明女帝の孫にあたります。
ですから、膳夫王たちの身分を格上げすることに特に問題は無いでしょう。
首皇子を失うような場合、皇位継承者の候補になる可能性もあったわけですから。
A五百井女王の母能登内親王が、親の白壁王が即位したことにより内親王とされて、
11年後に能登内親王が薨去した後に行われた天皇勅命の特別措置といえます。
どちらも吉備内親王、能登内親王が四世王以上に嫁して生まれた王であり、
既に父系により王、女王である者に天皇からの親等に応じた上位皇親の身分を与えるもので、
継嗣令皇兄弟子条の令義解の公的解釈「拠嫁四世以上所生」の類推適応の範囲でしょう。
BCは、諸王(女王)から即位した帝の兄弟姉妹の親王格上げですよね。
Dは、帝の子ですから親王です。
天皇の子、兄弟姉妹は父系によって王号を有することに基づいて親王とされるのだから、
皇統そのものが父系でしょう。
全天皇、皇親が父系の集合で示せる以上、補集合Bを考える必要はありません。